比婆山駅(ひばやまえき)は、広島県庄原市西城町大屋にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)芸備線の駅である。
歴史
開業時の駅名である「備後熊野」とは、当駅の北西約8kmの位置に鎮座する熊野神社が由来である。伊邪那美命の陵墓と云われる比婆山御陵をはじめとしたイザナミ伝承が残る熊野神社への玄関口として駅設置の請願が行われたのが、当駅開設のきっかけであった。駅舎が社殿風の造りとなっているのもこのためである。駅開業後、熊野神社の復権運動はさらに白熱し、官社昇格や官幣大社建立の話も浮上したが、太平洋戦争へ突入し立ち消えとなった[2]。
戦後の1952年(昭和27年)に比婆山が県立公園に指定されると、今度は比婆山連峰に残る自然を生かし、行楽客を呼び込む運動が活発となった。1956年(昭和31年)、当時の備後熊野駅長である森下忠二郎や、駅近くの美古登郵便局長の働きかけで、比婆山登山口にふさわしい駅名である「比婆山」に改称された。[3]夏の行楽シーズンには「しらぎり」や「ちどり」といった優等列車が臨時停車していた。[4]
駅構造
三次方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する地上駅(停留所)。国鉄時代には列車交換が可能であった。現在も廃止されたホーム跡が残っている。
駅舎はあるが無人駅となっている。かつては駅前の商店で乗車券を販売していたが、2008年(平成20年)春に委託発券は打ち切られた。便所は、簡易水洗式である。
利用状況
1日平均乗車人員は以下の通り。
駅周辺
その他
- 当駅と次の備後落合駅の間は、距離は5.6kmだが、徐行区間が多く16分かかる。平成13年10月改正時点では8分であった。
隣の駅
- 西日本旅客鉄道(JR西日本)
- 芸備線
- 備後落合駅 - 比婆山駅 - 備後西城駅
脚注
- ^ a b c d 石野哲 編『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 II』(初版)JTB、1998年10月1日、264頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
- ^ 森下忠二郎『比婆山の追想』森下忠二郎、1986年。
- ^ 『ふるさと写真集:大正・昭和県北の記録』文化新聞社、1977年7月、276頁。
- ^ 「比婆山駅に「しらぎり」が臨時停車」『中国新聞』1968年7月20日、広島東部版。
- ^ “日本国有鉄道公示第198号”. 官報. (1972年9月1日)
- ^ 中国新聞 1972年9月1日付
- ^ 「通報 ●芸備線坂根駅ほか24駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報』日本国有鉄道総裁室文書課、1972年9月1日、7面。
- ^ 「飲食・小売の出店を科学する出店戦略情報局」のアーカイブデータ
- ^ a b c d e f g 国土数値情報 駅別乗降客数データ
- ^ “第2期庄原市生活交通ネットワーク再編計画” (PDF). 庄原市 (2016年3月). 2017年9月6日閲覧。
関連項目
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外部リンク