ゼン・アンド・ナウ (ザ・フーのアルバム)

『ゼン・アンド・ナウ』
ザ・フーコンピレーション・アルバム
リリース
録音 1964年-2004年
ジャンル ロック
時間
レーベル ポリドール・レコード
アメリカ合衆国の旗ゲフィン・レコード
ザ・フー アルバム 年表
Live at the Royal Albert Hall
(2003年)
ゼン・アンド・ナウ
(2004年)
エンドレス・ワイヤー
(2006年)
テンプレートを表示

ゼン・アンド・ナウ』(Then and Now)は、イングランドロックバンドであるザ・フーが2004年に発表したコンピレーション・アルバムである[1]

概要

経緯

ザ・フーの歴史は、1964年にピート・タウンゼント(ギター、ヴォーカル)、ロジャー・ダルトリー(リード・ヴォーカル)、ジョン・エントウィッスル(ベース・ギター、ヴォーカル)、キース・ムーン(ドラムス)の顔ぶれで始まった[注釈 1]。1978年にムーンが死去すると、彼等は元フェイセズケニー・ジョーンズを迎えて活動を続けたが、1983年に解散した[注釈 2]

1996年、タウンゼント、ダルトリー、エントウィッスルが再結集。彼等は6月29日にロンドンハイド・パークで開かれたプリンス・トラスト(Prince's Trust)の慈善コンサート"Master Of Music"に出演して、アルバム『四重人格』(1973年)を完全再演し[2]、引き続いて7月16日から22日まで、ニューヨークのマジソン・スクウェア・ガーデンで『四重人格』コンサートを計6回行なった[3]。さらに彼等は10月13日から12月11日までアメリカ、カナダ、イングランド、1997年4月から8月までヨーロッパ、アメリカ、カナダで『四重人格』ツアーを行なった[4]

1999年10月、タウンゼントら3人は、『四重人格』ツアーに参加したザック・スターキー[注釈 3](ドラムス)とジョン・バンドリック英語版[注釈 4](キーボード)をツアー・メンバーに迎えてザ・フーを再結成。彼等は29日にアメリカのインターネット企業であるピクセロン・コム社英語版ラスベガスMGMグランドで開いたiBASH '99[5]、30日と31日にはニール・ヤング夫妻が主催するブリッジ・スクール・ベネフィット英語版[6]に出演。11月にはシカゴのハウス・オブ・ブルース[7]、12月にはロンドン西部のシェパーズ・ブッシュシェパーズ・ブッシュ・エンパイア[8]で、それぞれ二回づつコンサートを開いた[9]。2000年は6月から10月までアメリカ・カナダ・ツアー[10]、10月から11月までイギリス・ツアーを行なった[11][12][注釈 5]。2001年10月20日には、アメリカ同時多発テロ事件の被害者の為にマジソン・スクウェア・ガーデンで開かれたザ・コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ英語版に出演した[13]

2002年6月、アメリカ・ツアーの開始直前にエントウィッスルが滞在先のラスベガスで急死。タウンゼントとダルトリーはピノ・パラディーノ[注釈 6](ベース・ギター)、サイモン・タウンゼント英語版[注釈 7](ギター、ヴォーカル)、スターキー、バンドリックと共にツアーを行なった[注釈 8]

2004年、彼等は18曲の既発表曲と2曲の新曲を収録した本作を発表。新曲の発表は、タウンゼントのソロ・アルバム『アイアン・マン』(1989年)に収録された「ディグ」以来、15年ぶりだった[注釈 9]

