PROFILBARU.COM

青森連隊区（あおもりれんたいく）は、大日本帝国陸軍の連隊区の一つ。当初は青森県の一部、後に同県全域の徴兵・召集等兵事事務を取り扱った。岩手県の一部を管轄した時期もあった。実務は青森連隊区司令部が執行した。1945年（昭和20年）、同域に青森地区司令部が設けられ、地域防衛体制を担任した。

沿革

日本陸軍の内地19個師団体制に対応するため陸軍管区表が改正（明治40年9月17日軍令陸第3号）となり^[1]、1907年（明治40年）10月1日、青森連隊区が新設され、第8師管第4旅管に属した。次のとおり弘前連隊区から編入した青森県・岩手県の一部が管轄区域に定められた。

青森県

青森市・下北郡・上北郡・三戸郡・東津軽郡

岩手県

九戸郡・下閉伊郡・二戸郡

1925年（大正14年）4月6日、日本陸軍の第三次軍備整理に伴い陸軍管区表が改正（大正14年軍令陸第2号）され^[2]、同年5月1日、旅管は廃され引続き第8師管に属した。弘前連隊区が廃止され、旧弘前連隊区から青森県弘前市・北津軽郡・南津軽郡・中津軽郡・西津軽郡を編入し、岩手県区域を盛岡連隊区へ移管して、管轄区域は青森県全域となった。

この区域が終戦まで続くが、1940年（昭和15年）8月1日、青森連隊区は北部軍管区弘前師管に属することとなった。ただし、北部軍管区を管轄とする北部軍司令部が設置される同年12月2日まで、弘前師管は東部軍管区に属した^[3]。1944年（昭和19年）3月25日、弘前師管は東部軍管区に所属を変更した^[4]。1945年2月11日、弘前師管は新設の東北軍管区に所属が変更された^[5]。同年には作戦と軍政の分離が進められ、軍管区・師管区に司令部が設けられたのに伴い、同年3月24日、連隊区の同域に地区司令部が設けられた^[6]。地区司令部の司令官以下要員は連隊区司令部人員の兼任である。同年4月1日、弘前師管は弘前師管区と改称された^[7]。

司令官

青森連隊区司令官
代	氏名	階級	在任期間	出身校・期	前職	後職	備考
青森連隊区
1	杉本四郎	歩兵少佐	1907.10.3^[8] - 1907.3.6^[9]	陸士旧8期	弘前連隊区司令部附^[8]	待命^[9]
2	安満欽一	歩兵中佐	1912.3.8^[9] - 1915.2.15^[10]	陸士6期	歩兵第5連隊附^[9]	歩兵第33連隊長^[10]
3	高津幾太郎	歩兵中佐	1915.2.15^[10] - 1916.11.15^[11]	陸士旧11期	歩兵第64連隊附^[10]	歩兵第58連隊長^[11]
4	関東	歩兵大佐	1916.11.15^[11] - 1918.7.24^[12]	陸士6期	歩兵第5連隊附^[13]	歩兵第29連隊長^[12]
5	松野亀雄	歩兵中佐	1918.7.24^[12] - 1921.6.28^[14]	陸士8期	歩兵第26連隊附^[12]	台湾歩兵第2連隊^[14]
6	宇治虎雄	歩兵中佐	1921.6.28^[14] - 1923.8.6^[15]	陸士8期	歩兵第42連隊附^[14]	待命^[15]
7	武田秀一	歩兵大佐	1923.8.6^[15] - 1924.8.20^[16]	陸士12期	陸軍歩兵学校教育部教官^[17]	陸軍歩兵学校教導連隊長兼　教官兼　研究部部員^[16]\|\|
8	大塚謙一郎	歩兵大佐	1924.8.20^[16] - 1926.3.2^[18]	陸士11期	近衛歩兵第2連隊附^[16]	待命^[18]
9	村岡利三郎	歩兵大佐	1926.3.2^[18] - 1928.3.8^[19]	陸士13期	歩兵第47連隊附^[20]	待命^[19]
10	大島一生	歩兵大佐	1928.3.8^[19] - 1929.8.1^[21]	陸士14期	福島連隊区司令部部員^[22]	待命^[21]
11	渡邊良助	歩兵大佐	1929.8.1^[21] - 1931.8.1^[23]	陸士15期	水戸連隊区司令部部員^[24]	待命^[23]
12	大沼直輔	歩兵大佐	1931.8.1^[23] - 1932.12.7^[25]	陸士15期	第2師団司令部副官^[26]	第8師団司令部附^[25]
13	北原一視	歩兵大佐	1932.12.7^[25] - 1934.3.5^[27]	陸士17期	近衛師団司令部附兼　上智大学服務^[25]	歩兵第7連隊長^[27]
14	村上嘉市	歩兵大佐	1934.3.5^[27] - 1936.3.7^[28]	陸士19期	神戸連隊区司令部部員^[29]	待命^[28]
15	鈴木重義	歩兵大佐	1936.3.7^[28] - 1939.3.9	陸士19期	第9師団司令部附^[30]
16	平山清治	歩兵大佐	1939.3.9^[31] - 1940.8.1	陸士23期
17	伊藤平八	歩兵大佐	1940.8.1^[32] - 1943.7.^[33]	陸士24期
18	鈴木重義	陸軍少将	1945.3.31^[34] -	陸士19期			兼青森地区司令官
19	相田俊二	陸軍中将	- 1945.9.7^[35]	陸士23期		陸軍歩兵学校附^[35]
20	奥村半二	陸軍中将	1945.9.7^[35] - 廃止	陸士25期	陸軍歩兵学校附^[35]

