チャボ・ゲレロ・ジュニア (Chavo Guerrero, Jr. 、1970年 10月20日 - )は、アメリカ合衆国 のプロレスラー 。テキサス州 エルパソ 生まれのメキシコ系アメリカ人 。本名はサルバドール・ゲレロ4世 (Salvador Guerrero IV )。
メキシコ のプロレス一家であるゲレロ家の一員である。祖父 のゴリー・ゲレロ 、父親 のチャボ・ゲレロ・シニア 、叔父 のマンド・ゲレロ 、ヘクター・ゲレロ 、エディ・ゲレロ もプロレスラーであった[ 1] 。
来歴
デビューは1994年 。チャボ・ゲレロ・ジュニア (Chavo Guerrero, Jr. )のリングネームでWCW に所属した。1996年 11月にはWCWとの提携ルートで新日本プロレス に初来日している[ 1] 。WCW時代にはラティーノ・ワールド・オーダー (lWo)の一員としても活動していたが、lWoリーダーのエディ・ゲレロはストーリー上加入を認めていなかった。また、ジェネラル・レクション 率いるミスフィッツ・イン・アクションに加入し、ルーテナント・ロコ (Lieutenant Loco )のリングネームを使用していた時期もあった。
2001年 のWCW崩壊後はWWF に移籍。チャボ・ゲレロ (Chavo Guerrero )のリングネームで活動を開始する。長らくヒートなどのアンダーカードやタフイナフ の教官を務めたりと、メインストーリーに絡むことは少なかった。
2002年 に入りエディ・ゲレロとのタッグチーム「ロス・ゲレロス(別名チート・トゥ・ウィン)」結成とともに人気が一気にブレイクする。「ダマして、ズルして、盗み取れ(Lie, Cheat, Steal)」がゲレロ家の家訓であるとし、軽妙でズル賢い試合で高い人気を得て、WWEタッグ王座 も獲得している。ロス・ゲレロスのストーリーが終了してエディと抗争した際から父親のチャボ・ゲレロ・シニア と共に行動し、以降レイ・ミステリオ 、TAJIRI らと共にクルーザー級戦線の看板レスラーとして活動した。
2005年 にスマックダウン からRAW に移籍。同時にギミック とリングネームを変更。ヒスパニック系でありながら白人 社会の上流階級出身を自称する白人至上主義者 というキャラクターのもと、髪をブロンド に染め、ゴルフ ウェアーがトレードマークのカーウィン・ホワイト (Kerwin White )に変身した。白人のニック・ネメス をキャディ 役の付き人 に従え、黒人 ベビーフェイス であるシェルトン・ベンジャミン との抗争を開始したが、このギミックはエディ・ゲレロの死の影響によって短期間で終了している。
2005年 11月13日に叔父のエディ・ゲレロが死去した際の第一発見者で、WWEの公式発表の際にはビンス・マクマホン と共に会見を行っている。エディの死の後に行われ、エディに捧げる大会となったスマックダウンにて、久々にベビーフェイスのチャボ・ゲレロとしてリングに立ち、JBL と対戦。エディの必殺技であるフロッグ・スプラッシュにて勝利した。
以後、エディの死のショックから立ち直れないというアングル のもと、2006年 4月3日のRAWでシェルトン・ベンジャミンのインターコンチネンタル王座 に挑戦、この試合での敗退を機に引退を表明する。その後レイ・ミステリオ のセコンドとしてスマックダウンにて活動するが、ミステリオがエディ・ゲレロの名前を利用していると言いがかりを付けるストーリーが展開され、ヴィッキー・ゲレロ と共に再度ヒールターン 。ミステリオを世界ヘビー級王座 から転落させて現役復帰し、以降はミステリオとの抗争を開始する。アイ・クイットマッチでミステリオを破り長期欠場に追い込んだ後は、エディの大親友であったクリス・ベノワ とUS王座 をかけ、技巧派同士の抗争が実現した。
WWE時代
2007年 2月にはクルーザー級王座 に返り咲くも、その後7月に行われたグレート・アメリカン・バッシュ にて敗退し王座を返上している。2008年 1月にはエッジの協力(乱入)を得て、CMパンク からECW王座 を奪取。レッスルマニア 直前のノー・ウェイ・アウト ではパンク相手に同王座の防衛を果たした。その後もパンク相手に連戦連勝を続け、幾度とも防衛に成功。レッスルマニアXXIV へ王者のまま進出することが決定する。レッスルマニアXXIVでは24人バトルロイヤル(ECW王座への挑戦権を賭けた)で優勝したケイン とECW王座を賭けて対戦。チョークスラム を受け、試合開始後わずか8秒でフォール負けを喫し王座を奪われた。
