『ブライト・モーメンツ』(Bright Moments)は、アメリカ合衆国のジャズ・ミュージシャン、ローランド・カークが1973年に録音、1974年にアトランティック・レコードから発表したライブ・アルバム。LP、CDともに2枚組となった。
背景
サンフランシスコのジャズ・クラブ、キーストン・コーナー(英語版)におけるライブ録音が収録された。プロデューサーのジョエル・ドーンはキーストン・コーナーのことを知らなかったが、カークから「そこで演奏するといつも『何か特別なことが起こる』」と説明されたという[3]。なお、本作のレコーディングに参加したトッド・バルカン(キーストン・コーナーのオーナー)は、1954年にバスの中でサクソフォーンを演奏していたカークに話しかけたのをきっかけに、カークの友人となった[4]。
「ペダル・アップ」のサクソフォーン・ソロでは、2本の楽器で違うメロディを同時に演奏する特殊奏法がフィーチャーされており、「サテン・ドール」や「エリーゼのために」のフレーズも挿入されている[5]。
反響・評価
『ビルボード』のジャズ・アルバム・チャートでは19位に達した[6]。スティーヴ・ヒューイはオールミュージックにおいて満点の5点を付け「カークのライブの体験をほぼ完璧に捉えたドキュメントで、彼が1970年代に発表したアルバムでは最も偉大」「大半の曲は長く(7分かそれ以上)、カークの多彩なスタイル(そして当然のことながら多彩な楽器)による豊富なアイディアのソロを明示している」と評している[7]。
収録曲
特記なき楽曲はローランド・カーク作。ディスク1の6.、ディスク2の1.及び5.は楽曲でなくMCである。
ディスク1
- イントロダクション - "Introduction" - 2:07
- ペダル・アップ - "Pedal Up" - 11:51
- ユール・ネヴァー・ゲット・トゥ・ヘヴン - "You'll Never Get to Heaven" (Burt Bacharach, Hal David) - 9:41
- クリケッティ・クラック - "Clickety Clack" - 2:33
- プレリュード・トゥ・ア・キス - "Prelude to a Kiss" (Duke Ellington, Irving Gordon, Irving Mills) - 5:03
- トーク(エレクトリック・ノーズ) - "Talk (Electric Nose)" - 2:35
- フライ・タウン・ノウズ・ブルース - "Fly Town Nose Blues" - 8:51
ディスク2
- トーク(ブライト・モーメンツ) - "Talk (Bright Moments)" - 3:31
- ブライト・モーメンツ・ソング - "Bright Moments Song" - 10:06
- デム・レッド・ビーンズ・アンド・ライス - "Dem Red Beans and Rice" - 7:06
- イフ・アイ・ラヴド・ユー - "If I Loved You" (Oscar Hammerstein II, Richard Rodgers) - 8:43
- トーク(ファッツ・ウォーラー) - "Talk (Fats Waller)" - 1:29
- ジターバグ・ワルツ - "Jitterbug Waltz" (Richard Maltby Jr., Fats Waller) - 7:02
- セカンド・ライン・ジャンプ - "Second Line Jump" - 1:30
参加ミュージシャン
脚注・出典
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スタジオ・アルバム | |
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ライヴ・アルバム | |
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サイドマンとしての参加作品 | |
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