午後の紅茶(ごごのこうちゃ)は、キリンビバレッジ(発売当初は麒麟麦酒)が1986年から販売している紅茶飲料。午後ティーの愛称で親しまれている。現在は様々な種類がある。
麒麟麦酒は1984年、甘みが強い缶紅茶「ウィティ」を発売するが、売り上げは低迷する。これを踏まえ、甘さを控えた「午後の紅茶」を1986年10月13日に発売、その後キリンレモンや生茶などとともにキリンビバレッジを代表する主力商品となった[1]。
商品名である「午後の紅茶」は、イギリスの大貴族の第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセル夫人アンナ・マリア・ラッセルが始めたと伝わるイギリスの習慣「アフタヌーン・ティー」を直訳したものである。「日本にも紅茶の本場英国の習慣を根付かせたい」という願いから午後の紅茶のパッケージにはアンナ・マリア・ラッセルの姿が描かれている[2]。2000年から3年間は、ニアウォーターブームなどによって、売り上げが低迷したことで、アンナから天使の羽やバラの花に変更されていたが、後にアンナのパッケージに戻された。また、「午後の紅茶」というネーミングを考案したのは、当時の麒麟麦酒清涼飲料事業部の一女子社員である[要出典]。
紅茶は、冷めると白濁するため、ペットボトル容器は使われてこなかったが、キリンビバレッジの前身である麒麟麦酒清涼飲料事業部は、「クリアアイスティー製法」でこれを克服し、日本初の(1.5リットル)ペットボトル入りの「午後の紅茶 ストレートティ」を発売する[3]。1988年に缶入りとミルクティーを、1989年にはレモンティーを発売し、レギュラーシリーズ3種類が出揃った。
海外にも進出しており、2001年より順次中国語圏 (中国、台湾など)で「午後の紅茶/午后红茶」(日本語・中国語の並列表記)の商品名で販売されている[注釈 1]。更に2009年3月より「午後の紅茶 Tea Break」の商品名でタイでも販売を開始した。
2008年4月のリニューアルを機に、レギュラーシリーズ3種類の1.5Lペットボトルに「ペコロジーボトル」を採用。簡単に潰せる同ボトルの採用で、軽量化・省資源・分別回収促進など環境負荷の軽減を見込む。なお、2010年3月発売の「ストレートプラス」の1.5Lペットボトルにも同様に「ペコロジーボトル」を採用。2010年6月発売の「無糖プレーンティー」、2011年3月発売の「おいしい無糖」は「生茶」で採用されている2L用の「NEWペコロジーボトル」を採用している。
2016年1月には、ダイドードリンコ株式会社との間で自動販売機の相互製品販売に関する業務提携が締結され、その一環として、同年4月から「午後の紅茶」のミルクティーとレモンティーの各280mlペットボトルをダイドードリンコが管理運営する自動販売機でも販売を開始[4]。その後、同年秋の入れ替えによりホット製品の「あたたかいミルクティー」「あたたかいストレートティー」(各280ml入り)となり、2017年3月の入れ替えにより再度ミルクティーの280mlペットボトルを販売[5]。同年9月からは当日にリニューアルされたホット製品の「あたたかいミルクティー」「あたたかいレモンティー」(各280ml入り)に入れ替えられた(「あたたかいミルクティー」は半年ぶりに再投入、「あたたかいレモンティー」は初投入)[6]。これにより、ダイドードリンコが自社で販売していた紅茶ブランド「Ti-Ha(ティーハ)」が「午後の紅茶」へ統合され、販売を終了している。
2016年12月27日に、紅茶飲料カテゴリーでは史上初となる年間販売数量5,000万ケース突破を発表した[7]。
2017年には、「午後の紅茶」を他の飲料とブレンドするなどして提供する期間限定店舗「Milk.Black.Lemon.By GOGO NO KOCHA」を東京都渋谷区に開設。5月5日を「午後の紅茶の日」とした販促も展開している[8]。
茶葉はセイロンティーで、年間で約2,000トンをスリランカから輸入している。日本の紅茶葉輸入総量の50パーセントがスリランカからのもので、そのうち約24パーセントが「午後の紅茶」に使用される[9]。
発売当初からある製品群で、同社では主力商品として位置づけられている[10]。3アイテム共通で185g缶・250ml LLスリム紙パック・280mlペットボトル・500mlペットボトル・1.5Lペットボトルの5サイズを設定する。
2021年8月には、ストレートティーの250ml紙パックがリニューアルされ、使用する茶葉がスリランカ産100%となり、そのうちの90%以上が持続可能な農業認証制度であるレインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園の茶葉を使用していることから、「午後の紅茶」で初となるレインフォレスト・アライアンス認証マーク付となった[11]。