脚注

^ 『陸軍軍戦備』57-58頁。
^ 『陸軍軍戦備』101頁。
^ 陸軍管区表（昭和15年7月24日軍令陸第20号）
^ 陸軍管区表（昭和19年3月25日軍令陸第3号）
^ 陸軍管区表（昭和20年1月22日軍令陸第1号）
^ 『陸軍軍戦備』480頁。
^ 陸軍管区表（昭和20年2月9日軍令陸第2号）
^ ^a ^b 『官報 1907年10月05日』大蔵省印刷局、1907年10月5日。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1912年03月09日』大蔵省印刷局、1912年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2951971/1/3。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1915年02月16日』大蔵省印刷局、1915年2月16日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2952867/1/3。
^ ^a ^b ^c 『官報 1916年11月16日』大蔵省印刷局、1916年11月16日。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1918年07月25日』大蔵省印刷局、1918年7月25日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2953907/1/6。
^ 『職員録大正5年甲』内閣印刷局、1916年。https://dl.ndl.go.jp/pid/927662。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1921年06月29日』大蔵省印刷局、1921年6月29日。
^ ^a ^b ^c 『官報 1923年08月07日』大蔵省印刷局、1923年8月7日。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1924年08月21日』大蔵省印刷局、1924年8月21日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955747/1/8。
^ 『職員録大正11年』印刷局、1922年。
^ ^a ^b ^c 『官報 1926年03月03日』大蔵省印刷局、1926年3月3日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2956205/1/9。
^ ^a ^b ^c 『官報 1928年03月09日』大蔵省印刷局、1928年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2956818/1/6。
^ 『職員録大正15年1月1日現在』内閣印刷局、1926年1月1日。https://dl.ndl.go.jp/pid/986609/1/71。
^ ^a ^b ^c 『官報 1929年08月02日』大蔵省印刷局、1929年8月2日。
^ 『職員録昭和２年７月１日現在』内閣印刷局、1927年。
^ ^a ^b ^c 『官報 1931年08月03日』大蔵省印刷局、1931年8月3日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2957846/1/9。
^ 『職員録昭和４年１月１日現在』内閣印刷局、1929年。
^ ^a ^b ^c ^d 『官報 1932年12月08日』大蔵省印刷局、1932年12月8日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2958254/1/8。
^ 『毎日年鑑 1930』毎日新聞社、1929年。
^ ^a ^b ^c 『官報 1934年03月06日』大蔵省印刷局、1934年3月6日。
^ ^a ^b ^c 『官報 1936年03月09日』大蔵省印刷局、1936年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2959233/1/7。
^ 『職員録昭和９年１月１日現在』内閣印刷局、1934年。
^ 『職員録昭和１１年１月１日現在』内閣印刷局、1936年。
^ 『同盟旬報第3巻第07号（通号062号）』同盟通信社、1939年3月。
^ 『同盟旬報第4巻第22号（通号113号）』同盟通信社、1940年8月。
^ 『職員録昭和１８年７月１日現在』内閣印刷局、1943年。
^ 「第７４号　昭和２０年３月３１日　陸軍異動通報」アジア歴史資料センター Ref.C12120937900
^ ^a ^b ^c ^d 『第２号　昭和２０年９月３０日　陸軍異動通報』陸軍省、1945年9月30日。

