金子 成人(かねこ なりと、1949年1月15日 - )は、日本の脚本家、作家。長崎県佐世保市出身。
来歴
長崎県立佐世保南高等学校卒業後、サラリーマン生活を送りながらシナリオ研究所に入り、倉本聰に師事。1972年に『おはよう』(TBS)の一篇で脚本家デビューするも、新聞の論評では酷評される結果となり、バーテンや八千草薫のお抱え運転手などのアルバイトと並行しながら日活ロマンポルノなどを執筆し修行生活を送る[1]。1974年に『太陽にほえろ!』のプロット募集に入選し、翌年より『前略おふくろ様』にサブライターとして参加。1976年に執筆した石原プロモーション製作ドラマ『大都会 闘いの日々』の第24話「急行十和田2号」が向田邦子に認められ、向田を通じて制作会社とのコネクションを築く[2]。その後は『大都会 PARTII』『大追跡』などの刑事アクション物の執筆を経て頭角を表し、1979年、中学生の自殺問題を扱った藤原審爾の同名著書を原作とする単発ドラマ『死にたがる子』(NHK)が第6回放送文化基金賞ドラマ部門本賞を受賞。以後、時代劇や大型ドラマなどを多数執筆し、1997年には『魚心あれば嫁心』および『終わりのない童話』で向田邦子賞を受賞した。2000年代以降は時代劇作品の脚本を主に執筆するほか、時代小説にも進出している。
人物像
- 『別冊宝島』(144)の「シナリオ入門」(1999年刊行)に掲載された脚本家アンケートによると、脚本家になるきっかけになったのは成瀬巳喜男に弟子入りを志願した時、「監督になりたいなら脚本を勉強しなさい」と言われたからという。
代表作品
テレビドラマ
劇場映画
OVA
小説
- 付添い屋・六平太シリーズ
- 『付添い屋・六平太 1 龍の巻 留め女』小学館〈小学館文庫〉、2014年6月。
- 『付添い屋・六平太 2 虎の巻 あやかし娘』小学館〈小学館文庫〉、2014年6月。
- 『付添い屋・六平太 3 鷹の巻 安囲いの女』小学館〈小学館文庫〉、2014年11月。
- 『付添い屋・六平太 4 鷺の巻 箱入り娘』小学館〈小学館文庫〉、2015年3月。
- 『付添い屋・六平太 5 玄武の巻 駆込み女』小学館〈小学館文庫〉、2015年7月。
- 『付添い屋・六平太 6 朱雀の巻 恋娘』小学館〈小学館文庫〉、2015年11月。
- 『付添い屋・六平太 7 鳳凰の巻 強つく女』小学館〈小学館文庫〉、2016年3月。
- 『付添い屋・六平太 8 麒麟の巻 評判娘』小学館〈小学館文庫〉、2016年7月。
- 『付添い屋・六平太 9 獏の巻 噓つき女』小学館〈小学館文庫〉、2016年11月。
- 『付添い屋・六平太 10 天狗の巻 おりき』小学館〈小学館文庫〉、2017年3月。
- 『付添い屋・六平太 11 姑獲鳥の巻 女医者』小学館〈小学館文庫〉、2018年9月。
- 『付添い屋・六平太 12 鵺の巻 逢引き娘』小学館〈小学館文庫〉、2019年5月。
- 『付添い屋・六平太 13 妖狐の巻 願掛け女』小学館〈小学館文庫〉、2020年2月。
- 『付添い屋・六平太 14 猫又の巻 祟られ女』小学館〈小学館文庫〉、2020年10月。
- 若旦那道中双六シリーズ
- 『てやんでぇ!』双葉社〈双葉文庫〉、2016年12月。
- 『すっとこどっこい!』双葉社〈双葉文庫〉、2017年5月。
- 『べらぼうめ!』双葉社〈双葉文庫〉、2018年5月。
- 『なんてこったい!』双葉社〈双葉文庫〉、2019年1月。
- 『あばよっ!』双葉社〈双葉文庫〉、2019年8月。
- 追われものシリーズ
- 『破獄』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2017年6月。
- 『孤狼』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2018年12月。
- 『標的』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2019年6月。
- 『再会』幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2019年12月。
- 脱藩さむらいシリーズ
- ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ
- かぎ縄おりんシリーズ
随筆
受賞歴
脚注
関連項目