FBIでは、『週刊少年サンデー』で連載されている青山剛昌原作の漫画作品、およびそれを原作とするテレビアニメなどのメディアミックス『名探偵コナン』の作品に登場するFBIと所属メンバーについて記述する。
概要
アメリカ合衆国の警察機関の一つである連邦捜査局 (FBI)。黒ずくめの組織を追い、ジェイムズ・ブラックによる現場指揮のもと、極秘潜入捜査のために日本を訪れている。
物語開始の5年前から2年前までの間には、捜査官の1人である赤井秀一を組織へ潜入させ、ボスであるあの方に近いとされていたジンに近付くことでボスの身柄確保を狙っていたが、同じく捜査官の1人であるアンドレ・キャメルのミスによって失敗したことから、一時撤退する。その後、主にアメリカにて活動していたことから過去の犯罪の証拠を数点掴んでいる組織メンバーのベルモットを標的とし、彼女の来日に伴って米花町付近に滞在しながら捜査を行っていた。
潜入・調査のプロであるベルモットへの対策として、捜査に訪れていることは彼女の身柄を確保するまで日本警察に伏せる方針[注 1]を採用しており、日本ではあまり表立っては動けない状態となっている。拳銃についても同様に使えないため、どうしても使わざるを得なくなった場合は捜査協力者である江戸川コナンに口裏を合わせてもらう、事後工作を行う[1]など、何らかのフォローが入ることが多い[注 2]。なお、ジョディ・スターリングとキャメルは、共に捜査官として日本警察に認識されている[注 3]が、任務の詳細を伏せるために表向きは「長期休暇で傷心旅行のために来日している捜査官のカップル」という少々強引な設定で通している。
ジョディとジェイムズは潜入中に面識を持ったコナンの推理力を高く評価しており、彼との情報交換や共同作戦などを積極的に行なっているほか、赤井はコナンのことを「坊や」と呼んで自身の死を偽装する策を講じてもらう[4]など、多大な信頼を寄せている。ただし、コナンの正体を知っているのは赤井のみである(詳細は#コナンたちとの関係を参照)。
赤井を除いて日本人は確認されていないが、日本における極秘潜入捜査のための人選であることからも、ジェイムズら主要メンバーは日本語に堪能である。また、作中での会話は読者や視聴者への配慮からほとんどが日本語で行われており、物語上どうしても必要な場合や印象付けたい場合のみ、日本語訳付きの英語で行われている。
組織へ潜入したCIAの諜報員であるキール(本堂瑛海)と協力関係を結んでからは、彼女から情報を入手している。
メンバー
数十名の捜査官が定期的に黒ずくめの組織の動向調査と殲滅のために本国のアメリカから日本へ派遣されている[注 4]が、本項では捜査官チームの中でコナンや周辺人物と本編で密接に関わっている人物を扱う。
FBI捜査官チームのエース格
- 赤井 秀一(あかい しゅういち) / 沖矢 昴(おきや すばる)
- 声 - 池田秀一(秀一) / 置鮎龍太郎(昴)[注 5] / 梶裕貴(少年時代の赤井)
- 日本人の父である赤井務武と日系イギリス人の母であるメアリー・世良(領域外の妹)[注 6]の長男で、イギリス人のクォーター。羽田秀吉と世良真純[10][11]の実兄[12]。宮野エレーナがメアリーの妹であるため[13]、エレーナの娘である宮野明美・志保(灰原哀)姉妹は母方の従妹に当たる。入局前の国籍はイギリス[12]。年齢は32歳前後[注 7]。
- 容姿
- 目の色は緑(アニメカラー / 原作カラーは青)で目の下には隈がある。髪型は短髪のオールバックで[12]、常に黒い[注 8]ニット帽をかぶっている。なお、少なくとも物語開始の5年前から1年ほど前[15]までの間は長髪であった[注 9]が、現在ではそれまでの長髪を切り落として10年前と同じ短髪になっている[12]。ジェイムズと日本で再会した際には気づかれなかったほどの変わりようであり、赤井は髪を切った理由として「恋人にふられっぱなしであることによるゲン直し」と語っている[16][注 10]。
- 性格