参考文献

防衛研修所戦史室『陸軍軍戦備』朝雲新聞社〈戦史叢書〉、1979年。
『官報』

[1] 『陸軍軍戦備』57-58頁。

[2] 『陸軍軍戦備』101頁。

[3] 陸軍管区表（昭和15年7月24日軍令陸第20号）

[4] 陸軍管区表（昭和19年3月25日軍令陸第3号）

[5] 陸軍管区表（昭和20年1月22日軍令陸第1号）

[6] 『陸軍軍戦備』480頁。

[7] 陸軍管区表（昭和20年2月9日軍令陸第2号）

[:0-8] 『官報 1907年10月05日』大蔵省印刷局、1907年10月5日。

[:1-9] 『官報 1912年03月09日』大蔵省印刷局、1912年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2951971/1/3。

[:2-10] 『官報 1915年02月16日』大蔵省印刷局、1915年2月16日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2952867/1/3。

[:3-11] 『官報 1916年11月16日』大蔵省印刷局、1916年11月16日。

[:4-12] 『官報 1918年07月25日』大蔵省印刷局、1918年7月25日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2953907/1/6。

[13] 『職員録大正5年甲』内閣印刷局、1916年。https://dl.ndl.go.jp/pid/927662。

[:5-14] 『官報 1921年06月29日』大蔵省印刷局、1921年6月29日。

[:6-15] 『官報 1923年08月07日』大蔵省印刷局、1923年8月7日。

[:7-16] 『官報 1924年08月21日』大蔵省印刷局、1924年8月21日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2955747/1/8。

[17] 『職員録大正11年』印刷局、1922年。

[:8-18] 『官報 1926年03月03日』大蔵省印刷局、1926年3月3日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2956205/1/9。

[:9-19] 『官報 1928年03月09日』大蔵省印刷局、1928年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2956818/1/6。

[20] 『職員録大正15年1月1日現在』内閣印刷局、1926年1月1日。https://dl.ndl.go.jp/pid/986609/1/71。

[:10-21] 『官報 1929年08月02日』大蔵省印刷局、1929年8月2日。

[22] 『職員録昭和２年７月１日現在』内閣印刷局、1927年。

[:11-23] 『官報 1931年08月03日』大蔵省印刷局、1931年8月3日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2957846/1/9。

[24] 『職員録昭和４年１月１日現在』内閣印刷局、1929年。

[:12-25] 『官報 1932年12月08日』大蔵省印刷局、1932年12月8日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2958254/1/8。

[26] 『毎日年鑑 1930』毎日新聞社、1929年。

[:13-27] 『官報 1934年03月06日』大蔵省印刷局、1934年3月6日。

[:14-28] 『官報 1936年03月09日』大蔵省印刷局、1936年3月9日。https://dl.ndl.go.jp/pid/2959233/1/7。

[29] 『職員録昭和９年１月１日現在』内閣印刷局、1934年。

[30] 『職員録昭和１１年１月１日現在』内閣印刷局、1936年。

[31] 『同盟旬報第3巻第07号（通号062号）』同盟通信社、1939年3月。

[32] 『同盟旬報第4巻第22号（通号113号）』同盟通信社、1940年8月。

[33] 『職員録昭和１８年７月１日現在』内閣印刷局、1943年。

[34] 「第７４号　昭和２０年３月３１日　陸軍異動通報」アジア歴史資料センター Ref.C12120937900

[:15-35] 『第２号　昭和２０年９月３０日　陸軍異動通報』陸軍省、1945年9月30日。

[1]

[2]

[3]

[4]

[5]

[6]

[7]

[8]

[9]

[10]

[11]

[12]

[13]

[14]

[15]

[16]

[17]

[18]

[19]

[20]

[21]

[22]

[23]

[24]

[25]

[26]

[27]

[28]

[29]

[30]

[31]

[32]

[33]

[34]

[35]

PROFILBARU.COM

青森連隊区

沿革

司令官

脚注

参考文献

Read other articles:

Komagata Maru incident

James Acaster

Lambertus Johannes Rietberg

税関職員

Lance Armstrong

Mahlon Hamilton

Red Point (album mini)

Jerome, Idaho

底比斯圣队

Predefinição:Política do Mali

Pietro Figlioli

Diagonal (newspaper)

Dissonance Theory

Swarnalatha

Judo at the 2004 Summer Olympics – Men's 100 kg

Census in Germany

Kingdom of England

Kurt Vonnegut

1906 Basingstoke by-election

Incroyables and merveilleuses