2023年6月にリニューアルされ、パッケージデザインの変更に加え、ミルクティーは中身も改良された[12]。同年9月には280ml温冷兼用ペットボトルもパッケージデザインを変更してリニューアルされた。
2001年より、レギュラーシリーズについては、寒候期にホット製品が設定されている。サイズラインナップは3アイテム共に400ml加温ペットボトル(2019年9月のリニューアル時に345ml加温ペットボトル(2019年5月製造終了)から内容量を増量)が設定される。なお、かつては280mlペットボトルも設定されていたが、ストレートティーとレモンティーは2021年9月に、ミルクティーも2022年9月に既存の280mlペットボトルを温冷兼用に切り替えたことにより、400mlのみの設定となった。2023年4月をもって全製品の出荷を終了したが、2023年9月にパッケージデザインの変更を行うリニューアルを行った上で出荷・発売を再開した。
(容量は特に記載がない場合、ペットボトルのもの)
かつては製造・販売について小岩井乳業に委託(販売者の名義はキリンビバレッジ)していた。2011年頃からは江崎グリコに販売委託している[14][15]。なお、沖縄県では発売されていなかった。また、2008年9月以降に発売された商品(かつて展開していたT-BOXシリーズも含む)には、パック上部に「ストローぐち」が付いている。
主な製品
キリンラガービール - キリンクラシックラガー - キリン生ビール(→キリンファインドラフト→キリンドラフト)(終売) - キリンライトビール(終売) - キリンドライ(終売) - キリンファインモルト(終売) - キリンモルトドライ(終売) - キリンファインピルスナー(終売) - キリンマインブロイ(終売) - キリン一番搾り - キリン秋味(秋季限定) - 冬麒麟☆(終売) - キリンできたて出荷(終売) - ハートランドビール - 麒麟淡麗〈生〉☆ - キリン極生☆(終売) - のどごし★ - 本麒麟★ - バドワイザー(終売) - ハイネケン - ギネス - キリンフリー◆(終売) - キリンパーフェクトフリー◆ - キリン休む日のAlc.0.00%◆(終売) - キリンゼロイチ◆ - キリンカラダFREE◆ - スプリングバレー◎ - キリングリーンズフリー◆ - キリンビール 晴れ風
ロバートブラウン - ダンバー(終売) - エンブレム(終売) - クレセント(終売) - NEWS(終売) - ボストンクラブ(終売) - サタデー(終売) - Hips(終売) - テンディスティラリー(終売) - 富士 - 富士山麓 - 陸 - オークマスター(終売) - オーシャンラッキーゴールド - ジョニー・ウォーカー(輸入ウイスキー、一部商品のみ担当) - フォア・ローゼズ(輸入ウイスキー) - ホワイトホース(輸入ウイスキー) - I.W.ハーパー(終売・輸入ウイスキー) - ロイヤルロッホナガー(終売・輸入ウイスキー) - クラクンローヤル(終売・輸入ウイスキー) - ザ・シングルトン(終売・輸入ウイスキー) - タンカレー(終売・輸入ジン) - ギルビー(終売・輸入ジン/ウォッカ) - ニコライ・ウォッカ(終売・輸入ウォッカ) - スミノフ(輸入ウォッカ) - キャプテン・モルガン(終売・輸入ラム酒)
氷結 - キリン本搾り - キリンビターズ - キリン世界のハイボール(終売) - ホワイトホース 缶ハイボール
生茶 - 午後の紅茶 - ファイア - アミノサプリ(終売) - サプリ - キリンレモン - 力水 - トロピカーナ - 世界のKitchenから - スープストックトーキョー
晴れと水 - ボルヴィック(終売)
関連企業(事業子会社の関連企業を含む)
キリン (麒麟麦酒 - メルシャン - キリンビバレッジ - キリンディスティラリー - キリングループロジスティクス) - Lion Pty Ltd - フォア・ローゼズ
協和キリン - 協和発酵バイオ
小岩井乳業 - 横浜赤レンガ - キリンシティ
文化・スポーツ活動・その他イベント
メルシャン軽井沢美術館 - キリンダンスサポート - キリン福祉財団
キリンカップサッカー - キリンチャレンジカップ - キリンオープンゴルフ(廃止)
JAPAN JAM
関連項目
キリンビール広島工場 - キリンビアパーク名古屋 - キリンディスティラリー富士御殿場蒸溜所 - フォア・ローゼズ ローレンスバーグ蒸溜所
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