内容

既発表曲

全18曲の内訳は以下の通り。

※『ア・クイック・ワン』(1966年)と『イッツ・ハード』(1982年)の収録曲は含まれていない。

新曲

収録曲

作詞・作曲の記載がない曲はピート・タウンゼント作である。

Disc One
#タイトル作詞・作曲録音年月日及び場所・プロデュ―サー・オリジナル時間
1.アイ・キャント・エクスプレイン(I Can't Explain)」 
  • 1964年11月、パイ・スタジオ(Pye Studios)、ロンドン
  • シェル・タルミー英語版
  • シングル『アイ・キャント・エクスプレイン』A面(イギリスの旗1965年1月5日、アメリカ合衆国の旗1964年12月)
2.マイ・ジェネレイション(My Generation)」 
3.「キッズ・アー・オールライト(The Kids Are Alright)」(Single edit) 
4.恋のピンチ・ヒッター(Substitute)」 
  • 1966年2月、サウンド・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • シングル『恋のピンチ・ヒッター』A面(イギリスの旗1966年3月14日、アメリカ合衆国の旗1966年4月2日)
5.アイム・ア・ボーイ(I'm a Boy)」 
  • 1966年7月‐8月、IBC スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『アイム・ア・ボーイ』A面(イギリスの旗1966年8月26日、アメリカ合衆国の旗1966年12月)
6.ハッピー・ジャック(Happy Jack)」 
  • 1966年11月、リージェント・サウンド・スタジオとCBSスタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『ハッピー・ジャック』A面(イギリスの旗1966年12月6日、アメリカ合衆国の旗1967年3月18日)
7.恋のマジック・アイ(I Can See for Miles)」 
  • 1967年5月‐9月、CBSスタジオ、ロンドン; タレントマスターズ・スタジオ、ニューヨーク; ゴールド・スター・スタジオ、ロサンゼルス
  • キット・ランバート
  • アルバム『セル・アウト』((イギリスの旗1967年12月15日、アメリカ合衆国の旗1968月1月6日)
8.マジック・バス(Magic Bus)」 
  • 1968年5月、アドビジョン・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • シングル『マジック・バス』A面(イギリスの旗1968年10月11日、アメリカ合衆国の旗1968月7月27日)
9.ピンボールの魔術師(Pinball Wizard)」 
  • 1969年2月、モーガン・スタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • アルバム『トミー』(イギリスの旗1969年5月23日、アメリカ合衆国の旗1969月5月17日)
10.シー・ミー・フィール・ミー(See Me, Feel Me)」 
  • 1969年初頭、IBCスタジオ、ロンドン
  • キット・ランバート
  • アルバム『トミー
合計時間:
Disc Two
#タイトル作詞・作曲録音年月日及び場所・プロデュ―サー(アソシエイト・プロデューサー)・オリジナル時間
1.「サマータイム・ブルース(Summertime Blues)」(Live)Eddie Cochran, Jerry Capehart
  • 1970年2月14日、リーズ大学に設置されたパイ・スタジオ所有の移動式スタジオ
  • ザ・フー
  • アルバム『ライヴ・アット・リーズ』(イギリスの旗1970年5月、アメリカ合衆国の旗1970年5月)
2.ビハインド・ブルー・アイズ(Behind Blue Eyes)」 
  • 1971年5月‐6月、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー(グリン・ジョンズ)
  • アルバム『フーズ・ネクスト』(イギリスの旗1971年8月、アメリカ合衆国の旗1971年8月)
3.無法の世界(Won't Get Fooled Again)」 
  • 1971年4月‐5月、 ローリング・ストーンズの移動式スタジオ、バークシャー、スターグローヴス; オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー(グリン・ジョンズ)
  • アルバム『フーズ・ネクスト
4.5時15分(5:15)」 
  • 1973年6月、ザ・キッチン、バタシー
  • ザ・フー
  • アルバム『四重人格』(イギリスの旗1973年11月、アメリカ合衆国の旗1973年10月)
5.愛の支配(Love, Reign o'er Me)」(Single edit) 
  • 1973年6月、オリンピック・スタジオ、ロンドン
  • ザ・フー
  • アルバム『四重人格
6.スクイーズ・ボックス(Squeeze Box)」 
  • 1975年5月‐6月、シェパートン・スタジオに設置されたアイランド・スタジオ所有の移動式スタジオ
  • グリン・ジョンズ
  • アルバム『ザ・フー・バイ・ナンバーズ』(イギリスの旗1975年10月3日、アメリカ合衆国の旗1975年10月25日)
7.フー・アー・ユー(Who Are You)」(Single edit) 
  • 1977年10月‐12月、ランポート・スタジオ、ロンドン; イール・パイ・スタジオ、ゴーリング
  • グリン・ジョンズ
  • アルバム『フー・アー・ユー』(イギリスの旗1978年8月18日、アメリカ合衆国の旗1978年8月18日)
8.ユー・ベター・ユー・ベット(You Better You Bet)」 
9.「リアル・グッド・ルッキング・ボーイ(Real Good Looking Boy)」Pete Townshend, Luigi Creatore, Hugo E. Peretti, George David Weiss
  • 2003年–2004年、イール・パイ・スタジオ、ゴーリング
  • サイモン・タウンゼント
  • 本作
10.「オールド・レッド・ワイン(Old Red Wine)」 
  • 2004年、イール・パイ・スタジオ、ゴーリング
  • サイモン・タウンゼント
  • 本作
合計時間:

