動物駅長(どうぶつえきちょう)とは、鉄道会社などの公共交通機関における「駅」において、駅舎に住み着いた動物や、近隣住民、駅員のペット、近隣の動物園・水族館の展示動物などを、列車の見送り、出迎え、また、イベントや、集客および公共交通機関の利用促進のために任命する際の名誉称号、役職の一つ。
動物駅長の代表的なものとして、和歌山電鐵貴志川線貴志駅の猫駅長たまが知られている。たま駅長に会う事を目当てに、貴志川線に乗車してやってくる観光客も増加し、関連グッズの売り上げ、運賃収入などで駅長就任から一年間での経済効果は約11億円と試算されるなど、大いに人気者となった[1]。
動物駅長の元祖としては、たま駅長が就任した2007年1月5日よりも前の2002年6月から務めている、旧同和鉱業片上鉄道線吉ヶ原駅の駅長猫コトラがあげられる[2][3]。
観光資源に乏しく、利用者数も少ない盲腸線、ローカル線の名物として期待を集め、海外からも観光客を呼び寄せる手段として挙げられるが、一日駅長として任命するのではなく、長期間にわたって駅長を動物が務める場合、交通事故や脱走、寿命、病気などの不慮の要因で死亡する場合もあり、動物駅長頼みの観光振興はリスクを伴う場合がある。そのため、「2代目」を育成するなど、長期にわたって続けられる仕組みを採用するケースも現れている[3]。
動物駅長が各地でブームになっていることについて、早稲田大学社会科学総合学術院の野口智雄教授は「駅長は人間が就く、位の高いポスト。それを人間ではなく、偉さとは逆の愛らしい動物を任命することで意外性を高め、関心を引き付けている」と述べている[4]。
また、北海道鉄道資源研究会[1]の代表、永山茂は、「昔は野良猫が住み着くような駅舎もあり、皆でかわいがっていた。そんなノスタルジーが感じられ、ファンを引きつける」のではないかと語っている[4]。
動物駅長の中には、実際に鉄道会社や自治体により任命されたわけではなく、報道において「駅長」と紹介される場合もあるが、この項では掲載する。
英国では首相官邸ネズミ捕獲長のラリーが有名であるが、同様に鉄道駅でもネズミ捕獲長または顧客対応係として猫が勤務を行っていることがある。
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