『マグマ大使』(マグマたいし)は、手塚治虫作の漫画作品、およびこれを原作にした特撮テレビ番組『マグマ大使』およびOVA。そして、これらの作品の主人公の名である。
マグマ大使とは、地球の創造主アースが、地球侵略を狙う「宇宙の帝王」ゴアとの戦いのために生んだ「ロケット人間」である。マグマ大使は、アースがマモル少年に与えた特殊な笛によって呼び出される。マモル少年たち正義の味方と、地球征服を企む宇宙の帝王ゴア、ゴアが差し向ける敵との戦いを描く。
少年月刊誌『少年画報』に1965年5月号から1967年8月号まで連載。特撮版とはストーリーは異なり、怪獣はほとんど登場せず、どんな人間にも変身できる人間モドキや一つ目の種族サイクロップスなどの等身大の怪人達と戦い続ける連続性の強いストーリーで宇宙の帝王ゴアもテレビ版以上に積極的な活躍を見せた。
主に人間モドキ編、ブラックガロン編、サイクロップス編の三つのエピソードで構成されているが手塚の過密スケジュールのため、連載後半は大半が別の人物による代筆となっている。この為、代筆部分を自分名義の作品とすることを手塚自身が容認できず、ブラックガロン編は加筆修正を加えて収録、1967年3月号〜8月号のサイクロップス編はほぼ丸々代筆な為単行本化されていない[注釈 1]。
1992年から1993年にかけて全13話で制作され、バンダイビジュアルよりVHS、LDが発売された。復活させられたゴアとマグマ(アース)との対決を主軸に描いているが、それを取り巻く周辺環境や過程(飛鳥父娘と祠に関わるオカルト要素、国家の謀略など)については大きな脚色が加えられている。
特に本編後半に差し掛かるまで村上厚、マモル父子の周辺を除いて可視状態のマグマは敵とみなされ、人間(国家)からもさまざまな攻撃を受ける(実は日本国家の中枢が秘密裏にゴア側と古くから取引を交わし、経済成長という利益を得ていたため)。
監督のうえだひでひとをはじめとするスタッフの大半は、1991年から1年間放映されたテレビアニメ版『三つ目がとおる』の制作終了後に続投する形で手がけている。
10周年の節目となる2002年6月25日には、パイオニアLDCより『手塚治虫アニメワールド』の一集としてDVD-BOXが発売されている[1]。
なお本作は非常にキャスティングの兼ね役が多いため、声優がクレジットで表記されない場合は割愛する。