参加ミュージシャン

Disc One

Disc Two

  • Roger Daltrey - ヴォーカル
  • Pete Townshend - ギター、キーボード、ヴォーカル
  • John Entwistle - ベース・ギター、金管楽器、ヴォーカル (#1-8)
  • Keith Moon - ドラムス (#1-7)
  • Kenney Jones - ドラムス (#8)
  • Zak Starkey - ドラムス (#9, 10)
  • Greg Lake - ベース・ギター (#9)
  • Pino Palladino - ベース・ギター (#10)
  • John "Rabbit" Bundrick - キーボード (#8-10)
  • Simon Townshend - ギター、キーボード (#9)

脚注

注釈

  1. ^ タウンゼント、ダルトリー、エントウィッスル、ダグ・サンダム(ドラムス)からなるザ・ディトゥアーズが2月にザ・フーと改名。サンダムが去った後、数人の後任を経て4月にムーンが加入した。つまり厳密には、ザ・フーの歴史の最初の2か月間は、ムーンがいなかったことになる。
  2. ^ 彼等は1985年7月のライヴ・エイド、1988年2月の英国レコード産業協会(BPIアワード)の授賞式で一時的に再結成して数曲を演奏。1989年には、タウンゼント、ダルトリー、エントウィッスルが結集して、結成25周年を記念してThe Kids Are Alright Tourと銘打ったツアーをザ・フーの名義で行なった。
  3. ^ 1994年に行なわれたダルトリーのソロ・コンサート・ツアーに参加した。
  4. ^ 1977年にタウンゼントとロニー・レーンの共作アルバム『ラフ・ミックス』の製作に参加したのを皮切りに、ザ・フーとタウンゼントのレコーディングや様々なライブ活動に関与してきた。
  5. ^ ツアー最終日の11月27日には、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで、ダルトリーが支援するティーンエイジ・キャンサー・トラストの慈善コンサートに出演した。
  6. ^ 1993年にタウンゼントのソロ・ツアーに参加。
  7. ^ タウンゼントの実弟。
  8. ^ 正式メンバーはタウンゼントとダルトリーの二人。彼等はゲストを招いてアルバム『エンドレス・ワイアー』(2006年)とWho(2019年)を発表し、2023年現在に至るまで様々なツアー・メンバーを招いてコンサート活動を行なっている。
  9. ^ カヴァーを含めると、'Two Rooms: Celebrating the Songs of Elton John & Bernie Taupin'(1991年)に提供された「土曜の夜は僕の生きがい」以来、約13年ぶりのことだった。
  10. ^ 編集アルバムへの収録を除く。

出典

  1. ^ thewho.com”. 2023年10月23日閲覧。
  2. ^ McMichael & Lyons (2004), p. 284.
  3. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 284–285.
  4. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 285–290.
  5. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 291–292.
  6. ^ McMichael & Lyons (2004), p. 292.
  7. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 292–294.
  8. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 294–295.
  9. ^ thewho.com”. 2023年10月30日閲覧。
  10. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 296–300.
  11. ^ McMichael & Lyons (2004), pp. 300–301.
  12. ^ thewho.com”. 2023年10月30日閲覧。
  13. ^ McMichael & Lyons (2004), p. 301.
  14. ^ a b thewho.com”. 2023年11月11日閲覧。
  15. ^ Townshend (2012), p. 475.

引用文献

  • McMichael, Joe; Lyons, 'Irish' Jack (2004). The Who Concert File. London: Omnibus Press. ISBN 1-84449-009-2 
  • Townshend, Pete (2012). Who I Am. London: HarperCollins. ISBN 978-0-00-747916-0 

Strategi Solo vs Squad di Free Fire: Cara Menang Mudah!