『虎辞書なる!!』(とらじしょなる)は、『サンテレビボックス席』(阪神タイガース主催公式戦中継)のアーカイブ映像を活用した番組。2003年からサンテレビジョンで断続的に放送されている。
基本的に、年度上半期(NPBのレギュラーシーズン)の金曜日夜に、『サンテレビボックス席』ナイトゲーム中継の雨傘番組として設定されている。
日本国内で新型コロナウイルス感染症が流行していた影響で、日本のプロ野球におけるレギュラーシーズンの開幕が急遽延期された2020年には、延期中の4月22日から6月12日まで毎週金曜日(4月24日 - 6月12日)の20:00 - 21:24に放送された。2024年度の下半期には、2024年10月5日から2025年3月22日まで毎週(一部、放送休止の週あり)土曜日19:58 - 21:22にて放送された。
当ページでは便宜上、年度上半期の不定期放送版を「年度上半期版」、2020年4 - 6月の期間限定シリーズ版を「期間限定シリーズ版」、2024年度以降の下半期におけるレギュラー放送版を「年度下半期版」と記載する。
サンテレビジョンが保管している阪神タイガース公式戦の中継アーカイブ映像から、阪神ファンの視聴者にとってとりわけ印象の強い好カードを厳選。該当するアーカイブ映像を再編集によって90分のダイジェストに凝縮したうえで、阪神戦の実況を数多く経験している谷口英明(2020年3月まで同局アナウンサー)や湯浅明彦(同局のアナウンス部長)による解説を交えて放送している。また、J SPORTSにも番組を販売しており、同局では「なにがなんでもタイガース!」に改題したうえで、『J SPORTS STADIUM』や『アクティブ!ベースボール』の雨傘番組として編成されている。
本編では、冒頭にて放送で取り上げる試合の背景を谷口や湯浅が簡単に解説した後に、その試合の中継を収めたアーカイブ映像の再編集版(ダイジェスト映像)を放送。オープニングとエンディングでは、アース・ウィンド・アンド・ファイアー(Earth, Wind & Fire)の『Boogie Wonderland』を、番組のタイトル映像と共に流している。放送回によっては、谷口や湯浅が、実況・ベンチリポート・ヒーローインタビューを担当した中継の映像を自ら紹介することもある。
ちなみに、谷口が進行していた「年度上半期版」や「期間限定シリーズ版」では、本人が「タイガースファンの皆様、こんにちは! 感動の名場面、名勝負。あの興奮をもう一度。オールドファンの皆さんはもちろん、ヤングファンの皆さんにとっても永久保存版となる『虎辞書なる!!』。今からでも遅くはありません。ぜひ録画の御用意をどうぞ」という口上を述べてから解説をスタート。谷口が右手の人差し指をテレビカメラに向けながら、「あなたは歴史の証人です!」とのフレーズを発した直後からダイジェスト映像の放送を始めていた。
サンテレビでは例年、プロ野球レギュラーシーズン中の金曜日で、『サンテレビボックス席』で阪神のナイトゲームを中継する場合に「複数のスポンサーが付いた雨傘番組」として編成。2022年までは20:00 - 21:24、2023年以降は19:58 - 21:22に放送枠を設定している。
前述した事情から、『サンテレビボックス席』ナイトゲーム中継枠の代替番組として、4月24日から毎週金曜日の20:00 - 21:24に放送[注釈 1][注釈 2]。当初3月20日(金曜日・春分の日)に設定されていたレギュラーシーズンの開幕が延期されたことに伴う暫定措置であったため、当初は5月22日(第5回)の放送をもって終了することを予定していた。
もっとも、放送期間中に開幕の目途が立たなかったことから、翌週(5月29日)以降も放送を継続。実際にはレギュラーシーズンを6月19日に開幕することが5月25日に決まったため、開幕の前週(6月12日)まで8回にわたって放送された。いずれの回でも、2019年度までの「上半期版」で放送済みのアーカイブ映像を改めて流していたため、放送上は谷口が進行役で出演。
当番組史上初めて、プロ野球のポストシーズンからオフシーズンにかけてレギュラー放送を行った。過去の「上半期版」や「期間限定シリーズ版」で取り上げていなかった阪神戦中継のアーカイブ映像(新作)を対象に、谷口のサンテレビ在職中の部下に当たる湯浅の進行で、2024年10月5日から2025年3月22日まで、一部の週を除く土曜日の19:58 - 21:22にノンスポンサー(パーティシペーション)方式で放送した。
「年度下半期版」では、湯浅を「(谷口から進行役を引き継いだ第2代の)ナビゲーター」と扱っているほか、前述した口上を「タイガースファンの皆さん、こんばんは! 感動の名勝負、名場面。そして、あの興奮をもう一度。あらゆる世代の皆さんにとって、永久保存版となる『虎辞書なる!!』」に変更。その一方で、オープニング・エンディングのタイトル映像、テーマソング(『Boogie Wonderland』)、オープニングにおける口上の締め言葉(「あなたは歴史の証人です!」)を「年度上半期版」や「期間限定シリーズ版」から踏襲している。
