H・A・レイ(右から2人目)
ハンス・アウグスト・レイ (Hans Augusto Rey, 1898年 9月16日 - 1977年 8月26日 )は、ドイツ 生まれの絵本作家 。本名ハンス・アウグスト・ライアースバッハ(Hans August Reyersbach)[ 1] 。一般にH.A.レイ と表記されている。妻のマーグレット・レイ とともに『ひとまねこざる (Curious George)』シリーズを描いた。伸びやかで親しみやすい画風で、乳幼児から幅広い年齢層を対象に親しまれている。
来歴
ドイツのハンブルク 生まれ。哲学 や自然科学 を学び、フランス語 をはじめ6か国語を習得した。1936年、ブラジル でバスタブのセールスマンをしていたとき、同じくハンブルクで生まれたユダヤ系のマーグレット・レイ と結婚した。同年8月、二人はフランス に移住。パリ のモンマルトル に住む[ 2] [ 3] 。
1939年に第二次世界大戦 が起こり、1940年 6月、レイ夫妻はドイツ軍 のパリ侵攻直前にパリを脱出する。『ひとまねこざる』を含む5冊の絵本の原画を自転車 の荷台にくくりつけてスペインとの国境を越えた。リスボン 行きの列車の切符を買い、そこからブラジルを経てアメリカ合衆国 に移住した。このときのいきさつは、『戦争をくぐりぬけたおさるのジョージ―作者レイ夫妻の長い旅』(ルイーズ・ボーデン著、岩波書店 )に詳しい。
妻マーグレットと共著で多くの作品を書いており、作品は14か国以上の言葉に訳されている。マーグレットは、ドイツで正規の美術教育を受けたが、のちに絵を描くことから、文章を書くことに転じた。レイは幼いころから大の動物好きで、いつも犬 を飼っており、新しい町に行くと、真っ先に動物園 に行ったという。レイの絵本のほとんどは動物が主人公であり、なかでも、『ひとまねこざる』は人気作となった。
1977年 8月26日 、マサチューセッツ州 ケンブリッジ にて死去。78歳没。
主な作品
「ひとまねこざる 」シリーズ 光吉夏弥 訳、岩波書店
『おかえりなさいスポッティ』(妻マーグレットとの共著)中川健蔵役、文化出版局 (1950年)
『どうながのプレッツェル』(妻マーグレットとの共著)渡辺茂男 訳、福音館書店
『星座を見つけよう』 草下英明 訳、福音館書店(1969年、原著:1954年)
『じぶんでひらく絵本』(『おかあさんとこども』、『さあ、たべようね』、『だれのうちかな』、『サーカスをみよう』の4冊セット) 石竹光江訳、文化出版局(1956年)
脚注
参考文献