『セー』(cê)は、ブラジル人ミュージシャン、カエターノ・ヴェローゾが2006年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
アルバム・タイトルは、「あなた」という意味のポルトガル語「você」の短縮形である[4]。音楽的にはパンク・ロック、オルタナティヴ・ロックを取り入れた内容とみなされており[5]、本作でバックを務めた「バンダ・セー」(ペドロ・サー、ヒカルド・ヂアス・ゴメス、マルセル・リカード)は、その後『ジー・イ・ジー』、『アブラサッソ』といったスタジオ・アルバムにも全面参加した[6]。
Nate Chinenは『ニューヨーク・タイムズ』紙の記事において「歌詞の面では、『セー』の大部分は露骨に情欲的だ」と指摘しており[7]、中原仁は本作の日本盤CDのライナーノーツにおいて、友人を追悼した「ヴァリー・サロマォン」を別とすれば、多くの曲はヴェローゾの前妻に向けられた歌詞ではないかと推測している[4]。
反響・評価
ポルトガルのアルバム・チャートでは初登場5位のヒットとなり、5週連続でトップ30入り(うち3週トップ10入り)した[2]。アメリカでは、第8回ラテン・グラミー賞において最優秀シンガーソングライター・アルバム賞を受賞した[8]。
Philip Jandovskýはオールミュージックにおいて5点満点中3点を付け「楽しめる内容で、しっかり作り込まれており、品のあるアルバムだが、同時にカエターノの最上からはほど遠い」と評している[9]。また、『Sounds and Colours』の編集者ラス・スレイターは、本作をヴェローゾの作品の中でも特に「パンク色の強いアルバム」と位置付け「オリジナル曲の水準は、いつものカエターノの域に達していないが、バンドの新鮮さがそれを補っている」と評している[5]。
収録曲
全曲ともカエターノ・ヴェローゾ作。
- 別人 - "Outro" - 3:00
- 僕の涙 - "Minhas Lágrimas" - 5:09
- ロックス - "Rocks" - 3:36
- 都会の女神 - "Deusa Urbana" - 3:46
- ヴァリー・サロマォン - "Waly Salomão" - 3:24
- 僕は後悔しない - "Não Me Arrependo" - 4:08
- ハイブリッドのミューズ - "Musa Híbrida" - 4:21
- 憎悪 - "Odeio" - 5:58
- 男 - "Homem" - 4:46
- なぜ? - "Porquê?" - 3:53
- 夢 - "Um Sonho" - 3:23
- 英雄 - "O Herói" - 3:44
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
- ジョナス・サー - コーラス、ボーカル・アレンジ(on #12)[1]
脚注・出典
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スタジオ・アルバム | |
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ライヴ・アルバム |
- Ao Vivo (with ムタンチス)
- バーハ69 (with ジルベルト・ジル)
- Caetano e Chico - Juntos ao Vivo (with シコ・ブアルキ)
- Temporada de Verão - ao vivo na Bahia (with ガル・コスタ、ジルベルト・ジル)
- Doces Bárbaros (with ガル・コスタ、ジルベルト・ジル、マリア・ベターニア)
- Bicho Baile Show (with バンダ・ブラック・リオ)
- Maria Bethânia e Caetano Veloso ao Vivo (with マリア・ベターニア)
- トータルメンチ・ヂマイス
- Circuladô Vivo
- "粋な男"ライヴ〜カエターノ・ヴェローゾ・ライヴ・イン・リオ
- プレンダ・ミーニャ
- フェリーニへのオマージュ
- ノイチス・ド・ノルチ・ライヴ
- カント・ライヴ
- セー・ライヴ
- E a Música de Tom Jobim (with ロベルト・カルロス)
- MTV Ao Vivo – Caetano – Zii e Zie
- カエターノ・ヴェローゾ&マリア・ガドゥ
- Live at Carnegie Hall (with デヴィッド・バーン)
- アブラサッソ・ライヴ
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サウンドトラック | |
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コンピレーション・アルバム | |
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関連項目 | |
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