愛甲石田駅(あいこういしだえき)は、神奈川県厚木市愛甲一丁目にある、小田急電鉄小田原線の駅である。駅番号はOH 35。
概要
1980年代初頭頃より厚木市・伊勢原市のベッドタウン化に伴う人口増加が始まり、西部の森の里開発を契機に大学や企業誘致も相まって駅北側の整備が行われ、当駅を拠点としたバス路線が開設されるなど、短期間で著しい変化を遂げた。
ホームのおよそ半分が伊勢原市石田に跨がるが、駅舎が厚木市側にあるために同市の駅となっている。
歴史
小田原線が開通する際の駅新設予定地は、現在の駅所在地よりも1 km程伊勢原寄りの中郡成瀬村高森(現・伊勢原市高森付近)であった[1]。しかし、地主の反対を受けたことから、当初よりも少し東側の成瀬村石田(国道246号から高森道了尊への道が分かれる付近)へ計画を変更した[1]。ここで愛甲郡南毛利村(現・厚木市愛甲付近)から駅誘致があったため、さらに東側へ計画を変更しようとしたところ、全く石田に鉄道駅がなくなることには石田側が難色を示した[1]。このため、南毛利村と成瀬村の境界付近に駅を設置することとし、駅名も南毛利村愛甲と成瀬村石田の双方の地名を合わせることとなった[1]。
年表
駅構造
相対式ホーム2面2線を有する地上駅。橋上駅舎を備える。
駅施設の変遷
改築前の旧地上駅舎時代は約3分の1前後が伊勢原市石田にかかっていたが、橋上駅舎完成後は一部駅用地のみが同市で、駅施設は厚木市愛甲側に集中した。ホーム延長工事後、再度石田側に一部駅施設がかかる部分が発生した。
のりば
2011年(平成23年)春、隣駅の伊勢原駅と共に行先案内表示器が設置された[4]。さらに、2012年(平成24年)1月 - 8月にかけて、旅客上屋(屋根)増設工事を実施した[5]。
2017年3月28日、小田急電鉄が高見沢サイバネティックス実証実験に協力するため、当駅で高見沢サイバネティックス製『昇降バー式ホーム柵』の実証実験を2017年夏ごろから開始すると発表された[6]。そして発表からおよそ6か月後の9月24日の初電より稼働となり、2018年3月1日まで実証実験が行われた[7]。
利用状況
- 小田急電鉄 - 2022年度の1日平均乗降人員は40,799人である[小田急 1]。
- 小田急線全70駅中26位。
近年の乗降人員・乗車人員の推移は下表の通り。
年度別1日平均乗降・乗車人員[* 1][* 2]
年度
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1日平均 乗降人員[* 3]
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1日平均 乗車人員[* 4]
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出典
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1972年(昭和47年)
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[8]6,879
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1982年(昭和57年)
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[9]15,194
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1985年(昭和60年)
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[10]22,297
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1989年(平成元年)
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[11]39,357
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1995年(平成07年)
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24,637
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[神奈川県統計 1]
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1998年(平成10年)
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[12]48,937
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24,466
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[神奈川県統計 2]
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1999年(平成11年)
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23,598
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[神奈川県統計 3]
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2000年(平成12年)
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23,513
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[神奈川県統計 3]
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2001年(平成13年)
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47,573
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23,760
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[神奈川県統計 4]
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2002年(平成14年)
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48,443
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24,201
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[神奈川県統計 5]
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2003年(平成15年)
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44,017
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22,001
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[神奈川県統計 6]
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2004年(平成16年)
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44,627
|
22,590
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[神奈川県統計 7]
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2005年(平成17年)
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45,686
|
23,084
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[神奈川県統計 8]
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2006年(平成18年)
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46,571
|
23,525
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[神奈川県統計 9]
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2007年(平成19年)
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47,686
|
24,058
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[神奈川県統計 10]
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2008年(平成20年)
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49,005
|
24,687
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[神奈川県統計 11]
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2009年(平成21年)
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48,291
|
24,275
