『戦場の狼』(せんじょうのおおかみ[1]、日本国外タイトルは『Commando』)は、1985年5月に稼働したカプコンのアーケード用アクションシューティングゲーム。
主人公「スーパージョー」が自動小銃と手榴弾を武器に、たった独り(一匹狼)でナチスドイツ風の敵軍と戦う縦スクロールのゲームである。エンディングは存在せず、8ステージ1周(4ステージ毎に敵基地炎上)のループゲーム。
アーケード版ではデモ画面で、「はがきを出してPGCプレゼント」というキャンペーンの告知がされていた。応募期限の記載は無い。PGCとは「プレイゲームカード」の略で、当時カプコンではプレイして感想を書いて送ると、自宅にそのゲームの絵葉書を返送してくれるというベリカードのようなシステムがあった。他のアーケードゲームでも同じ企画は行っており雑誌などで告知されていたが、ゲームそのものにその情報が記載されているのは本作のみ。なお、移植版には、同じ内容の告知はない。
同年に欧州にて各種ホビーパソコンに移植された他、1986年にはファミリーコンピュータ、1987年にはPC-8801、FM-7、MSXに移植された。アーケード版はPlayStationおよびセガサターン用ソフト『カプコンジェネレーション 第4集 孤高の英雄』(1998年)やPlayStation 2およびXbox用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』(2005年)、PlayStation Portable用ソフト『カプコン クラシックス コレクション』(2006年)などに収録された他、2010年にはWii用ソフトとしてバーチャルコンソールアーケードにて配信された。また、携帯電話用アプリゲームとして2001年にiアプリにて配信された他、2007年にはEZアプリ、S!アプリにて配信された。
後に続編となるアーケードゲーム『戦場の狼II』(1990年)が稼働した。
被弾または敵に接触するとミス。ゲーム中に出てくる捕虜を助けると高得点。ステージの最後に到達するとスクロール画面が固定され、敵が多く出てくる。それをすべて倒すとステージクリアだが、時折現れる司令官(緑色の戦闘服)を倒すと高得点。司令官は攻撃はしてこず、登場すると画面下へ逃亡してしまう。手榴弾には弾数があり(自動小銃は弾数無制限)、敵の銃座・砲陣地・塹壕など、特定の場所に積んである弾薬箱を取得すると補充できる(99個まで所持可能)。手榴弾は自動小銃で破壊できない敵キャラやトーチカ(破壊には数回の投擲が必要)も倒すことができるが、放物線状に手榴弾が飛んでいくので扱いが難しく、おおよその弾着地(または投擲距離)を目測する必要がある。ステージの表示は勲章キャラクターで表示され、ステージが進むにつれて画面の前後左右から敵のトラックやサイドカーが突進したりバズーカ兵も現れる。
1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われたゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、『名作・秀作・天才的タイトル』と認定された「ザ・ベストゲーム」に選定され、同書では手榴弾が障害物を越えて敵に当たるという特性に触れた上で「うまくいけば、複数の敵をまとめて倒してくれるので、その爽快感はかなりのもの」と指摘した他、多くの軍勢に対して1人で挑んでいくという設定が「とても緊張に満ちていて短い時間で完全燃焼できる面白さを生んでいる」と称賛した[18]。また難易度の高さが面白さに繋がっていたことを指摘した上で「短期間には爆発的な人気を得たが、難しすぎたためロングヒットはしなかった」と短命であったことを指摘した。その他、「戦場の狼の基本のゲーム性は、アウトゾーンなどの先駆けとなった」と後の同ジャンルのゲームに影響を与えたことを示唆した[18]。
ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、21.09点(満30点)となっている[2]。
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