『ブレードランナー ブラックアウト2022』(BLADE RUNNER: BLACK OUT 2022)は、2017年にインターネット配信された日米合作の短編SFアニメ。監督は渡辺信一郎。
概要
サイバーパンクの古典『ブレードランナー』の続編である『ブレードランナー 2049』が2017年10月27日に劇場公開されるのに先立ち、9月27日(日本では26日)よりYouTubeにてウェブ配信された15分の短編アニメーション作品。作品の時間軸上、旧作(2019年)から新作(2049年)までの30年間の出来事を描く前日譚として、『2036: ネクサス・ドーン』と『2048: ノーウェア・トゥ・ラン』と合わせて短編3部作として製作された[1]。
本作は旧作の物語から3年後の2022年を舞台とし、2体のレプリカントが引き起こした「ブラックアウト(大停電)」という事件を描いている[2]。「2049」作中では「ブラックアウト」は台詞のみで詳細は語られていないが[3]、この事件によって電子機器がダウンし、レプリカントの登録情報が消失してしまったことが「2049」の物語へとつながる[4]。旧作に続いて登場する捜査官ガフの声は、エドワード・ジェームズ・オルモス本人が演じている[3]。
製作は「2049」と同じくアルコン・エンターテインメント。アニメーション制作はCygamesの子会社、CygamesPicturesが担当する。脚本・監督は『カウボーイビバップ』や『アニマトリックス』(Kid's Story、A Detective Story)を手がけた渡辺信一郎。キャラクターデザイン・作画監督は『新機動戦記ガンダムW』」の村瀬修功、スピナーのデザインは『APPLESEED』の荒牧伸志、作画には寺田嘉一郎、沖浦啓之、大平晋也、橋本晋治、磯光雄ら日本の熟練アニメーターが参加している[2]。サウンドトラックはフライング・ロータスが製作。渡辺は作品の大まかなカットを行う際に、彼の音楽をプレースホルダーとして使っていた[5]。
なお、渡辺監督作のテレビアニメ『残響のテロル』でも「高高度核爆発のEMP攻撃による都市機能停止」という似たシチュエーションを描いているが、本作の場合はブレードランナー世界のタイムラインに設定されていたもので、監督自身が考えたわけではないとのことである[6]。ハリウッドの出資者からは「北朝鮮がミサイルを撃ってくると困る」という類のクレームがあったという[6]。
あらすじ
西暦2022年、多くの反逆を起こしたネクサス6型レプリカントは4年の寿命年限を迎え死滅した。それに代わってタイレル社は寿命年限のないネクサス8型の製造を開始した。一方、社会では人間至上主義運動が過熱し、登録データ上でレプリカントとみなされた者たちが相次いで襲われ、虐殺される事件が多発する。
戦闘用レプリカントのイギーと慰安用レプリカントのトリクシーは、登録データを消し去るためテロ活動を決行する。トリクシーを慕う人間の協力者レンが偽の暗号コードで核弾頭ミサイルを発射させ、高高度で爆発させる。その電磁パルスが電子機器を破壊し、ロサンゼルスの高層ビル群は停電の闇に覆われる。イギーとトリクシーはトレーラーを乗っ取り、バックアップシステムを破壊するためデータセンターを襲撃する。
このブラックアウト(大停電)事件の後、レプリカントの製造は禁止され、タイレル社は倒産。ウォレス社による新型レプリカント開発まで10年の空白が生まれた。
スタッフ
キャスト
カッコ内は英語版。
脚注
外部リンク
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小説 |
SF小説 |
長編 |
- 偶然世界(太陽クイズ)
- ジョーンズの世界
- いたずらの問題
- 宇宙の眼
- 宇宙の操り人形
- 時は乱れて
- 未来医師
- ヴァルカンの鉄鎚
- 高い城の男
- タイタンのゲーム・プレーヤー
- アルファ系衛星の氏族たち
- 火星のタイム・スリップ
- 最後から二番目の真実
- シミュラクラ
- ドクター・ブラッドマネー 博士の血の贖い
- パーマー・エルドリッチの三つの聖痕
- 去年を待ちながら
- ライズ民間警察機構 テレポートされざる者
- 空間亀裂
- 逆まわりの世界
- ザップ・ガン
- ガニメデ支配(レイ・ネルソンとの共作)
- アンドロイドは電気羊の夢を見るか?
- 銀河の壺直し
- ユービック
- 死の迷宮
- フロリクス8から来た友人
- あなたを合成します
- 流れよ我が涙、と警官は言った
- 怒りの神(ロジャー・ゼラズニイとの共作)
- スキャナー・ダークリー (暗闇のスキャナー)
- ヴァリス
- 聖なる侵入
- ユービック:スクリーンプレイ
- アルベマス
- ニックとグリマング
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短編集 |
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- ウォー・ベテラン
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- マイノリティ・リポート
- シビュラの目
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| The Best of Phillip K. Dick | |
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The Golden Man | |
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ディック短篇傑作選 |
- 1.アジャストメント
- 2.トータル・リコール
- 3.変数人間
- 4.変種第二号
- 5.小さな黒い箱
- 6.人間以前
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一般小説 |
- 市に虎声あらん
- 戦争が終わり、世界の終わりが始まった
- ティモシー・アーチャーの転生
- 小さな場所で大騒ぎ
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ノンフィクション |
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映像化作品 |
にせもの |
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アンドロイドは 電気羊の夢を見るか? |
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追憶売ります |
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マイノリティ・リポート (旧題:少数報告) |
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変種第二号 |
映画作品 |
- スクリーマーズ(1995年)
- スクリーマーズ:ザ・ハンティング(2009年)
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原作 その他 |
映画作品 | |
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ドラマ作品 |
- 高い城の男(2015年)
- Philip K. Dick's Electric Dreams(2016年)
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