春日(かすが)は、埼玉県上尾市の町名。現行行政地名は春日一丁目および二丁目。住居表示実施済み[6](一部未実施区域あり[7])。郵便番号は362-0074[3]。
市の統計などでは上尾地区で分類されている。本項ではかつて概ね同地域に所在した春日谷津村(かすがやつむら)についても述べる。
地理
埼玉県の中央地域(県央地域)で、上尾市中央部の鴨川左岸側の大宮台地[8]上に位置する。地区東部から南部にかけて小河川が暗渠で流れ、南部では谷が生じている。町域は東部を高崎線を挟んで緑丘や上町と隣接し、南部は柏座、西部から北部にかけては弁財や浅間台と隣接する。北部では原新町とも僅かに隣接する。西部の境界線はやや錯綜する。
全域が市街化区域[9]で、北部は第一種低層住居専用地域や第二種中高層住居専用地域、南部は第一種住居地域や第二種住居地域に指定され、主要な通り沿いに商業施設が見られるほかは、全体的に住宅地が広がり住宅が立ち並ぶ。年とともに減少傾向にあるが、生産緑地地区としての農地も見られる。
地価
住宅地の地価は、2018年(平成30年)の公示地価によれば、春日一丁目38−4の地点で14万6000円/m2となっている[10]。
歴史
もとは江戸期より存在した武蔵国足立郡大谷領に属する春日谷津村であった[8]。古くは柏座村(柏座の前身)の枝郷であったが、元禄期(1688年〜1704年)頃に柏座村より谷津村(現谷津)とともに分村して成立した[11]。村高は『元禄郷帳』および『天保郷帳』によると55石余であった。化政期の戸数は10軒余であった[8]。飛地が柏座・川村の間や弁財・今泉村の間や中妻・小泉村の間に存在していたほか、柏座村および中妻村のうちに存在した[8]。
地名は村内に春日社が建立されていたことに因む[8]。谷津は低湿地を意味し村内にも見られた。なお、春日社(春日神社)は現在の柏座二丁目に鎮座する。
1875年(明治8年)の農業産物高は武蔵国郡村誌によると米7.5石、大麦15石、小麦10石、大豆5石、小豆3石、甘藷1500貫であった[13]。
存在していた小字
※ 『新編武蔵風土記稿』には「金原」・「臺」の記載があるが未確認である[35]。
世帯数と人口
2019年(平成31年)1月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[2]。
町丁 |
世帯数 |
人口
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春日一丁目
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1,327世帯
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3,119人
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春日二丁目
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495世帯
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1,186人
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計
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1,822世帯
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4,305人
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小・中学校の学区
市立小・中学校に通う場合、学区(校区)は以下の通りとなる[37]。
交通
地区内の東境をJR東日本高崎線が通るが鉄道駅は設置されていない。最寄り駅は北上尾駅であるが[10]、地区によっては上尾駅も利用が可能である。
道路
地区内に国道や主要地方道・一般県道は通っていない。
- 小敷谷吉田通線[38](はなみずき通り)
- 西宮下中妻線(並木通り)
- 富士見ヶ丘中妻線(浅間通り)
バス
地区内には路線バスが無く、コミュニティバスのみの運行となっている。なお、過去に丸建自動車のけんちゃんバスが運行され、地内に「春日1丁目」、「春日2丁目」バス停留所が設置されている時期があった[39]。
- 上尾市コミュニティバス「ぐるっとくん」[40]
- 地区内は「春日一丁目」および「保健センター前」バス停留所が設置されている。
地域
町内会
公園
- 春日第一公園(街区公園) - 指定緊急避難場所[42]。園内に春日土地区画整理事業竣工記念碑がある。
- 春日第二公園(街区公園) - 指定緊急避難場所
- 春日第三公園(街区公園) - 指定緊急避難場所
- 春日一丁目公園 - 付近に中世期の屋敷である曽我殿屋敷跡[11]があった。
- 春日広場
施設
町内の主要な通り沿いに商業施設が多く立地する。かつては春日1丁目32番1号の場所にヤンマー農機東京営業事務所等が所在した[43][注釈 7]。また国土地理院の地図・空中写真閲覧サービスによると、1962年頃より1970年頃にかけて、ヤンマーの南西側(旧臼田産業の場所)に自動車教習所らしき施設[1][注釈 8]が見られる。
- 西保健センター[45](旧上尾市保健センター)
- 春日土地区画整理組合記念会館(春日記念会館)
- 市立上尾西保育所
- うぐす保育園上尾春日
- 春日クリニックモール
- 正一位稲荷大明神 - 2丁目14番2号の一角に立地
※ 春日神社は柏座二丁目に所在する。
脚注
注釈
- ^ 旧高旧領取調帳データベースの検索結果によると知行は小川源之丞となっている。
- ^ 「旧高旧領取調帳データベース」の検索結果も参照。
- ^ 大字春日谷津の消滅時期は不明。なお、現在は春日の一部で住居表示未実施区域がある。
- ^ 春日1丁目16番〜29番・35番(一部)
〜48番、春日2丁目1番〜9番・14番・24番(一部)が対象[25]。
- ^ 『武蔵国郡村誌』では沼上と読み方が異なる。
- ^ 『新編武蔵風土記稿』では「アラヒ」とも。
- ^ 現在は住宅地となっている。
- ^ 創立年などから「上尾自動車学校」(現ファインモータースクール上尾)ではないかと思われる[23][44]。なお、当施設の当時の所在地は柏座とされていた。1972年に現在地(平塚)に移転。
出典
参考文献
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第五巻 資料編5、近代・現代2』上尾市、1998年3月31日。
- 上尾市教育委員会・編『上尾市史 第八巻 別編1、地誌』上尾市、1997年3月31日。
- 「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』角川書店、1980年7月8日。ISBN 4040011104。
- 上尾百年史編集委員会・編『上尾百年史』上尾市役所、1972年2月10日。
- 『春日土地区画整理事業「完工記念誌」』上尾市日土地区画整理組合、1975年2月。
- 『広報あげお 昭和62年11月15日号』第493号、上尾市役所、1987年11月15日。
- 『広報あげお 昭和62年12月15日号』第495号、上尾市役所、1987年12月15日。
- 「春日谷津村」『新編武蔵風土記稿』 巻ノ147足立郡ノ13、内務省地理局、1884年6月。NDLJP:763999/47。
- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
外部リンク