- 一人称は基本的には「俺」だが、敬語で話す時は「私」を使用する場合もある。クールかつポーカーフェイスであるため、あまり感情を表に出すことはない。工藤有希子からは「イケメンで礼儀正しく、クールでダンディーで、FBIに置いとくにはもったいないくらい」と評されている[4]。
- 能力
- 左利き。FBIきってのとてつもない切れ者であり、その推理力と捜査手腕はコナンと似通うところがある。作中随一のスナイパーでもあり[注 11]、ショットガン(レミントン)を左手だけで持ちながら発砲できる[注 12]。格闘能力も高く、末妹の真純に「自分よりも3倍は強かった」と評されるほどの截拳道の使い手でもあり[19]、劇場版第20作『純黒の悪夢』では安室透と観覧車上での格闘に至った際、ライフルを収納したバッグを背負ったまま互角以上に渡り合っている。これらのことから、黒ずくめの組織のボス(あの方)には"Silver Bullet" (シルバー・ブレット、銀の弾丸)と呼ばれ、組織を壊滅できる存在として恐れられている[注 13]。
- 持ち物・嗜好
- 愛車は黒のシボレーC-1500だったが、後述の偽装工作の際、黒ずくめの組織へ潜入中のCIA捜査官の水無怜奈によって来葉峠で爆破された[21]ため、それ以降の時系列に当たる劇場版第20作『純黒の悪夢』では赤のシェルビーGT-500に乗っている[注 14]。好物はコーヒーとバーボン[注 15]。
- ヘビースモーカーでもあり、タバコにはマッチで火をつける[注 16]。
- FBI入りの経緯
- 物語開始の17年前、務武の死の真相を探るため、表向きは留学という理由で単身渡米し[12]、グリーンカードやアメリカ国籍、運転免許などを取得すると、大学卒業後に職務試験を経てFBIに入局した[12]。10年前には日本に一時帰国し、渡米後に生まれた真純や幼少期の工藤新一や毛利蘭と出会い、そこで遭遇した事件を解決したことから、FBIに入る決意をより強固なものにする[12]。
- 組織への潜入捜査
- FBIへの入局後は物語開始の5年前から2年前までの間、黒ずくめの組織への潜入捜査を行っていた。組織のメンバーである宮野明美と接触し、「諸星 大」(もろぼし だい)という偽名を使って交際し始め[注 17]、彼女を利用するかたちでその妹の志保を介し、組織へ潜入した。組織からはライというコードネームを与えられ、バーボン(安室透 / 降谷零)やスコッチと行動を共にすることが多かった。物語開始の4年前には、3人で一緒にいるところを偶然真純に目撃されている[10]。バーボンとはこの頃からライバル関係にあり、明美によれば「お互いに毛嫌いしていた」らしいが、それでもバーボンからは「あれ程の男なら(スコッチに)自決させない道をいくらでも選択出来ただろう」として実力だけは認められていた[24]。また、バーボンからはFBIのスパイであることを見抜かれていた[注 18]が、同じく黒ずくめの組織を追う者としてひそかに見逃されており、バーボンの仲間であるスコッチのことも行動を共にしたことから知っている[24][注 19]。組織内でうまく立ち回り、最終的にジンとの任務にまでこぎ着けたが、ラムの介入によってFBIの仲間の1人であるキャメルがミスを犯した結果、彼の正体はおろか自分の正体も発覚したため、明美と志保を組織に残してキャメルとともに逃亡した。その結果、捜査が失敗しただけでなく、赤井を組織内へ連れ込んだ明美が「10億円強奪事件」を理由として組織に殺害されてしまう。なお、組織を抜ける際には明美と別れている[注 20]。
- コナンたちとの関係
- 明美の妹である志保(灰原)については、組織への潜入捜査の失敗を経て逃亡して以降[注 21]は互いに顔を合わせたことはなく、灰原はコナンから「FBIの赤井」の存在は聞かされるが、かつて姉や自分を通じて組織に潜入した諸星大(ライ)と同一人物であることに気付いていない[注 22]。コナンたちと協力する以前から、灰原が志保に似ていることに薄々感づき[注 23]、コナンと協力していく過程で正確に灰原の正体を志保と察する。
