この項目では、国際的に大きな力を持つ国について説明しています。その他の用法については「大国 (曖昧さ回避) 」をご覧ください。
主に大国 とみなされる国
国際連合安全保障理事会 の常任理事国 である大国は多い。
北海道洞爺湖サミット (2008年 )での各国首脳。8つの国が国際問題を議論するため、非公式の世界政府などと批判される。
ヤルタ会談 (中央ソファー左からチャーチル ・ルーズベルト ・スターリン )。イギリス 、アメリカ合衆国 、ソ連 の三つの国によって第二次世界大戦 後の国際秩序が決められたため、冷戦 体制を「大国による世界分断」(「NHK「映像の世紀 」)と呼ぶことがある。
大国 (たいこく)とは、ある分野において国際的に大きな力を持つ国のことである。
概要
大国とは相対的なものであり、時代 、世紀 、国力 、歴史的経緯など多様な要素によって判断されるため、一概に決めることはできず、固定的なものではない。
大国の分類
冷戦下のアメリカ合衆国とソビエト連邦は大国を超える存在として超大国 と呼ばれていた。冷戦が終結しソビエト連邦の崩壊 の後は、アメリカが唯一の超大国とみなされ、2010年代以降は中華人民共和国 も第二の超大国に加わったとされる。
欧州連合 (EU) や独立国家共同体 (CIS) のような国家連合を国家ほどの一体性はないものの類する勢力とする考え方がある。
また、「地域大国 」という表現もある。これは「大国」が全世界的に影響力をもつのに対し、ある一定の地域内で大きな影響力を持つ国を指すものである。例としては、南アジア におけるインド 、東南アジア におけるインドネシア やベトナム 、南アメリカ におけるブラジル などが挙げられる。
さらに、その国のある特徴を指して「××大国」と表現されることがある。特に、福祉 、軍事 、経済 の分野で使用されることが多く「福祉大国 」や「軍事大国 」、「経済大国 」と表現される。他に「消費大国」や「資源大国」、「人口 大国 」(中国、インドなど)、「スポーツ大国 」(オリンピック などの国際大会で好成績の国)、「サッカー大国 」(FIFAワールドカップ での優勝やベスト8以上に進出している回数の多い国)などもある。
日本は第二次世界大戦で荒廃し、敗戦によって軍事力や国際的な政治力を喪失したため、大国の地位を追われた。しかし、その後の復興で「経済大国」として大きな影響力を持つようになったため、再び大国とみなされるようになった。
また、「文化大国 」という呼び方もある。どういう基準で大国と呼ばれるだけの巨大な影響力を持つか判断することは、議論が分かれるところであるが、基本的に世界の多くの国に文化的影響が認められるかどうかで判断される。
類似の表現として、周辺国に影響力のある国々を列強 と言うことがある。また、このような大国に至った過程、又は大国を目指す意思や政策を立国 と言う。
ミニ国家
対照的な定義として小国 (ミニ国家 )がある。ただし、小国、ミニ国家については「領土 面積」「人口」を基準としていることが多く、バチカン市国 やシンガポール のように国際的な影響力を持つミニ国家も存在する。
大国とみなされる国々
現在の大国間の相関図[ 1]
世界に占める大国のGDPと軍事費(2008年)
大国と呼ばれる現在の国々は、定義や研究者によって異なることがあるが、主要な研究機関[ 注釈 1] は以下の7カ国を大国 (Great Power) と位置づけている。[ 2]
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今後、
21世紀半ばには、アメリカ 、中国 、ロシア 、EU 、イギリス 、日本 、インド の7カ国・地域が大国になると予想されている。[ 9]
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超大国とみなされる国々
2010年代には、中国 の経済 ・軍事 ・技術 ・外交 ・ソフトパワ ーの影響力が増大し、世界の新興超大国とみなされるようになった。今後、 21世紀半ばには、アメリカ 、中国 の2カ国・超大国 になると予想されている[ 14] [ 15] [ 16] [ 17] 。
脚注
注釈
^ アメリカ合衆国の国家情報会議 (National Intelligence Council,略称:NIC)や戦略国際問題研究所 (Center for Strategic and International Studies, 略称:CSIS )、イギリスの国際戦略研究所 (International Institute for Strategic Studies,略称:IISS)、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所 (Stockholm International Peace Research Institute,略称:SIPRI)、インド防衛研究協会(Institute for Defence Studies and Analyses,略称:IDSA)、元外務省所管の日本国際問題研究所 (The Japan Institute of International Affairs,略称:JIIA)、防衛省所管の防衛研究所 (National Institute for Defense Studies,略称:NIDS)
出典
^ Current Alignment of Great and Middle Powers
^ CSIS - Democracy in U.S. Security Strategy
^ IISS - Sanctions as Grand Strategy
^ SIPRI - A Future Arms Control Agend
^ EUROPEAN SECURITY FORUM - WHAT PROSPECTS FOR NORMATIVE FOREIGN POLICY IN A MULTIPOLAR WORLD ?
^ IDSA - North Korea after Kim Jong-Ⅱ:Implications for East Asian Security
^ JIIA - 平成22年度外務省国際問題調査研究・提言事業 アジア太平洋における各種統合の長期的な展望と日本の外交
^ NIDS - 平成15年度防衛戦略研究会議報告と討議 「イラク戦争後の国連、同盟、有志連合」
^ Global Powers in the 21st Century」
^ NIC - Report of the National Intelligence Council’s 2020 Projec」
^ CSIR - Regions and Powers The Structure of International Security」
^ RISING POWER - the new global reality」
^ アメリカ合衆国国家情報会議 - NIC Global Trends 2030
^ Allison (2020年10月15日). “China Is Now the World's Largest Economy. We Shouldn't Be Shocked. ” (英語). National Interest . 2020年10月23日 閲覧。
^ GODFREE. “Should We Compete With China? Can We? ”. The Unz Review . 2020年5月6日 閲覧。
^ Asia (2019年8月4日). “Is China a Superpower Now? - Belt & Road News ” (英語). 2020年5月6日 閲覧。
^ GODFREE. “Does China Outspend US on Defense? ”. The Unz Review . 2020年5月6日 閲覧。
関連項目