サンテレビでは「年度下半期版」の開始に合わせて、GAORA(サンテレビと同じ在阪局の毎日放送グループが運営するCSチャンネル)で放送済みの『シモ's キッチン』(阪神OBで朝日放送テレビ野球解説者の「シモ」こと下柳剛が料理の腕前を自宅の「キッチン」で披露する様子を収録した15分番組)から、開始当初(2020年)の一部の回を対象に放映権を購入。2回分の映像を編集で組み合わせた28分版を「年度下半期版」の直前(19:30 - 19:58)にレギュラーで放送し、ステーションブレイクをはさまずに「年度下半期版」へ直結させた。
2019年度までの「上半期版」で放送済みの試合のアーカイブ映像を改めて流していたため、放送された試合の内容については、前掲した「年度上半期版」の放送リストを参照。
2009年12月31日~2010年1月1日には、『虎辞書なる!!年越しスペシャル~2010年は虎の年』を生放送。2009年シーズンの阪神のベストゲームのダイジェスト映像の放送、当時の主力選手・コーチたちによる名勝負の回顧企画、谷口と真弓明信監督(当時)の対談などで構成。2009年から2010年の変わり目には、当時の選手・コーチが2010年へのカウントダウンを披露した後に、新年の挨拶を述べていた。
2010年には、1月17日に小林繁が急逝したことを受けて、同月23日深夜(24日未明)に『追悼・小林繁 虎辞書なる!!〜あの興奮をもう一度〜G倒に燃えた炎のサイドスロー小林繁・伝説の巨人キラー』を急遽編成。「G倒に燃えた炎のサイドスロー小林繁」を改めて放送した。
2018年には、1月4日に星野仙一が逝去したことを受けて、同月21日の16:00 - 17:25に『星野仙一さん追悼特別番組 虎辞書なる!!2003年歓喜の胴上げ』を急遽編成。「2003年歓喜の胴上げ」を改めて放送した。
2020年4 - 6月の期間限定シリーズでは、期間中の5月1日にマット・キーオが急逝したことを受けて、「マット・キーオ 低迷期を支えた虎のエース」を期間延長後のシリーズ最終回(6月12日)に編成。キーオへの追悼の意を示す字幕を、本編終了後のエンディングパートに挿入した。
2004年から2008年まで阪神の一軍監督を務めた岡田彰布が監督へ復帰した2023年には、『虎辞書なる!!今年はアレ年よスペシャル~1985・2005年岡田彰布の軌跡~』を、1月2日(月曜日)の16:00 - 17:25に編成。過去の放送で取り上げた中継のアーカイブ映像から、現役選手時代の1985年(2本の本塁打を放つなど活躍した8月27日の対広島戦)と第1次監督時代の2005年(セントラル・リーグでの優勝を決めた9月28日の対巨人戦)の映像を2本立て方式で放送した。ただし、進行役は谷口ではなく村上昴輝(サンテレビの現役アナウンサー)で、進行パートも湊川神社(神戸市中央区)の境内で2023年の「アレ」(岡田の口癖)祈願を兼ねて収録。また、岡田が監督復帰後初めて『熱血!タイガース党』(オフシーズン限定の生放送番組)に出演していた2022年10月28日に、同番組のスタジオセットで別途収録したメッセージ映像をエンディングパートに組み込んでいた。
サンテレビが開局55周年を迎えていた2024年には、『開局55周年記念 サンテレビボックス席の日』という特別番組を、『サンテレビボックス席』としての中継が始まった5月6日(月曜日で子どもの日の振替休日)の16:00以降に編成。この特別番組では、阪神対広島のナイトゲーム中継(甲子園)を18:00から予定していたため、当番組を中継の雨傘番組に設定していた。実際にはこの試合の中止が『サンテレビボックス席の日』の開始前に決まったため、当番組としては初めて、前年(2023年)のセ・リーグ優勝決定試合(9月14日の阪神対巨人戦)中継のアーカイブ映像を18:00 - 19:25に放送した。ただし、通常の当番組と違って進行役を立てておらず、中継の再編集映像だけで全編を構成。
開局45周年記念企画の一環として、「虎辞書なる!!あの興奮をもう一度」と称する視聴者投票を3月下旬から実施。当番組で放送した「名勝負」65試合(1970年代:2試合、1980年代:26試合、1990年代:18試合、2000年代:19試合)を投票の選択肢に定めたうえで、いずれか1試合について、4月20日まで特設サイトで投票を受け付けていた。
5月2日に生放送の開局45周年記念番組『サンテレビ"的"』では、第2部(19:00 - 20:30)に特別企画を内包したうえで、谷口がスタジオから進行。視聴者票における得票数が最も多かった「2003年歓喜の胴上げ」を、改めて放送している。
開局50周年記念企画の一環として、「虎辞書なる!!総選挙~あなたが選ぶ名勝負~」と称する視聴者投票を3月中旬から実施。局内の記録媒体に現存する阪神戦の中継映像から、当番組での過去の放送分を含む50試合を投票の選択肢に定めたうえで、いずれか1試合について、4月13日まで特設サイトで投票を受け付けていた。5月3日(金曜日・憲法記念日)の20:00 - 21:30に、同名の特別番組で得票数の上位5試合を発表するとともに、1位に選ばれた試合(「2003年歓喜の胴上げ」)の映像を放送。