ピックルスコーポレーション
株式会社ピックルスコーポレーションは、埼玉県所沢市にある野菜の漬物の製造販売を行う企業である。
本項では、持株会社である株式会社ピックルスホールディングスに関しても記述する。
概要
東海漬物の子会社として設立されたものの、漬物業界では東海漬物を上回るシェア1位となっている[6]。出荷先は創業当時から取引関係のあるセブン&アイ・ホールディングスグループが2021年2月期で28.7%を占めている[5]。『ご飯がススム』ブランドで知られる。
商品はキムチなどの漬物が主力だが、2012年に自社で発見した「ピーネ乳酸菌」を使用した甘酒や調味料も販売している。2020年10月、埼玉県飯能市に発酵食品のテーマパーク「OH!!! 発酵、健康、食の魔法!!!」を開業。2022年3月より野菜の生産や加工などの農業事業に参入した。
沿革
ご飯がススム
同社の主力ブランドであるキムチ。2009年10月1日、料理研究家の相田幸二とコラボレーションした「ご飯がススム こうちゃんのキムチ!!」[11](2022年現在の「ご飯がススム キムチ」の初代に数えられる[12])として発売開始[12][13]。
同社と相田のコラボレーションによるキムチの販売は、2008年9月に発売した「こうちゃんの!幸せキムチ」にさかのぼる[13][14]。しかし「こうちゃんの!幸せキムチ」は売り上げが伸び悩み、半年後にリニューアルするも計画値の50%ほどの売れ行きに留まった[13]。「ご飯がススム こうちゃんのキムチ!!」を発売するにあたって味の見直しを図り、相田のファンが多い若い主婦層にアピールすべく子供でも食べやすい甘みを強調したものとした[13]。
当初の反応こそ伸び悩んだが、ある得意先スーパーの特売での目覚ましい売れ行きがきっかけとなり、その後着実に特売を行う店舗が増えていった[13]。ご飯がススムシリーズは初年度に年間40億円を売り上げ、同社史上最大のヒット商品となった[13]。2010年9月に相田との契約が終了し、パッケージに掲載されているイラストを相田の似顔絵から5人家族をモチーフとしたオリジナルキャラクターに変更した[13]。過去にはピザーラ・カラムーチョ・ふっかちゃん・妖怪ウォッチ・ふなっしーとのコラボレーション商品も販売されたことがある[12]。歴代の商品については外部リンク[12]を参照。
一時期、「ご飯がススム」ブランドで浅漬けや惣菜を展開していたこともあるが、2015年のブランド再編に伴い浅漬けや惣菜を独立したブランドで展開することにし、「ご飯がススム」はキムチ専用のブランドとなった[15]。
また、他企業から「ご飯がススム」ブランドを使用したコラボレーション商品も販売されている[16]。
連結経営指標の推移
決算期 |
売上高 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
純資産額 (百万円) |
総資産額 (百万円)
|
2006年2月
|
16,563 |
205 |
△37 |
4,822 |
11,486
|
2007年2月
|
16,775 |
355 |
218 |
4,951 |
10,831
|
2008年2月
|
17,870 |
373 |
205 |
5,044 |
10,750
|
2009年2月
|
18,502 |
413 |
202 |
5,181 |
10,729
|
2010年2月
|
18,234 |
583 |
322 |
5,445 |
11,992
|
2011年2月
|
20,824 |
624 |
365 |
5,746 |
12,420
|
2012年2月
|
21,587 |
1,066 |
591 |
6,282 |
13,287
|
2013年2月
|
24,063 |
974 |
570 |
6,778 |
13,786
|
2014年2月
|
25,648 |
971 |
608 |
7,339 |
14,403
|
2015年2月
|
26,805 |
1,098 |
503 |
6,554 |
15,761
|
2016年2月
|
30,152 |
975 |
692 |
7,885 |
16,849
|
2017年2月
|
35,801 |
867 |
548 |
9,308 |
18,524
|
2018年2月
|
37,616 |
1,233 |
872 |
11,129 |
21,123
|
2019年2月
|
40,670 |
1,561 |
920 |
11,904 |
22,132
|
2020年2月