- 組織を抜けた後はFBIに戻り、物語開始の1年前の時点では、ニューヨークでベルモットを追っていた。この当時、偶然ニューヨークを訪れていた蘭と出会っているが、お互いに10年前に出会っていたことには気付いていない。来日後はジェイムズと合流し、しばらくは米花町周辺に潜伏しながら調査していた。「季節外れのハロウィンパーティー」では、ベルモットを確保しようとして逆に追い詰められたジョディを救出する形でベイエリアに現れ、カルバドスの動きを封じて彼の武器をすべて取り上げた後、ベルモットをショットガンで銃撃して負傷させるが、眠らされていたコナンを人質に取られて逃亡された直後、カルバドスに自決されてしまったため、手がかりは掴めずじまいとなった[18]。
- 「赤と黒のクラッシュ」では、初めてコナンと共同戦線を張り、CIA諜報員であった水無怜奈(本堂瑛海)を組織へ再潜入させることに成功するが、「あの方」の命令を受けた怜奈によって来葉峠にて肺と頭を撃ち抜かれ、証拠隠滅のために愛車ごと爆破される。その跡地からは身元が確認不可能なほどの損傷を受けた遺体が発見され、残った右手の指紋などの状況証拠から、FBIにも組織にも赤井本人と断定された。しかし、この死はコナンの発案による偽装工作であり、赤井自身は「沖矢昴」という架空の人物になりすまして潜伏し、単独行動をとっている[4]。
- 変声機を使って新一の声で蘭たちと会話をしているコナンの姿を目撃したことから、彼の正体が工藤新一であることを知る[27]が、コナンが「組織を壊滅させて全て解決したら正体も明かす」と告げているので、彼の前で明言はしていない[注 24][23]。
- 沖矢 昴
- 「東都大学大学院工学部博士課程の[注 25]大学院生で27歳」を表向きの素性としている[注 26]。
- 顔は有希子の特殊メイク[注 27]によって細目であり、眼鏡をかけている。声は阿笠が開発したチョーカー型変声機で変えており、その存在を隠すためにトップスはハイネックやスカーフなど常に襟の詰まったものを着用している[注 28]。この時にホームズ好きであり、黒が好きと同時に嫌いな色という[注 29]ことも判明した。
- 登場当初の一人称は「僕」であったが、後に「私」に変えている[30]。丁寧な口調で話す。正体を明かして以降、秀一としての口調で話す時は細目を見開くことがある。
- 当初は米花町のアパート「木馬荘」に住んでいたが、別の住人による放火で全焼して住居を失ってしまったため[29]、コナンの提案に応じて「留守をしっかり守る」を条件に工藤邸に居候することとなり、蘭たちや少年探偵団とも親しくなる。
- 有希子からは料理も教わっており[4]、作りすぎたカレーやシチューなどを阿笠博士におすそ分けすることもある[31][注 30]。
- 正体を知るのは、当初は潜伏を手引きしたコナン=新一のほか、事情を聞かされて潜伏を援助している工藤夫妻と阿笠、そして秀一本人から事前に聞いていたジェイムズと、来葉峠で偽装工作に加担して引き続き組織に潜入しているCIAの怜奈(瑛海)[注 31]の6人だけだったが、後にジョディやキャメルなど来日中のFBI捜査官チームも全員が経緯と正体を知ることになる。弟の秀吉とは兄弟専用のスマホを介して[1][32][13]偽装死により世間的には隠れて生活しながら活動しているなどの情報はほぼ共有しており[32][13]、由美の警護を頼まれたこともある[13][33]。バーボンこと安室透(降谷零)は組織を利用した独自の調査で秀一が生存して昴の姿に変装していることに感づいたものの、先手を打った秀一とコナンによる優作を替え玉とした作戦で有耶無耶()にされた[4]。蘭は秀一と面識があるため、昴としての初対面時に「どこかで会ったことあるような」と感じているが[34]、秀一のことを想定するまでに至っていない。
- 劇場版第18作『異次元の狙撃手』では、物語の裏でジェイムズと連絡を取り、終盤に犯人を狙撃してコナンの窮地を助けている[3]。使用したライフルはシャイタックM200(英語版)。なお、同作のラストシーンでは昴が変声機のスイッチを切って秀一の声で「了解」と発言することにより、原作・アニメに先駆けて秀一と昴が同一人物であることが明かされてもいる[7][8][32][28][注 32]。
- その他
