多井 隆晴(おおい たかはる、1972年3月17日 - )は、日本の競技麻雀のプロ麻雀士。YouTuber[1]。東京都葛飾区出身[2]。RMU及びMリーグ・渋谷ABEMAS所属。RMUでは同団体の代表を務め、同団体最高ランクのSSS級ライセンスを保持している。多くのタイトルを獲得している他、トーク力を活かして様々な番組に出演している。キャッチフレーズは「最速最強[3]」「麻雀星人[4]」。
3人兄弟の末っ子として生まれた[1]。5歳の頃に麻雀を覚え、10歳の頃にはほぼ牌効率をマスターしていたと公言している[5]。小学校、中学校、高校と数学が得意だったため、高校卒業後は証券会社に入社した[1]。
20歳の時にプロ雀士の試合を見学して刺激を受けプロ入りを決意。1995年、23歳の時に日本プロ麻雀連盟のプロテストに合格し、第12期生でプロデビューした[1]。
プロ入りから2年ほど証券マンとして働きながらリーグ戦に参加していたが、バブル景気の終焉を目の当たりにし世の中の意識変化を感じ取ったことや、テレビで麻雀の対局を見られる時代が来ると予見し、その時代が来たらトップになってやるという思いから、26歳の時に証券会社を退社した[1]。
1997年に新人王となり、鳳凰リーグも順調に昇級し2003年に最上位のA1リーグ入り[1]。他のタイトル戦では準優勝が多く、「シルバーコレクター」と呼ばれた時期もあった[6]が、2002年日本オープン優勝、2005年王位獲得と着実に結果を残した[1]。
しかし2006年、A1リーガー、現役王位のまま、土田浩翔、阿部孝則、河野高志らとともに日本プロ麻雀連盟を退会[1]。RMU(リアル・マージャン・ユニット)の創設に携わり2007年から代表に就任[1]。
2015年11月10日、マカオで行われる世界麻雀選手権(WSOM)の「プロ日本代表決定戦」優勝(参加32選手)。
2016年3月10日に第1回日本シリーズ優勝。
2016年10月14日、第2回日本シリーズを連覇。
2016年11月第一回RTDマンスリーリーグ優勝。
2016年12月の麻雀最強戦では、この年圧倒的成績を残した多井の優勝が期待され、決勝卓に残ったものの惜しくも2位となった。
2017年3月、四神降臨2017王座決定戦で初優勝。
2020年4月2日、YouTubeチャンネル「たかちゃんねる」を開設[7]。
2020年には麻雀最強戦を制し、初の最強位の座に就く。優勝インタビューでは「昔お世話になった安藤満さんから『最強位だけは取りたいけど、俺がとれなかったら頼む』と言われていて、なんとか取りたいと思っていました」「今回がラストチャンスだと思っていた」と述べた[8]。
2018年に開かれたMリーグのドラフトで渋谷ABEMASに一巡目指名を受けた。
1年目(2018-19シーズン)ではレギュラーシーズンで終盤戦で4連勝と11連続連対を達成するなど、476.3ptで個人スコアで首位の栄えあるMリーグの初年度MVPとなり、チームのファイナルシリーズ進出の大きな原動力となった。
4年目となる2021-22シーズンでは4着回避率で個人賞を獲得、さらにスコア242.2を記録したことで、4年連続レギュラーシーズン+200オーバーの快挙を達成した。
2021-22シーズン中、足掛け6試合で78局無放銃のMリーグ記録を達成[9]。この間順位は2-2-2-1-3-2であった。
このようにレギュラーシーズンでは圧倒的かつ安定感ある成績を残す一方、ポストシーズンを鬼門としており、2018年ファイナルでは9回中4着4回。2020年ファイナルでは4連続3着からの4着と3着。2021年シーズンもセミファイナルからファイナルにかけて3連続4着を含む4着5回を記録し、渋谷ABEMASがMリーグ発足以来4年連続3位と優勝を果たせない一因となった。特に2020年ファイナルについては最終戦を含み5連投と極端な起用であったため、4着を取った時点で別の選手に任せるよう藤田晋監督に進言してもよかったかも、と後悔していた[10]。
2022-23シーズンは、レギュラーシーズンにて2着1回を挟んでの10連続逆連対を記録するなどの不調で、初のマイナススコア(▲91.6pt)を喫した。セミファイナルでもトップ2回、4着2回と不安定な成績だったが、ファイナルでは5回中トップ3回、4着無しと復活。ほぼ優勝が確定した状況で迎えた最終戦では盤石のゲームメイクでトップを獲り、渋谷ABEMASの悲願の初優勝を有終の美で飾った。表彰式では「ようやく優勝できました」「悪魔に魂を売ってでも、Mリーグの優勝だけは取りたいとずっと思っていた」「麻雀プロを続けてきて今が一番幸せです」と万感の思いで喜びを語り、チームメイトや藤田監督にも「(チームワークが)今年が最高の状態だった」「やっと藤田監督に恩返しができる」と感極まりつつ感謝を述べた[11]。
2024-25シーズンにて、9月27日の第2戦南2局1本場5巡目に待ちのリーチを掛け、直後に仲林圭(U-NEXT Pirates)から切られたでロンの発声と共に倒牌したが、多井は2巡目にを切っており、振聴リーチからの誤ロンによるチョンボとなった[12]。Mリーグでのチョンボは2022年1月3日以来3例目であった。