|
41,417 |
1,973 |
1,290 |
13,016 |
24,271
|
2021年2月
|
46,020 |
2,829 |
1,832 |
14,728 |
25,949
|
2022年2月
|
45,006 |
3,068 |
2,128 |
16,757 |
26,091
|
決算期 |
売上高 (百万円) |
経常利益 (百万円) |
当期純利益 (百万円) |
純資産額 (百万円) |
総資産額 (百万円)
|
2023年2月
|
41,052 |
1,650 |
1,138 |
17,404 |
26,308
|
2023年2月期から「収益認識に関する会計基準」適用している[3]。
東海漬物が所有する株式比率の推移
決算期 |
所有株式数 (千株) |
所有比率 (%)
|
2013年2月
|
3,178 |
49.67
|
2014年2月
|
2,976 |
46.53
|
2015年2月
|
1,276 |
19.95
|
2016年2月
|
1,276 |
19.95
|
2017年2月
|
1,276 |
19.95
|
2018年2月
|
1,276 |
19.95
|
2019年2月
|
1,276 |
19.95
|
2020年2月
|
976 |
15.27
|
2021年2月
|
976 |
15.20
|
2022年2月
|
1,953 |
15.19
|
2023年2月
|
1,953 |
15.52
|
2014年12月にピックルスコーポレーションによる公開買付けに東海漬物が応募し140万株減少した[8]。2020年2月25日には東海漬物が所有する株式の立会外分売が実施され30万株減少した[19]。2021年9月1日に普通株式1株につき2株の割合で株式分割した。
同業他社との比較
|
ピックルスコーポレーション[注釈 1] |
東海漬物[注釈 2] |
秋本食品[注釈 3] |
備後漬物[注釈 4]
|
売上(百万円)
|
46,020 |
22,100 |
15,200 |
19,100
|
純利益(百万円)
|
1,832 |
1,461 |
20 |
63
|
総資産(百万円)
|
25,949 |
27,481 |
6,252 |
1,888
|
従業員数(人)
|
418 |
897 |
402 |
692
|
事業所
子会社
- 株式会社ピックルスコーポレーション札幌(札幌市白石区米里1条3丁目5-10)
- 株式会社ピックルスコーポレーション関西(京都府乙訓郡大山崎町大山崎鏡田3-100)
- 株式会社ピックルスコーポレーション西日本(佐賀県三養基郡みやき町白壁243-1)
- 株式会社八幡屋(埼玉県所沢市東住吉7-8)
- 株式会社ピックルスファーム(埼玉県入間郡三芳町上富1031-1)
- 東洋食品株式会社(群馬県伊勢崎市長沼町2152-1)
- 株式会社フードレーベル(埼玉県所沢市東住吉7-8)
- 株式会社ピーネコーポレーション(埼玉県入間郡三芳町上富1031-1)
- 株式会社OH(埼玉県飯能市飯能1333)
- 株式会社手柄食品(兵庫県姫路市御国野町深志野431-1)[注釈 5]
関係会社
- 株式会社デイリー開発福島(福島県伊達郡桑折町伊達崎巻目79−1)
- 株式会社セキグチデイリー(群馬県館林市近藤町2899-35)
- 株式会社ピックルスコーポレーション長野(長野県塩尻市広丘吉田1710番地)
広報活動
提供番組
CM
- はなわ - CMキャラクター、2019年に「ご飯がススム キムチ 10周年」編に出演
- TRF - CMキャラクター
スポーツ
- 西武ドーム - 3塁側外野屋根部分に大型広告を掲示、ホームランボールが直撃するとピックルスからホームランを放った選手に賞金が贈られる
- さいたまブロンコス - ユニフォームの背中スポンサー
脚注
注釈
- ^ 2021年2月末現在。従業員数のみ2020年2月末現在。
- ^ 2020年8月末現在。
- ^ 売上と従業員数は、2019年3月現在[20]。純利益と総資産は、2020年3月現在[21]。
- ^ 売上と従業員数はグループ全体、2019年9月現在[22]。純利益と総資産は単独、2016年9月30日現在[23]。
- ^ 漬物業界37位だった手柄食品株式会社(2021年5月清算結了)より漬物製造・販売部門を2017年12月8日株式分割にて設立し、同日株式を買収[24]。
出典
外部リンク
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