- 名前の由来は、アニメ『機動戦士ガンダム』の登場人物であるシャア・アズナブルの異名「赤い彗星」と、その担当声優である池田秀一[35][36][注 33]。ジョディが「シュウ」と呼ぶのは、シャアへのオマージュである。また、偽名の諸星大と沖矢昴の由来は、「赤い彗星(=諸星)のシャア」とシャアの本名「キャスバル・レム・ダイクン」[注 34]。理由は、原作者の青山剛昌が『ガンダム』の大ファンであることから。
- 第1回キャラクター人気投票での順位は14位(20票)、2012年連載800回記念キャラクター人気投票では7位、『名探偵コナンSDB50+』の人気投票では6位、2020年5月7日発売の雑誌『ダ・ヴィンチ』2020年6月号で実施された「読者にしあわせを与えてくれたキャラ」ランキングで赤井としては2位を獲得し[38]、同じく沖矢としては18位を獲得した[38]。
その他の人物
- ジェイムズ・ブラック (James Black)
- 声 - 家弓家正(第258話 - 第783話[注 35]、劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』 - 第18作)→土師孝也(第1077話 - 、劇場版第20作 - )
- 来日しているFBI捜査官チームのボスで、ジョディらの上司[注 36]。シカゴ在住だがロンドン生まれのため、クイーンズ・イングリッシュで喋る。主にジョディたちの捜査指揮を担当しており、拳銃を使用する場面はない。「人を見る目を養っている」と語っており、世良真純が女性だということをひと目で見抜いている[40][注 37]。また、初登場回でも自分に話しかけて来た男性2人が偽の警察官であることを見抜いて瞬時にメッセージを残し、コナンの救出計画の全容を理解する[16]など推理力もかなり高いことが描かれているが、コナンや赤井には後手に回ることが多い。
- 赤井の要請に応じて来日した際には、アニマルショーのスポンサーを務めるランディー・ホークに顔が似ていたため、彼と間違われてマスコミの質問攻めに遭ってしまう[注 38]が、居合わせたコナンの機転によって難を逃れた[注 39]ことから、彼に一目置くようになった。いつも冷静沈着であるため、前述の質問攻めの後に誘拐された際にも心中では動じず、手がかりを元に追ってくるコナンの実力を試すような素振りを見せた[16][注 40]。
- 赤井の死亡偽装の話は本人から事前に打ち明けられ[注 41]、潜伏を開始した後はひそかに連絡を取り合っており、それ以降の時系列に当たる劇場版第18作『異次元の狙撃手』ではサポートを頼んでいる。
- ジェイムズの初登場時、コナンと灰原はその存在に不信感を抱いていた[注 42]。なお、アニメでの初登場時は金髪だったが、後に原作同様に白髪となった[注 43]。愛車はメルセデス・ベンツCLKカブリオレだったが劇場版第20作『純黒の悪夢』では初代メルセデス・ベンツ・CLSクラスを運転していた[注 44]。
- 『ルパン三世』とのクロスオーバー作品『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』では、峰不二子のファンであることも平然と明かしており、彼女と遭遇した時は携帯電話で写真を撮っていた。
- 名前の由来はホームズの宿敵「ジェイムズ・モリアーティ」から。
- ジョディ・スターリング (Jodie Starling) / ジョディ・サンテミリオン (Jodie Saintemillion)
- 声 - 一城みゆ希(第226話 - 第1079話、劇場版『ルパン三世VS名探偵コナン THE MOVIE』- 第26作)/ 冬馬由美(少女時代)
- FBI捜査官。28歳。拳銃の腕前はかなりのもの。日本のアーケードゲームが大好きで、非番時にはゲームセンターに頻繁に通うゲーマーでもある[41]。メガネをかけていることで目立たない面もあるが、かなりのプロポーションの持ち主で美女であることは周囲も認めており、非番時は露出過多な服装をすることもある。愛車はプジョー・607。
