色即是空(しきそくぜくう)とは、『般若心経』等[注釈 1]にある言葉で、仏教の根本教理といわれる。この世のすべてのものは恒常な実体はなく縁起によって存在する、という仏教の基本的な教義。空即是色と対をなす。「色即是空」の区切りは「色、即是、空」とされる。 [1][2]。
色(ルーパ)は、宇宙に存在するすべての形ある物質や現象を意味し、空(シューニャ)は、恒常な実体がないという意味。
すなわち、目に見えるもの、形づくられたもの(色)は、実体として存在せずに時々刻々と変化しているものであり、不変なる実体は存在しない(空)。仏教の根本的考えは因果性(縁起)であり、その原因(因果)が失われれば、たちまち現象(色)は消え去る。
抜粋
色不異空、空不異色、色即是空、空即是色
(参考訳)
色は空と異ならず、空も色と異ならず、色即ち空なり、空すなわち色なり。
— 般若心経
脚注
注釈
- ^ 般若心経だけでなく、さらに古層に属する般若経、維摩経、大般涅槃経などに頻出するが、人口に膾炙しているという点で『般若心経』が挙げられることが多い。
出典
関連項目