千年(ちとせ)は、愛知県名古屋市熱田区および港区の町名。現行行政地名は千年一丁目から千年三丁目と3つの小字(字裏畑・平畑・船方)[WEB 5][WEB 6]。住居表示は熱田区千年一丁目及び千年二丁目と港区千年二丁目及び千年三丁目が実施済み[WEB 5][WEB 7]。
地理
熱田区千年は区南東部に位置し、東は白鳥町・田中町・大瀬子町・南区明治、西は一番二丁目・南一番町、北は一番一丁目に接する。港区千年は区北東部に位置し、東は木場町、西は辰巳町・港明一丁目、南は作倉町に接する。
熱田区側は北から一・二丁目、港区側は二・三丁目で構成され、二丁目は両区にまたがる。町域の大半は町村制施行以前の旧千年村域で、堀川と国道154号で区切られた南北方向に長い町域となっている。かつての小字は区画整理によりほとんどが消滅し、堀川の河川用地に僅かに残るのみである[WEB 6][WEB 5]。交差点名や名古屋市立船方小学校などに名を残している「船方」は、もとは当地に存在した小字である。
字一覧
千年には小字が残る。千年とその前身である千年村の小字は以下の通り[WEB 6]。消滅した字については背景色 で示す。
字 |
字
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イノ割(いのわり) |
裏畑(うらはた)
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ニノ割(にのわり) |
ハノ割(はのわり)
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平畑(ひらはた) |
船方(ふなかた)
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ロノ割(ろのわり) |
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河川
歴史
北部は江戸前期に開発された船方新田(ふなかたしんでん)、南部は江戸後期に開発された熱田築地前新開(あつたつくじまえしんかい)を前身とする。船方新田は現在の千年一丁目(愛知時計電機の敷地内)に船奉行の横井作左衛門が船頭らを保護する目的で開発した新田である[注釈 1]。熱田築地前新開は1837年(天保8年)に藩地方勘定所が町人から資金を調達し船方新田の南東に開発した新田で、後に「作良新田」と改称された[WEB 8]。
町名の由来
愛知郡千年村の名に由来する。2つの新田の合併に際して村名を決める際、当地には鶴が生息していたことから、「鶴は千年、亀は万年」の「千年」からとったものとされる。
なお『熱田区誌』においては、この村名に関する逸話を天保年間(1830~1844年)のものとしているが、実際に千年村が成立したのは下記の通り1876年(明治9年)のことである[WEB 9]。
行政区画の変遷
- 1676年(延宝3年) - 船方新田が開発される。
- 1837年(天保8年) - 熱田築地前新開が開発される。
- 1861年(文久元年) - 熱田築地前新開を作倉新田と改称。
- 1876年(明治9年) - 作良新田と船方新田が合併し、千年村となる。
- 1889年(明治22年)10月1日 - 合併に伴い、宝田村大字千年となる。
- 1906年(明治39年)5月10日 - 宝田村が明徳村、寛政村と合併し、小碓村大字千年となる。
- 1907年(明治40年)7月16日 - 小碓村の一部が名古屋市に編入され、小碓村大字千年が名古屋市千年となる。
- 1908年(明治41年)4月1日 - 行政区新設に伴い、南区所属となる。
- 1937年(昭和12年)10月1日 - 行政区再編に伴い、字裏畑・平畑・船方が熱田区へ、字イノ割・ニノ割・ハノ割・ロノ割が港区へ編入。
- 1949年(昭和24年)7月1日 - 港区千年字ニノ割の全部が港陽町となる[WEB 10]。
- 1971年(昭和46年)2月10日 - 熱田区千年字裏畑のうち河川用地を除く全部が同区千年一丁目に、字平畑の一部が同区千年一丁目および二丁目・南一番町に、字船方の一部が同区千年一丁目および二丁目にそれぞれ編入される。
- 1973年(昭和48年)10月20日 - 港区千年字イノ割の一部が辰巳町・千年二丁目および三丁目に、字ハノ割の一部が同区港明一丁目・港楽一丁目および二丁目・港陽一丁目および二丁目・作倉町・千年三丁目に、字ロノ割の一部が港明一丁目・辰巳町・千年三丁目にそれぞれ編入される。
千年一丁目から三丁目
- 1971年(昭和46年)2月10日 - 熱田区千年(字裏畑・平畑[注釈 2]・船方)・熱田新田東組(字乙一ノ割)・一番町の各一部より同区千年一丁目が、熱田区千年(字平畑・船方)の一部より同区千年二丁目が成立。また港区熱田新田東組(字根走)の一部より、同区千年二丁目が成立。
- 1973年(昭和48年)10月20日 - 港区熱田新田東組(字根走)と港区千年(字イノ割)の各一部が同区千年二丁目に編入される。港区熱田新田東組(字根走)と港区千年(字イノ割・ハノ割・ロノ割)の各一部より同区千年三丁目が成立。
- 1976年(昭和51年)8月29日 - 熱田区一番町3丁目の一部を同区千年一丁目に編入。
年表
世帯数と人口
2018年(平成30年)12月1日現在の世帯数と人口は以下の通りである[WEB 1]。
区 |
丁目 |
世帯数 |
人口
|
熱田区
|
千年一丁目
|
614世帯
|
1,270人
|
千年二丁目
|
488世帯
|
1,137人
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熱田区 計
|
1,102世帯
|
2,407人
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港区
|
千年二丁目・三丁目
|
18世帯
|
40人
|
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千年 計
|
1,120世帯
|
2,447人
|
学区
市立小・中学校に通う場合、学校等は以下の通りとなる[WEB 19]。また、公立高等学校に通う場合の学区は以下の通りとなる[WEB 20]。なお、小・中学校は学校選択制度を導入しておらず、番毎で各学校に指定されている。
施設
交通
その他
日本郵便
脚注
注釈
- ^ 現在の船方小学校の学区にかつての船方新田の領域は含まれていない。
- ^ 千年一丁目に編入されたのは字平畑の内149-213のみ。
出典
WEB
書籍
参考文献
関連項目
外部リンク
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あ行 | |
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か行 | |
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さ行 | |
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た行 | |
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な行 | |
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は行 | |
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ま行 | |
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や行 | |
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ら行 | |
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註 |
- ☆ : 住居表示実施地区 ★ : 道路・河川・鉄道等用地のみ ■ : ウィキメディア・コモンズカテゴリ有
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旧町名 | |
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カテゴリ |
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区役所管内 |
(堀川以東) | |
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(中川運河・庄内川間) | |
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(中川運河・堀川間) | |
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南陽支所管内 | |
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旧市町村 | |
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註 |
- ☆ - 住居表示実施地区 / ★ - 道路・河川・鉄道等用地のみ / ■ - ウィキメディア・コモンズカテゴリ有
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旧町名 | |
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