- 20年前に母もろともベルモットに殺害されたFBI捜査官を父に持つ。その後、証人保護プログラムのもとで成長し、父の遺志を継いでFBIへ入局した。普段かけている眼鏡は、父の形見である。
- 親友の小学校教師・澁谷夏子に日本語を教わり、彼女の協力を得て来日した[42]後、本名のジョディ・スターリングではなく「ジョディ・サンテミリオン」という偽名を使い、一風変わった人柄を持つ英語教師として帝丹高校へ(FBIからの裏工作も得て)表向きは正式に赴任し、短期間ではあるが一時的に潜入捜査を行っていた。日本語は流暢に話せるが、当初は正体を隠すため、イントネーションがまちまちの訛った日本語を話していた[注 45]。正体を明かしてからは地が出て流暢な日本語を喋ることが多く、高木や蘭からそのことを指摘されている[注 46]。ベルモットの身柄確保が迫った際には、帝丹高校から離任したものの確保に失敗して逃亡されてしまったため、それ以降はコナン(新一)・灰原哀・阿笠博士・服部平次・工藤優作・工藤有希子を除く(黒ずくめの組織の存在を知らない)周囲には、「捜査でミスをして長期休暇を取らされたため、日本に傷心旅行に来ているFBI捜査官」という設定で通している。ただし、それすらも帝丹高校内で知っているのは毛利蘭・鈴木園子・新出智明の3人だけであり[注 47]、他の教職員や生徒たちは、ジョディのことを当初の予定通りに「教職を離任して故国へ帰った」と認識しており、彼女の本職が実はFBI捜査官であることや、現在も日本にいることすら知らされていない。コナンたちには本職を明かした後も、「ジョディ先生」と呼ばれている。
- 新出に変装していたベルモットを追い詰める際、ベルモットがコナンのことを「Cool Guy」と呼んだことに疑問を抱いている[注 48]。
- 証人保護プログラムを受けることを拒否した灰原には、自分の過去の姿を投影している部分もある。赤井のことは「秀(シュウ)」と呼び、彼が組織に潜入する以前に交際していたが、それ以後も変わらず好意は寄せている。普段は基本的に冷静だが、組織の策略に翻弄されて感情的になることも多い。特に、バーボンが変装した赤井を見かけた際には激しく取り乱し、無謀な行動まで取ってしまっている[43]。
- 赤井が沖矢として暮らしている家が工藤新一の自宅であることを認識しており、そのことを初めて知った際は工藤有希子がコナンのことを2回ほど「新…」と呼びかけながら慌てて「コナン君」と呼び直したため、疑問を感じていた[4][注 49]。
- 名前の由来は、ジョディ・フォスターと代表作『羊たちの沈黙』のクラリス・スターリング。
- アンドレ・キャメル (Andre Camel)
- 声 - 梁田清之(第497話 - 第861話、劇場版第18作 - 第24作、ゼロの日常)→乃村健次(第1072話 - 、劇場版第26作 - )
- 赤井が作戦の増員として呼び出したFBI捜査官。27歳のドイツ系アメリカ人。独身。人相はあまり良くないが、温厚で心優しい性格。趣味が筋トレであるために筋骨隆々とした肉体をしており、体格と人相があいまって初対面の印象はかなり悪い[注 50]。
- FBI内でも卓越した運転技術と優れた運動神経を持ち、赤井から一目置かれている[注 51]。しかし、かつて赤井らと共に黒ずくめの組織への潜入捜査を行っていた当時には、現場にいた老人をラムと知らずに思いやった不用意な発言で赤井の正体を露見させてしまったり、FBIへ戻ってからの来日中にもベルモットとバーボンに誘導されるまま楠田陸道の情報を漏らしてしまったりするなど、失敗も多い。組織への潜入捜査中、自身のミスが引き金となって宮野明美を死なせてしまったことには、負い目を感じている。
- 来日以降は2年前に訪れたレストランをよく回っているが、その過程でたびたび事件に巻き込まれることから、日本警察や蘭たちとも面識を持つようになる。なお、FBI捜査官としての身分は明かしているが、真の来日目的については明かせないため、コナン(新一)・優作[5]・有希子[4]以外の周囲には「傷心旅行中のジョディを連れ戻しに来た同僚の恋人」という設定で通している[注 52]。
