吉田 ヒロ(よしだ ヒロ、1967年〈昭和42年〉8月4日 - )は、日本のお笑いタレント、喜劇俳優。吉本新喜劇元座長の座員。本名は吉田 弘典(よしだ ひろのり)。吉本興業所属。兵庫県神戸市出身。身長165 cm、血液型O型。
兵庫県神戸市出身。八代学院高等学校(現:神戸国際大学附属高等学校)を卒業。高校在学中の1983年にNSC2期生として入学[1]、高校に通いながらNSCに行っていた。1986年に岩瀬雄大と「ボブキャッツ」を結成しデビュー。心斎橋筋2丁目劇場を本拠地としてダウンタウンが司会を務めた4時ですよーだ(毎日放送)にもレギュラー出演。雄大とコンビ結成前は角孝人と「パイレーツ」、元どんきほ〜てのきびのだんごと「和田・吉田」というコンビ名で活動した経歴がある。
コンビ時代の漫才の内容は、雄大が突然客席に降りて両腕を振り回し「ウォー、リメンバー・パールハーバー!」と叫ぶなど、アナーキーかつエキセントリックなネタで他のコンビとは一線を画していた。コンビ時代はヒロよりもジミー大西に匹敵する天然ボケぶりを駆使していた雄大の方がクローズアップされることが多かったが、ある日雄大が酒に酔って階段の上から転落し前歯数本を折る大ケガをしたことがきっかけで雄大は芸能界を引退・廃業、同時にボブキャッツも解散することとなる。それ以前からヒロは解散をほのめかしていたが、雄大は続けたがっており、放送作家の高須光聖をまじえて3人で話し合った結果(なぜかその際雄大は根性焼きをしてヒロの気持ちを繋ぎ止めようとした)、解散の道をたどることとなる。その後、ヒロはダウンタウンの番組にてレギュラー出演することになった。一方、雄大は落語家への転向を目指したがあえなく挫折し、吉本興業との契約を解消され、芸能界を引退した。なお、2006年12月31日、ダウンタウンのガキの使いやあらへんで絶対に笑ってはいけない警察署の中での板尾巡査(板尾創路)葬儀の時にボブキャッツ雄大の札が立っていた。
コンビ解散後、芸名を「ヒロ」から「吉田ヒロ」に改名。1989年吉本新喜劇に入団。ぼんちおさむに弟子入りした(新喜劇入団後に師匠を持つのは同じ新喜劇の小米良啓太(師匠:大平シロー)の2人だけ。共にタイヘイ一門でもある)。ちなみに、ヒロは元々NSCに入る前におさむに弟子入り志願している。しかし、すでに住み込み弟子(ジミー大西)がいたため弟子にはなれなかったが、ヒロはずっとおさむを尊敬しており、おさむもヒロを弟子のようにかわいがっていた。ヒロの結婚式は法善寺横町でゲリラ的に行われたが、これをプロデュースしたのもおさむであり、現在は正式にヒロを弟子としている。
吉本新喜劇入団後もダウンタウンファミリーとして、ダウンタウンの番組に今田耕司、東野幸治、木村祐一、130Rらと共にレギュラーで出演する事が多く、そのメンバーの中でも中高生の女子から圧倒的な人気を得ていた。観覧収録番組においては、1人1人が何かを発表する際、ヒロの順番になると黄色い声援が飛び交い、アイドルのような存在となっていた。ダウンタウンが東京での活動を増やして行く中で、特番時期のフジテレビ「ダウンタウンのごっつええ感じ」に上記のダウンタウンファミリーを総出演させる形で今田らと共に東京に進出し新喜劇から一旦卒業。一発ギャグ(詳しくは後述)を披露する枠を用意されるなどしたが、今田らが若手芸人としてグングンと評価を上げて行く反面、大阪で絶大な人気を誇ったヒロのギャグは東京では理解されなかった。その事から東京のフジテレビのプロデューサーやスタッフに気に入られず、たびたび罵声を浴びせられ、コントの出演シーンを大幅にカットされた。また、ダウンタウンの意向でYOUの紹介扱いでテレフォンショッキングに出る調整をした際にもプロデューサーからやはり「10年早い」と発せられ却下された[2]。度重なるスタッフからの風当たりの悪さに嫌気をさして、当時のダウンタウングループを仕切っていた大崎洋へ大阪に戻る旨を伝えた。そのときに大崎からは次のクールから東京でのレギュラーが何本か決定してると伝えられたが、本人の強い意向により全て蹴って東京からの撤退。その後は大阪に戻りダウンタウン関連で大阪収録の番組や24時間テレビに出演する。松本人志はヒロが大阪に戻った後「ダウンタウン汁」(TBSテレビ)内のトークで、「私はオスカー・シンドラーのように新喜劇から若い連中を引っ張ってあげた。けど吉田ヒロは自分から戻ってしまった」と語っていた。
