『ノイチス・ド・ノルチ』(Noites do Norte)は、ブラジル人ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが2000年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
タイトル曲の歌詞は、19世紀の奴隷制廃止論者ジョアキン・ナブーコ(英語版)の著作に基づいている[3][4]。「5月13日」は、ブラジルで奴隷制が廃止された日をテーマとしている[4]。「ズンビ」はジョルジ・ベンが1974年に発表した曲のカヴァーで、日本盤には同曲のリミックス・ヴァージョンがボーナス・トラックとして追加された[4]。
「ミケランジェロ・アントニオーニ」はイタリアの映画監督ミケランジェロ・アントニオーニに捧げられたイタリア語詞の曲で[4]、ヴェローゾは本作リリースの翌年の2001年9月、アントニオーニの自宅で開催された昼食会に招待された[1]。また、同曲はアントニオーニがオムニバス映画『愛の神、エロス』(2004年公開)に提供した作品「エロスの誘惑〜危険な道筋」のサウンドトラックでも使用されている[5]。
反響・評価
母国ブラジルでは2001年にゴールド・ディスクの認定を受けた[6]。
Chris Nicksonはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「彼は60代になろうとしているのに、自分の流儀に凝り固まらず、今なお詩的にも音楽的にも境界線を崩している」と評している[3]。また、CDジャーナルのミニ・レビューでは「ロックとブラジル北部のブルースが混じりあった会心作」と評されている[2]。
収録曲
特記なき楽曲はカエターノ・ヴェローゾ作。
- ゼラ・ア・ヘーザ - "Zera a Reza" - 5:08
- ノイチス・ド・ノルチ - "Noites do Norte" (Caetano Veloso, Joaquim Nabuco) - 2:46
- 5月13日 - "13 de Maio" - 3:36
- ズンビ - "Zumbi" (Jorge Ben) - 4:56
- ロックン・ハウル - "Rock'n'Raul" - 5:16
- ミケランジェロ・アントニオーニ - "Michelangelo Antonioni" - 3:44
- カンチガ・ヂ・ボイ - "Cantiga de Boi" - 4:47
- コブラ・コラル - "Cobra Coral" (C. Veloso, Waly Salomão) - 4:15
- イア - "Ia" - 3:52
- 僕のリオ - "Meu Rio" - 4:32
- 美しき歌声 - "Sou Seu Sabiá" - 4:43
- 太陽嵐 - "Tempestades Solares" - 3:05
日本盤ボーナス・トラック
- ズンビ (REMIX) - "Zumbi (remix)" (J. Ben) - 4:32
カヴァー
アメリカのロック・ミュージシャン、ベックは2012年発売のトリビュート・アルバム『A Tribute to Caetano Veloso』に「ミケランジェロ・アントニオーニ」のカヴァーを提供した[7]。
脚注・出典
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スタジオ・アルバム | |
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ライヴ・アルバム |
- Ao Vivo (with ムタンチス)
- バーハ69 (with ジルベルト・ジル)
- Caetano e Chico - Juntos ao Vivo (with シコ・ブアルキ)
- Temporada de Verão - ao vivo na Bahia (with ガル・コスタ、ジルベルト・ジル)
- Doces Bárbaros (with ガル・コスタ、ジルベルト・ジル、マリア・ベターニア)
- Bicho Baile Show (with バンダ・ブラック・リオ)
- Maria Bethânia e Caetano Veloso ao Vivo (with マリア・ベターニア)
- トータルメンチ・ヂマイス
- Circuladô Vivo
- "粋な男"ライヴ〜カエターノ・ヴェローゾ・ライヴ・イン・リオ
- プレンダ・ミーニャ
- フェリーニへのオマージュ
- ノイチス・ド・ノルチ・ライヴ
- カント・ライヴ
- セー・ライヴ
- E a Música de Tom Jobim (with ロベルト・カルロス)
- MTV Ao Vivo – Caetano – Zii e Zie
- カエターノ・ヴェローゾ&マリア・ガドゥ
- Live at Carnegie Hall (with デヴィッド・バーン)
- アブラサッソ・ライヴ
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サウンドトラック | |
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コンピレーション・アルバム | |
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関連項目 | |
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