- 赤井から沖矢の件を明かされた後には、彼の不在中における阿笠邸の灰原の護衛[23]や、銃を使用した際の銃弾の処理や備品の修繕工作を依頼されている[1]。黒ずくめの組織に暗号を見破られてメンバーが命を狙われた際には死亡を偽装して切り抜けたが、それまで長く伸ばしていた髪については印象を変える意味からも切って角刈りになる[5]。
- 名前の由来は、『機動戦士ガンダム』の登場人物であるキャメル艦隊指揮官・ドレン大尉[35]。
脚注
注釈
- ^ 現実世界では、司法機関であるFBIがオシント以外の国外で捜査などの活動を行なうことは、緊急時の案件でもその国の公的機関に特別な許可を得なければ違法に当たる。
- ^ 「Jリーグの用心棒」では、闇トトカルチョに巻き込まれて未遂を起こしたJリーグの関係者をコナンが表沙汰にせず救うべく、裏でジェイムズやジョディ、アンドレに闇トトカルチョの組織を壊滅してもらう(電話を介しての依頼であり、ジェイムズたち本人は登場しない)という、逆フォローを入れている[2]。
- ^ 劇場版第18作『異次元の狙撃手』では、ジェイムズもジョディやキャメルと共に休暇中で来日している捜査官として日本警察に認識されている[3]が、原作・アニメではその描写は見られない。
- ^ 行動を察知した黒ずくめの組織の幹部から攻撃された結果、殉職した捜査官や重傷を負わされてアメリカへ戻ることを余儀なくされた捜査官も数名いる[5]。
- ^ テレビアニメで昴が初登場する当時、置鮎は「ゲストキャラクターの1人」と考えていたが、コナン役の高山みなみは昴の正体が秀一と予想して置鮎にもそれを伝えており、置鮎は真相や秀一役の池田を意識すべきかディレクターに尋ねたものの、どちらも「気にしなくていい」と指示されたという[6][7][8]。
- ^ 羽田秀吉の婚姻届に書かれている父の下の名前は2文字であり、2文字目が「武」であることは確認できるが、1文字目は肉眼では判断できない。ただし、この描写は単行本のみのものであり、アニメでは父の欄に「赤井務武」、母の欄に「メアリー世良」と書かれている[9]。
- ^ 17年前の回想の時点で15歳とされているが[14]、物語の現時点での年齢は明記されておらず、回想時や現時点で誕生日を迎えているか否かによって1歳の誤差が生じるため。
- ^ カラーイラストやアニメでは青・紺色になっていることもあるが、「工藤新一NYの事件」などで設定上は黒色であることが確認できる。
- ^ 物語開始当時を新解釈を交えて描いた『エピソード“ONE”』では、まだ長髪のままとなっている。
- ^ この「恋人」とは宮野明美のことではなく、組織のことを指している。また、ジェイムズに「『恋人』とよりを戻せそうなのか」と問われ、「私をふったことを血の涙で後悔させてやる」とも発言している。
- ^ アニメによると、キャンティとコルンの狙撃可能距離は600ヤード(約548メートル)であり、両者とも650ヤード(約594メートル)では外している。赤井は700ヤード(約640メートル)以上離れた場所から、豆粒ほどの大きさをした盗聴器を正確にライフルで、しかも立射で狙撃できる[17]。また、劇場版では「シルバースター」を受賞した経験のある元ネイビー・シールズの狙撃兵が自分よりも実力が上だと断言し、一番強いと認めるほどである[3]。
- ^ ただし、アニメでの該当部分は両手で構えて発砲する描写に変更されている[18]。
- ^ かつて、車で逃走を図った楠田陸道が自身を追跡している捜査官が赤井であることに気づいた際には、即座に拳銃自殺したほどである[20]。
- ^ 沖矢昴としてはスバル360デラックスに乗っている。
- ^ キャメルによればウイスキー党で、「バーボンと同じくらいスコッチも好き」だったが、本人は「最近はバーボン一筋」と発言している。
- ^ 正体がFBI捜査官の1人と断定される(単行本42巻)以前は、毛利探偵事務所前や自分の車内、道端など、頻繁にタバコを吸っている様子が描写された。また、沖矢昴として登場する際には、正体を明かす以前は灰皿に大量の吸い殻が溜まっており、ヘビースモーカーであることが推測できる場面がある程度の描写だった[22]が、正体を明かしてからはマッチで火をつけ、タバコを吸っている描写がある[23]。