「ごっつ」降板後も1993年4月に奥田民生プロデュースでCDデビュー、同月にニューヨーク撮影による単独ビデオの発売、アイドル雑誌でのインタビュー掲載など幅広い活動を見せ、1994年にはフジテレビ 「ラスタとんねるず'94」内の『ジャイアント将棋』のプレーヤーとして登場し、ダウンタウンファミリーでありながらとんねるずの番組にも出演を果たす。
次第に活動のメインを吉本新喜劇に移し、内場勝則、辻本茂雄、石田靖の3人と共にニューリーダー就任の話が来るも、前述の「ラスタとんねるず'94」や「大阪ほんわかテレビ」などテレビの仕事があったため送られた。[3]『超!よしもと新喜劇』の放送期間中は内場、辻本が東京での収録のため不在、残った石田靖と交代で新喜劇の主役を担うようになるが、石田はテレビの仕事が多かったため、その結果1997年秋から数年の間はほとんど毎週ヒロがNGKの主役を演じていた。
1999年に正式に座長に就任、数多くの一発ギャグ(ボケ)を封印し、ツッコミ担当に転じる。大阪的な人情を描いた保守的ストーリーを演じる辻本(辻本の項参照)、劇団出身らしく小劇団なストーリーを演じる内場、暴力的なツッコミをかます石田ら3座長とストーリーを決める点であきらかに違う所は、なにがしか常に新喜劇では前衛的な、新しい試みを行っていたことがあげられる。「新喜劇40周年記念・ゲラゲラハッピィ」(データハウス発行)で、本人もほぼ同じ意味のことを言っている。
2007年4月16日の公演を以て、座長を卒業(退任)。座長出身のゲスト座員(どの座長のグループにも属さない分類)として、後進の育成と指導に当たる重鎮ポジションに昇格。「枠にとらわれるのではなく、もっとノビノビやってもらう」、「新喜劇以外(バラエティー番組やラジオなど)でもっと幅広く活動するため」と新聞やブログなどで発表した。ヒロ本人も毎日自身のホームページの掲示板への書き込みをチェックしており、「これからは、スーパー爆笑王として新喜劇を盛り上げていくので応援ヨロシク!」と今後の意気込みを書き込んでいる。
座長退任後は、再びボケ担当に回ることが多くなっている。また、数多くの一発ギャグ(ボケ)を披露する一方で、ツッコミ担当もこなす。役としてはヤクザ役が多い。
2008年1月15日から1月21日までのNGK新喜劇通常公演「まいど! 横山や!」(作・演出は檀上茂)では、退任以来約1年ぶりに座長を務めた(2008年2月9日に放送された)。2008年12月25日収録の新喜劇では刑事役で、長時間かみつづけてしまった。
2000個以上のギャグを持つといわれる[4]。
ボブキャッツ時代、そのぶっとんだギャグに注目していたダウンタウン松本が『MBSヤングタウン』で紹介したり、『夢で逢えたら』でヒロのネタをやったりしており、お笑い好きの間で少しずつ浸透しはじめていた。そして『朝まで働けダウンタウン・復活4時ですよーだ』において行われた「ヒロのギャグ100連発」において炸裂した100発で、一気に「1発ギャグのヒロ」として認知されるに至る。
いわゆるネタ振りがいらず、フレーズだけで笑いがとれるヒロのギャグは他の芸人にもパクられやすく、松本人志が使っていたほか、ナインティナインがよく岡村を指して「小さい(ちっさい)おっさん」というフレーズを使うが、これも発祥はヒロのギャグである。
