空椎亜綱 (くうついあこう、学名 : Lepospondyli )は、古生代 石炭紀 からペルム紀 前期まで存在した両生類 の1グループである。ネクトリド目 以外はヨーロッパ と北アメリカ でしか発見されていない。
特徴
陸生から半水生、水生までさまざまなタイプがあったが、ディプロカウルス の全長1mを最大として、体の小さな種 が多かった。当時大型化する傾向にあった迷歯亜綱 とは競合する生態的地位に無かったらしい。
脊椎 に糸巻き状の側椎心 を持つ。椎骨 は一般的に見られるようにまず軟骨 として形成され、それが置換されていくのではなく、脊索 の周りに直接に形成される。これは現生の有尾目 ・無足目 と共通する特徴であり、このためこれら2目を空椎亜綱に分類する説もある。また、神経弓 は椎骨と融合していることが多い。
迷歯亜綱と違い、迷路歯 ・対を成す口蓋部の牙 ・耳切痕 を持たない。しかしこれは体が小型であることからくる平行進化 の結果であり、共通の先祖を持っていることを意味するものではないという説もある。
下位分類
細竜目 Microsauria
空椎類中最も多様性に富むグループ。外鰓 を持った水中生の種・トカゲ に似た陸生の種・長い胴体と短い足を持つ地中生らしい種などがいた。
リソロフィス目 Lysorophia
細竜目から派生した。長い胴体と短い手足を持ち、ハイギョ のように繭 を作って夏眠していたことが知られている。
欠脚目 Aïstopoda
四肢も肢帯も痕跡すらない、ヘビ に似た両生類。石炭紀前期にはすでに出現していた。水中生だったのか地中生だったのかは分かっていない。
ネクトリド目 Nectridea
ディプロカウルス を含む水中性のグループ。扁平な体と左右に発達した頭骨、平たく強力な尾部が特徴。この目だけ北アフリカ からも発見例がある。
アデロギリヌス目 Adelospondyli
四肢は無いが肩帯の痕跡は残している。欠脚類との関係はよく分からない。
アケロンティスクス科 Acherontiscidae
細竜類と近縁とされるが、目所属不明。
Pantylus cordatus ペルム紀初期の細竜目
Pelodosotis elongatum ペルム紀の細竜目
Diploceraspis burkei ペルム紀のネクトリド目
Adelospondylus watsoni 石炭紀前期のアデロギリヌス目
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参考文献
^ Andrews, S.M.; Carroll, R.L. (1991). “The Order Adelospondyli: Carboniferous lepospondyl amphibians”. Transactions of the Royal Society of Edinburgh: Earth Sciences 82 (3): 239–275. doi :10.1017/s0263593300005332 .
^ Marjanović, D. (2021). “The Making of Calibration Sausage Exemplified by Recalibrating the Transcriptomic Timetree of Jawed Vertebrates” . Frontiers in Genetics 12 : 521693. doi :10.3389/fgene.2021.521693 . PMC 8149952 . PMID 34054911 . https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8149952/ .