- ^ それまではジョディと交際していたが、「ジョディを犠牲にしてでも組織を潰さなければならない」、「2人の女を同時に愛せるほど器用な性分ではない」という理由から、自ら別れを切り出した。
- ^ スコッチは赤井が自ら正体を明かすまで、赤井がFBIからのスパイであることに気付いていなかった。
- ^ 自身のせいでスコッチを死に追いやったことには今も負い目を感じているため、バーボンと電話口で直接話をした際には「彼のことは、今でも悪かったと思っている」と謝罪している。この「彼」とはスコッチを指していることがうかがえるが、ジョディが赤井にそのことを尋ねた際には邪魔が入ってしまったため、不明となっている[4]。バーボンからは「スコッチに拳銃を渡して自殺に追い込んだ」と憎まれていたが、実際にはスコッチが自分から自殺を選んでおり、それでも彼の最期の行動をバーボンに隠すためにとっさに自分が射殺したように演技していた[24]。ただし、この真相は安室に隠している。
- ^ 赤井が明美を想っていたかについてはジェイムズやジョディといった第三者からしか語られておらず、本人の口からはまだ明らかになっていない。
- ^ 明美・志保姉妹は、赤井の正体が組織に露見した直後に住所を移されたため、連絡が取れなかった。
- ^ ただし、灰原はコナンから聞かされている赤井の人物像が、諸星に似ていると感じてはいる。
- ^ 初めて灰原としてのの姿を見た時は「まさかな…」[25]と、感じつつも想定を取り消しすが、「(志保と)よく似ている」[26]と呟いていた。その後のベイエリアでの作戦中にはジョディに「俺はまだ、その茶髪の少女(灰原)と顔を合わせるわけにはいかない」と語る[18]。ジョディたちFBIは灰原とベルモットの会話から、灰原を「組織でシェリーと呼ばれていた少女」として認識しているが、その正体と幼児化させた薬の存在については知らない。
- ^ ただし、コナン自身も正体を知られていることに薄々気付いてはいる。コナン=新一の両親である工藤夫妻も同様に赤井がコナンの正体を息子の新一と気付いていることを薄々察してもいるが、新一と赤井それぞれの考えも汲んでコナンのことは「親戚の少年」とFBI捜査官チームの前で通している[5]。
- ^ 大学に通っていることを証明するシーンもなく、家にいる場合が大半。
- ^ 昴を演じる置鮎やコナンを演じる高山には、コナン=新一の母方の祖父(有希子の父)がモデルではないかと予想されている[7][28]。
- ^ 当初は有希子が工藤邸で一緒に住みながら施していたが、後に技術を伝授してもらい、自力でメイクを行うようになった。
- ^ 蘭、園子、世良から一度だけ首元を見られたことがあるが、その時は変声機を着けていなかったため、ジェスチャーで対応していた[27]
- ^ 理由はともに、他人に知られたくない自分の内面を覆い隠してくれるからとしている[29]。
- ^ ジョディとキャメルは秀一が料理をする姿を見たことがなかったため、昴の正体を知った際にはその姿にも驚いている[4]。
- ^ その後も連絡を取りあっている[4]。
- ^ エンドロールのクレジットでは、沖矢は置鮎龍太郎の単独表記だが、公式パンフレットに記載されているコメントで青山剛昌や置鮎・池田秀一がそのことについて触れているほか、小説版では「赤井の声」と記載され、コミカライズ版では赤井の姿が沖矢の背景に描かれている。
- ^ 劇場版第20作『純黒の悪夢』の公開を記念した安室透役を務める古谷徹とのインタビュー形式の対談で、池田はキャラ名の第一印象について「どっかで聞いたことある名前だな」と語っている[37]。
- ^ 明美からは「大君」と呼ばれていた。
- ^ 生前の出演は第651話まで。第783話はライブラリ出演[39]。
- ^ FBI特別捜査官は原則として建前上は、すべての捜査官は平等とされており、一般的な法執行機関や軍隊のような階級制度は存在せず、本作におけるジェイムズのFBI組織内での正式な役職名も言及されていないため、赤井・ジョディ・キャメルより上層部寄りの位置にいること以外の正確な地位などは、本編内ではほとんど不明である。