座長になってからはあまり自分を出さなくなり、前述のようにツッコミ専門になっていたが、座長を退任後は再び持ち味を生かしたボケ役に回る。幼稚園児のような服装の探偵など、わけのわからない怪しい人物で、場の空気を完全に無視したオーバーアクションな一発ギャグによるスベリ芸(師匠・ぼんちおさむの影響)を演じている。またハスキーボイスのため早口でセリフを言うと理解できないしゃべりになる。
演じる役は後述されるキャラの他、白スーツのヤクザ、放蕩息子、売れないお笑い芸人(貴族風の衣装に猫耳)など。また一回きりしか演じないキャラクターもあるため、数えたらかなり多い。
酒井藍の場合は「きつねにちはって何?」と他の共演者に質問し、共演者がその意味を説明すると「なるほど!おっちゃんはおもろい事言おうとしてスベッたわけや」と馬鹿にし、ヒロが「じゃかましいわアホ!」と怒る。
※1…ヒロが歌ったあと、めだかにネタを振る。
ヒロ:「あ、ワン、ツー、スリー、フォー、ちっさいおっさーん、ちっさいおっさーん、ぜんまい仕掛けのちっさいおっさーん、ちっさいちっさいちっさいちっさいちっさいおっさーん、ハイ!」
めだか:「なんでっかー、なんでっかー、ちっさいおっさんここだっせーちっさいちっさいちっさいちっさいちっさいおっさーん 最近孫が気つきよったー。じいちゃんなんでちぃちゃいの? やかましいわ!」(他にも「二階におってもやっぱりちぃさい」や「竹馬乗ってもやっぱりちぃさい」、「子供のプールでおぼれてた」というパターンもある)
同じようなものに桑原和男に対して「変なおばさん」というギャグをしたこともある。
※2…「ちっさいおっさん」ネタに続いて、ヒロがめだかにネタを振る。また、めだかが独りでに歌い出す場合もある。
ヒロ:「あ、わかった、ミクロマンやろ!」(タカラから発売されていた玩具シリーズとは関係のない架空のキャラクター)
あるいは、
ヒロ:「ワン、ツー、スリー、フォー、ミクロマ〜ン、ミクロマ〜ン、ミクロの王様ミクロマ〜ン、ミクロ、ミクロ、ミクロ、ミクロ、どこから来たのか分からない〜、どこにいるのか分からない〜、ミクロ、ミクロ、ミクロ、ミクロ、お前は誰だ?!」
めだか:「ミークーローマーン、ミクロマーン、私の名前はミクロマン、宇宙の果てからやってきた、地球を滅ぼすためーにー。(幼児口調で)俺たちはミクロマンだ、ミクロの体は小さいから地球の奴らには見えないんだ、あっ、顕微鏡だ隠れろー、やかましいわ!」(歌詞は多少変わることも)
ヒロ:「長いわ!!」
•ヒロ「これだけは言うとくぞ!地球は丸いんや」
共演者「知ってるわ」
•枝毛〜枝毛〜枝毛じゃなくて触覚〜♪
•弁慶、牛若丸、ピッピッピ〜ピッピッピ〜五条の橋の上♪
•鼻血ブー、高木ブー
•けつの穴シリーズ
例「鍋鍋鍋〜鍋の蓋〜けつの穴〜♪」
「万国、万国、万国旗〜けつの穴〜♪」
「こうして、こうして、こうして、こうして、けつの穴〜♪」
•ははははん♪(シリーズ)
例
「まあるい、まあるい、ははははん♪」
「イタチのうーた、イタチのうーた、イタチのうーた、ははははん♪」
•歌の歌
「歌、歌、歌〜、歌歌、う〜たん」
<ボブキャッツ>
ダウンタウン (浜田雅功・松本人志)
今田耕司 - 東野幸治 - 130R (板尾創路・蔵野孝洋) - YOU - 篠原涼子 - 西端弥生 - 松雪泰子 - 伊藤美奈子 - 吉田ヒロ - 山田花子
福井謙二 - 川端健嗣 - 三宅正治 - 西山喜久恵 - 富永美樹 - 若杉茂樹
若本規夫 - 牧原俊幸
ダウンタウンのごっつええ感じのコント - きょうふのキョーちゃん - Mr. BATER - 世紀末戦隊ゴレンジャイ - エキセントリック少年ボウイオールスターズ
鹿内宏明 - 日枝久 - 佐藤義和 - 小須田和彦 - 大﨑洋
夢で逢えたら - 年忘れソバ喰ってもちスペシャル しっかりせなあかんて! - ダウンタウンのめっちゃめでたい新年会 - フジテレビ - 吉本興業