株式会社マツダ映画社(マツダえいがしゃ)は、サイレント映画専門の日本の映画会社である。約1,000作品、6,000巻を超えるフィルム・アーカイヴを持つ[1]。
データ
会社概要
1952年(昭和27年)、活動弁士の松田春翠が設立した[1]。松田は、第二次世界大戦終了2年後の1947年(昭和22年)に復員し、サイレント映画の上映される場所での活動弁士としての活動の傍ら、散逸したフィルムの蒐集を始める[2]。翌年、父の名を襲名して二代目松田春翠となり、4年後には同社を設立した[2]。
1959年(昭和34年)、「無声映画鑑賞会」を設立、松田が初代会長に就任した[2]。以降、定期的な上映会を行い、機関紙『活狂』(かつきち)を発行している[3]。
1977年(昭和52年)にはオムニバス映画『噫活弁大写真』[4]、1979年(昭和54年)には監修・原作・脚本稲垣浩、監督山田達雄によるサイレントの劇映画『地獄の蟲』[5]、1980年(昭和55年)には、松田の演出によるドキュメンタリー映画『阪妻 - 阪東妻三郎の生涯』[6]を製作するほか、市川崑監督の『映画女優』(1987年)等に協力した[7]。⇒ #フィルモグラフィ
1987年(昭和62年)8月8日、初代社長二代目松田春翠が死去した[2]。
2001年(平成13年)から、無声映画鑑賞会が編集、アーバン・コネクションズが出版するサイレント映画に関する書籍を同社が監修している。⇒ #ビブリオグラフィ
2007年(平成19年)、同社の取締役で二代目松田春翠の子息・松田豊が相談役を務めるデジタル・ミームから、Talking Silentsシリーズとして、同社の所有する日本のサイレント映画のフィルムをDVD化し、リリースしている[8]。
フィルモグラフィ
日本映画データベースでの検索結果[9]。
ビブリオグラフィ
国立国会図書館蔵書[10]。
Talking Silents
Talking Silents(トーキング サイレンツ)は、日本のサイレント映画のシリーズである。マツダ映画社所有のフィルムをデジタル・ミームがリリースしている。以下リストは、DVD題と公開題が異なるものがある。
- 溝口健二監督作品 『瀧の白糸』『東京行進曲』
- 溝口健二監督作品 『折鶴お千』『唐人お吉』
- 『折鶴お千』 : 監督溝口健二、第一映画、1935年、収録90分 / 原版96分
- 『唐人お吉』 : 監督溝口健二、日活太秦撮影所、1930年、収録4分 / 原版130分
- 阪東妻三郎出演作品 『雄呂血』『逆流』
- 阪東妻三郎出演作品『鯉名の銀平 雪の渡り鳥』『小雀峠』
- 嵐寛寿郎出演作品『鞍馬天狗 前後篇』『鞍馬天狗 恐怖時代』
- 市川右太衛門出演作品『錦絵江戸姿 旗本と町奴』『怒苦呂』
- 大河内傳次郎出演作品『御誂治郎吉格子』『弥次喜多 尊王の巻・鳥羽伏見の巻』
- 斎藤寅次郎監督作品『子宝騒動』『明け行く空』
- マキノ正博監督作品『浪人街 第一話・第二話』『崇禅寺馬場』
- 牧野省三監督作品『実録忠臣蔵』『雷電』
- 『忠魂義烈 実録忠臣蔵』 : 監督牧野省三、マキノ・プロダクション、1928年、収録64分 / 原版約180分
- 『雷電』 : 監督牧野省三、マキノ・プロダクション、1928年、収録18分 / 原版55分
註
外部リンク