- ^ ただし、ジョディやキャメルとは違いすでに真純との面識があるか、もしくは彼女が赤井の妹であることを以前から知っていた可能性もある。
- ^ アニメでのジェイムズは当時金髪だった(詳細は後述)ため、ランディーと間違われる要素が強まっている。
- ^ "can"の発音が決め手となっており、ランディは南部訛りで「キャン[kǽn]」と発音していたが、ジェイムズはクイーンズ・イングリッシュで「カン[kən]」と発音していたことから、双方の英語に堪能なコナンは判別できた。
- ^ この事件の際には、解決後の事情聴取で身分が露呈することを防ぐため、犯人たちの車を追跡してきていた赤井の車に同乗して逃れたほか、ベルモットの部屋へ捜査員が潜入していたことから、コナンを彼女が「Cool Guy」としてマークしていた人物であると認識していた[16]。
- ^ 赤井はジェイムズにも打ち明けるつもりはなかったが、ふとしたことからトリックに気付かれてしまい、やむを得ず事情を説明した[4]。
- ^ 「ジェイムズ」は、犯罪界のナポレオンと言われる「ジェイムズ・モリアーティ」を、「ブラック」は、黒ずくめの組織の「黒(ブラック)」を連想させたため。コナンは、ジェイムズが別れ際に言った「育ちはシカゴ…カポネがいた街さ…」という台詞も気になっていた。
- ^ ジンと同様の関係で色彩設計者が中尾総子になってからの登場は第425話『ブラックインパクト! 組織の手が届く瞬間』より
- ^ 「ブラックインパクト!組織の手が届く瞬間」ではメルセデス・ベンツのCIマークがそのまま登場していたが[17]、それ以降は架空のCIマークに変わっている。
- ^ ただし、文法は完璧だったことから、平次には演技だと見破られた。
- ^ 高木には「彼氏(という設定)のキャメルから教わった」と説明したが、蘭に対しては「日本が好きだから」と開き直って適当にごまかしたため、コナンには心の中で「説明はしょりやがった」と突っ込まれた。
- ^ 劇場版第18作『異次元の狙撃手』では世良真純もそのことを知っていた[3]。なお、新出は蘭や園子とも異なり、証人保護プログラムを受けてFBIに守られていたため、ジョディが自分に変装していたベルモットを捜査していることは知っている。ただし、ベルモットを本当の悪人とは感じておらず、黒ずくめの組織の存在も聞かされていない。
- ^ コナンが小学生である(に見えている)ことから、「Guy」ではなく「Kid」が適しているからと思われている。ジョディ自身は初登場の事件後にコナン、蘭、園子と別れる時、「Bye Bye...Cool Guy」と言っているが、このときの「Cool Guy」は、新出病院のベルモットの部屋に貼ってあるコナンの写真に書いてあった「Cool Guy」の文字を引用したために出た言葉である。ジョディはベルモットの変装を知っており、「姿を変えて学校に通っている」と言ったのもベルモットのことである。
- ^ この時、有希子がコナンに対して発した呼称はジョディには「新コナン君」とつながって聞こえている[4]。
- ^ 赤井に呼び出されたことを知らなかったジョディには正体を怪しまれ、少年探偵団には殺し屋ではないかと疑われた。また、筋トレ中のビルで殺人事件が発生した際にも千葉刑事に怪しまれ、現場にいた目暮警部と高木刑事に容疑者と疑われたこともある。
- ^ 爆弾の爆発と同時に車内から飛び出したり、防弾チョッキを着た状態で走行中の車から飛び降り、犯人に銃撃されそうになったコナンと世良の前に立ちふさがったりしている[3]。
- ^ 平次や和葉とも後でお互い面識を持つこととなるが、事件の最中だったため、コナンも平次にキャメルの詳しい来日目的を直接話した描写は無い[40]。また、世良真純は赤井秀一の妹でもあるため、キャメルの来日目的は聞かされていないが、FBI捜査官であることに関心を抱き、キャメルも真純が赤井の妹であることには気付いていないが、「どこかで会ったような?」と感じている[40]。
出典
関連項目
外部リンク