国鉄チム1形貨車(こくてつチム1がたかしゃ)は、かつて日本国有鉄道(国鉄)およびその前身である鉄道省等に在籍した15 t 積みの長物車である。
本形式と同様の経歴を持つチム50形、チム100形についても本項目で解説する。
チム1形
1943年(昭和18年)8月1日に北海道鉄道が戦時買収により国有化され、北海道鉄道に在籍していたチム350形15両がチム1形(チム350 - チム364→チム1 - チム15)と定められた。チム1形初代は1932年(昭和7年)に形式消滅しておりチム1形としては2代目にあたる。種車であるチム350形は1922年(大正11年)10月に日本車輌製造にて10両、1926年(大正15年)6月に東洋車輌にて5両がそれぞれ製作された車両である。種車時代より北海道にて材木輸送用に運用された。
車体塗色は黒一色、寸法関係は、全長は6,223 mm、全幅は2,311 mm、自重は6.8 t - 7.0 t である。
戦後の1950年(昭和25年)に「第二次貨車特別廃車」の対象形式に指定され、5月20日通達「車工第376号」により告示された。(当時の在籍車数は11両であった)同年に最後まで在籍した車両が廃車になり形式消滅した。
譲渡
1951年(昭和26年)10月25日に廃車となったチム1形3両(チム11,チム12,チム15)が北海道拓殖鉄道に譲渡され、チム310形(チム311,チム310,チム312)となった[1]。
チム50形
1944年(昭和19年)7月1日に胆振縦貫鉄道が戦時買収により国有化され、胆振縦貫鉄道に在籍していたチム1形2両がチム50形(チム1,チム2→チム50,チム51)と定められた。種車であるチム1形は1922年(昭和15年)10月に汽車製造東京支店にて製作された車両である。種車時代より北海道にて材木輸送用に運用された。
2両とも戦後まで在籍したが1950年(昭和25年)に「第二次貨車特別廃車」の対象形式に指定され、5月20日通達「車工第376号」により告示された。同年に廃車になり形式消滅した。
チム100形
1943年(昭和18年)8月1日に三信鉄道が戦時買収により国有化され、三信鉄道に在籍していた1両がチム100形(チム100)と定められた。積載荷重15 t車であるが二軸ボギー車である。
戦後まで在籍したが1950年(昭和25年)に「第二次貨車特別廃車」の対象形式に指定され、5月20日通達「車工第376号」により告示された。同年に廃車になり形式消滅した。
脚注
- ^ 『RAIL FAN No.677』p.14-16
参考文献
- 「貨車略図 明治四十四年 鉄道院」1990年、復刻 鉄道史資料保存会
- 貨車技術発達史編纂委員会『日本の貨車-技術発達史-』(初版)日本鉄道車輌工業会、2008年3月1日。
- JAPAN RAIL CLUB 『RAIL FAN No.677』 2009年1月
関連項目
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