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[神奈川県統計 12]
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2010年(平成22年)
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47,460
|
23,856
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[神奈川県統計 13]
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2011年(平成23年)
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47,052
|
23,655
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[神奈川県統計 14]
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2012年(平成24年)
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48,666
|
24,487
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[神奈川県統計 15]
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2013年(平成25年)
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50,002
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25,136
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[神奈川県統計 16]
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2014年(平成26年)
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49,578
|
24,898
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[神奈川県統計 17]
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2015年(平成27年)
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51,341
|
25,775
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[神奈川県統計 18]
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2016年(平成28年)
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52,110
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26,168
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[神奈川県統計 19]
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2017年(平成29年)
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53,371
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26,796
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[神奈川県統計 20]
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2018年(平成30年)
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54,476
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27,346
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[神奈川県統計 21]
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2019年(令和元年)
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54,602
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27,403
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[神奈川県統計 22]
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2020年(令和02年)
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34,670
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2021年(令和03年)
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[小田急 2]35,817
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2022年(令和04年)
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[小田急 1]40,799
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駅周辺
北口側は国道246号に接しているため、ロードサイド店舗が多い。南口側は純粋な住宅地である。
北口
南口
バス路線
1980年(昭和55年)頃までは当駅を始発・終着とする路線バスはなく、国道246号上の「愛甲石田」と新宿側の陸橋を下って小田原厚木道路に向かう道の途中に「駅入口」の2か所のバス停があるのみであった。
その後、高森団地などからの住民の要望により愛甲石田 - 高森団地線が運行開始された。この時の折り返し場は現在・湘和会館が立地する場所であった。その後、国道246号から直接愛甲原住宅へ向かう道路が開通し、高森団地 - 愛甲石田 - 愛甲原住宅間や伊勢原駅 - 高森団地 - 愛甲石田 - 愛甲原住宅間の路線が運行されるようになった。
折返場の制約から愛甲石田を途中停留所とした運行形態であったが、愛甲原住宅から先毛利台へ抜ける道路が開通すると、それまで本厚木駅近くから出発していた日産テクニカルセンターへの送迎バスも当駅近くに折返場[注釈 1]を新設して対応するなど、渋滞の多い本厚木駅への路線に代わる交通手段として、にわかに脚光を浴びるようになった。
このため、橋上駅舎化と同時に北口にバスターミナルの建設が開始され、橋上駅舎の供用開始よりも少し早い1987年10月6日より使用開始した。同時に「愛甲石田」「駅入口」の各停留所の機能はバスターミナルへ統合されることになった。
2010年(平成22年)4月現在、伊勢原駅・平塚駅・松蔭大学などへ計14系統が運行されている。なお、高森団地線は同年4月11日を限りで廃止となった。各路線の詳細については、末尾(あ)は神奈川中央交通東・厚木営業所、末尾の(ひ)は神奈川中央交通西・平塚営業所、それ以外の路線は神奈川中央交通西・伊勢原営業所を参照。
2014年3月10日より、愛甲石田駅南口と東成瀬地区を結ぶ東成瀬循環線[13]、2016年9月12日より、歌川地区を結ぶ歌川循環線[14]の運行を開始した。
- 1番のりば
- 愛02:あかね台循環、すみだ公園行(ひ)
- 伊74:東海大学病院経由 伊勢原駅北口行
- 伊76:粕屋経由 伊勢原駅北口行
- 2番のりば
- 愛20:毛利台団地行
- 平68:横内団地経由 平塚駅行(ひ)
- 伊80:大田経由 伊勢原駅南口行
- 3番のりば
- 愛11:愛甲原住宅経由 七沢病院行
- 愛12:愛甲原住宅経由 神奈川リハビリ行
- 愛15:愛甲原住宅・森の里中学校前経由 森の里行
- 愛24:愛甲原住宅経由 松蓮寺行(あ)
- 4番のりば
- 愛16:愛甲郵便局経由 森の里行
- 愛17:上愛甲・日産先進技術開発センター経由 森の里行
- 愛18:上愛甲経由 松蔭大学行
- 愛19:上愛甲経由 日産先進技術開発センター行
- 愛21:上愛甲・松蔭大学経由 日産先進技術開発センター行
- 南口のりば
- 愛30:東成瀬循環 東成瀬・リバティタウン伊勢原経由 愛甲石田駅南口行
- 愛31:歌川循環 見附島・歌川産業スクエア経由 愛甲石田駅南口行
隣の駅
- 小田急電鉄
- 小田原線
- ■快速急行・■急行・□通勤準急(平日朝上りのみ)・■準急(平日夜下りのみ)・■各駅停車
- 本厚木駅 (OH 34) - 愛甲石田駅 (OH 35) - 伊勢原駅 (OH 36)
脚注
注釈
- ^ 当時は宮前停留所近くに立地、後に駅から国道246号を厚木方面に少し向かった場所に移転。
出典
- 小田急電鉄の1日平均利用客数
- 小田急電鉄の統計データ
- 神奈川県県勢要覧
参考文献
- 『首都圏沿線ガイド1 小田急線各駅停車』(椿書院・1973年)書籍コード:0026-710192-4820
- 『日本の私鉄5 小田急』(保育社・1985年重版)ISBN 4586505303
- 『小田急 車両と駅の60年』(大正出版・吉川文夫編著・1987年6月1日初版)0025-301310-4487
関連項目
ウィキメディア・コモンズには、
愛甲石田駅に関連するカテゴリがあります。
外部リンク