西鉄特急(にしてつとっきゅう)は、西日本鉄道(西鉄)が天神大牟田線で運行している特急列車の通称。
本項では西鉄特急の歴史と概況などについて記述する。
九州最古の電車特急である。福岡市、春日市、筑紫野市、久留米市、柳川市、大牟田市の福岡県西・南部の主要6都市を結んでいる。特別料金を徴収しておらず、西鉄天神大牟田線の看板的存在である。4往復は大牟田駅にて三池島原ラインの高速船へと連絡し、福岡から島原への連絡輸送の一端を成している[1]。
西鉄天神大牟田線は日本国有鉄道(国鉄)・九州旅客鉄道(JR九州)の鹿児島本線とほぼ完全に並行しており、特急用車両には良質な電車が投入されていた[2]。1959年の特急運転開始時は鹿児島本線が単線非電化であったため優位性があったが、国鉄が複線化などの改良を行い、競争が激化した[1]。そのため西鉄はボックスシートであった特急車両を転換クロスシート車両に置き換えた[1]。1983年のスピードアップの際には博多駅 - 大牟田駅を走る国鉄の特急列車「有明」よりも所要時間が短くなった[3] が、1986年の国鉄ダイヤ改正で「有明」がスピードアップし、再び所要時間が逆転し、これ以降は運賃の安さで対抗することとなった。その後JR九州側の動向として、2011年3月12日に九州新幹線全線開業に伴い特急「リレーつばめ」「有明」が朝夜の3.5往復を除いて廃止[注 1]となり[1]、さらに2018年3月17日に博多駅方面から荒尾駅まで直通運転する快速列車が大幅に削減された[注 2]ため、所要時間[要出典]・運賃にて西鉄特急が優位に立っている状況である[1]。
全列車が福岡(天神) - 大牟田間の通し運転となっており、区間運転はない。特急と停車駅が同じ[注 3]で区間運転となる列車の場合は、下位種別を設けて運転されている[注 4]。一部区間で単線区間が残っているが部分的に設けられた複線区間にて交換するようになっているため、定時で列車が運行した場合に列車行き会いのための待ち合わせが発生しないようなダイヤ設定がされている[1]。2019年現在の全区間の所要時間の最速は64分である[1]。
新型コロナウイルス感染症の世界的流行による利用者減のため、2021年3月13日から2024年3月15日までの3年間、平日は朝・夕・夜間帯のみの運行となり、平日の日中は特急の代わりに福岡(天神) - 大牟田間を通し運転する急行が運行されていた(土日祝日は終日運行を継続)[注 5][4][5]。朝ラッシュを除き[1]平日・土日祝日とも概ね30分間隔で運行し、福岡(天神)駅を毎時00・30分に発車するダイヤが組まれている[6]。
停車駅が増えた背景としては、拠点駅の混雑緩和・乗り換え対応がある。
この他毎年2月に久留米市城島町で開催される城島酒蔵びらきに併せて三潴駅に一部の列車が臨時停車する。
西鉄の前身の九州鉄道では1939年7月1日に福岡 - 大牟田間を全通させた後、同年11月1日から福岡 - 久留米間を38分、福岡 - 大牟田間を78分で走行する急行の運行を開始した。この急行は戦時中に一時休止され、戦後の1946年12月に復活したが、福岡 - 大牟田間の所要時間は100分に延びた[8]。運行本数は3往復であった。
戦後の混乱から落ち着きを取り戻した頃に国鉄(当時)の鹿児島本線に快速列車が登場した[9]。西鉄の急行にもスピードアップが求められ、1954年には最高時速が85kmにスピードアップされ、福岡 - 大牟田間の所要時間が82分となり、1時間間隔へ増便された[9]。1956年には急行が主系統急行へ改称された[9]。1959年には主系統急行は特急に名称が変更された[10]。
2ドアクロスシート車が代々利用されていたが、3ドアの3000形が導入されてより3000形が主力車両となっている[1]。
朝夕ラッシュ時を中心にロングシート車が充当される[15]。年末年始・ゴールデンウィーク・大学入試期間・3000形の予備車の都合でロングシート車が日中に充当されることもある[15]。
主なもののみ記す。7000形・7050形電車はダイヤの乱れや検査などの都合による特別な事情がある時を中心に使用され、その場合は2両編成を3組連結した6両編成か6000形・6050形との異編成車両に使用される。
かつて特急電車に1990年代[18][19]および2020年[20]ごろまでに座席指定席連結が検討の報道がなされていたが、2025年現在実現の見通しはたっていない。なお、2024年4月と5月の4日間において3000系5両を用いた臨時有料座席列車「Nライナー」を運行した[21]。
西鉄電車情報(にしてつグループ公式ホームページ)
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