2009年 の追加ドラフトによりRAWへと移籍。移籍後は当時GMだった叔母のヴィッキーと組み、マレラ兄妹と抗争するが同年のエクストリーム・ルールズ での豚小屋戦で敗北し、ミス・レッスルマニアの座を失ったヴィッキーと仲間割れ。抗争が開始されるかに思われたが、ヴィッキーがWWEを退団したため抗争には至らなかった。その後はホーンスワグル と抗争を繰り広げていたが、毎回ゲストホストによりハンデが付けられ、片手を縛って試合をするなど全試合敗退し、特に盛り上がりも無いままホーンスワグルに対し敗北宣言を行い、抗争ストーリーは一時終結する。以降はストーリーラインに絡む事が少なくなり、主にWWEスーパースターズ に出演し若手との対戦が続いた。
2010年 の追加ドラフトによりスマックダウンに移籍。以降、RAW所属時代に仇敵であったホーンスワグル を救出したり、ロイヤルランブルに登場した際に大声援で迎えられるなど徐々にベビーターンを果たすが、相変わらずホーンスワグルに試合妨害を受け続け、以降は善悪が非常に曖昧な立場となった。NXTにてダレン・ヤングのプロも務め、10月にはジャック・スワガー の鷲のマスコット、スワガーイーグル (Swagger's Soaring Eagle )として活動している。
2011年 6月25日、起用法に不満を覚えたチャボの希望によりWWE から自主退団が発表された[ 2] 。退団後、ゲレロ一族であり叔父のヘクター・ゲレロが在籍するTNA への参戦が噂されたが、プエルトリコの名門WWC に参戦。同年7月16日にはWWCカリビアンヘビー級王座を奪取している。
2012年 7月26日、TNAのTVショ―であるImpact Wrestling に参戦し、後に正式に入団。ヘルナンデス とタッグを組み、10月14日の放送においてダニエルズ & カザリアン 、AJスタイルズ & カート・アングル の3wayマッチにてTNA世界タッグチーム王座 を獲得。
得意技
フロッグ・スプラッシュ
スリー・アミーゴス
フィニッシュホールド
ゴリーボム
代表的なフィニッシャー。
祖父ゴリー・ゲレロのオリジナル技ゴリー・スペシャルを元に編み出したチャボのオリジナル技。
ゴリースペシャルの体勢から腕のクラッチを外し、フェイスバスター式に叩きつける変形パワーボム。WCW時代から使用している。
フロッグ・スプラッシュ
叔父であるエディ・ゲレロ のフィニッシャー(必殺技)でもあり、彼の死後から使用し始める。大一番などでしか使用しない技であったが、ECW王座 獲得後は完全に自身のフィニッシャーとなる。
垂直落下式ブレーンバスター
WCW時代の主な決め技。ブレーンバスターDDTとも呼ばれる。WWEでは頭から落とす技に規制がかかるため使用していないが、通常のブレーンバスターを垂直落下風に巧く落とす場合がある。
その他
トルネードDDT
スリー・アミーゴス
叔父エディ・ゲレロ の技を継承。ヒールターン以降、3発目で返されることが時折見られる。この技をかける前に観客を煽りブーイングの嵐を巻き起こす。
スーパープレックス
ジャーマンスープレックス
ベリー・トゥー・バック・スープレックス
モディファイド・バックブリーカー
カナディアン式のように担ぎ上げ、マットへと勢い良く一気に膝をつき相手の背中、腰に衝撃を与える技。カウンターで決めることが多い。旋回してから決めるバリエーションがある。超重量級が多いWWEでは、使用する相手は同体格、もしくはやや重量のレスラー相手に限定されている。
ヘッドシザーズ・ホイップ
横回転の際、高速で行う。
エルボー
エルボー・スマッシュ
バック・ハンド・チョップ
チョップ・スマッシュ
突き上げドロップキック
打点が高いのが特徴。
ドロップサルトのように両足で相手を蹴った瞬間に後転し、綺麗にムーンサルトで着地する事がある。
ミサイルキック
獲得タイトル
WWE
TNA
WCW
WCWクルーザー級王座 : 2回
WCWタッグ王座 : 1回
AAA
Lucha Underground
ルチャアンダーグラウンド・ギフト・オブ・ザ・ゴッズ王座 : 2回
RKK
VPW
WWC
PWI
Wrestling Observer Newsletter
2002年度年間最優秀タッグチーム(w / エディ・ゲレロ)
入場曲
Chavito Ardiente
Never Thought My Life Could Be This Good
Euro Euro
Latino World Order
We Lie We Cheat We Steal
Latino Heat
Te Kill Ya
その他
既婚者であり、2人の息子がいる。
クリス・ベノワ は亡くなる直前、チャボやディーン・マレンコ ら親友へと手紙を残していた。
場外からリングへと走ったまま、セカンドロープとトップロープの間を前転してすり抜ける事ができる。
入場時、もしくは試合中に人差し指を天へと向ける仕草が見られるが、これは叔父であり兄弟同然の仲だったエディへの哀悼と称賛を意味する。
脚注
関連項目
外部リンク