スズキ・ロードレーサーでは、スズキ製ロードレーサーについて説明する。ロードレーサーとは、ロードレースに使用する競技用バイクのことである。
GSVシリーズ
GSV-R
GSV-R(ジーエスブイ - アール)は、水冷エンジン4ストロークV型4気筒エンジンを搭載したMotoGP用ワークスマシンのロードレーサーである。
Mシリーズ
M40
M40は、ロードスポーツスーパースポーツM40として発売された1963年型市販ロードレーサーである。公道を走るために必要な保安部品が装備された状態で販売される。モトクロッサーとしても使用される[1]。
1963年型M40の仕様(空冷2スト単気筒、50cc、5ps、15万円)
1963年型M40の仕様[1]
- エンジン - 空冷2ストローク単気筒
- ギヤボックス - 6段
- 車体
- 全長 - 1,705mm、全幅 - 660mm、全高 - 860mm
- ホイールベース - 1,290mm
- 車重 - 70kg
- タイヤサイズ - 前輪 2.00-18、後輪 2.25-18
- 始動方式 - キック
- 最高速度 - 90km/h
- 価格 - 15万円
RGシリーズ
RG500
スズキ・RG500(アールジーごひゃく)は、500ccワークスマシン及びそれを元にした市販ロードレーサーで、ワークスマシンは1974年に初参戦、市販ロードレーサーは1976年に輸出用として発売される。エンジンは、水冷2ストローク ロータリーディスクバルブ スクエア4気筒。
1976年のロードレース世界選手権500ccクラスにバリー・シーンがワークスマシンRG500で参戦して世界チャンピオンとなり[2]、スズキが初めて500ccクラスのタイトルを獲得する[3]。
市販ロードレーサーRG500の仕様
1979年型RG500の仕様(水冷2スト スクエア4気筒、500cc、110ps)
RGA500
RGB500
RGB500 (ワークスマシン)
RGB500(アールジービーごひゃく)は、水冷2ストローク スクエア4気筒500ccエンジンを搭載したワークスマシンのロードレーサーである。1982年型市販ロードレーサーRGB500のプロトタイプマシンである。
RGB500 (市販ロードレーサー)
RGB500(アールジービーごひゃく)は、水冷2ストローク スクエア4気筒500ccエンジンを搭載した市販ロードレーサーである。リアサスペンションはフルフローターサスに、ホイールはダイマグ・キャストホイールになる[5]。
1982年型RGB500の仕様(水冷2スト スクエア4気筒、500cc、115ps)
1984年型RGB500の仕様(水冷2スト スクエア4気筒、500cc、115ps)
RGΓ500
RGΓ500(アールジーガンマごひゃく)は、ワークスマシンの500ccロードレーサーである。エンジンは2ストローク ロータリーディスクバルブ スクエア4気筒[6]。
1982年型RGΓ500の仕様(水冷2スト スクエア4気筒、500cc)
RGVシリーズ
RGV250
RGV250(アールジーブイにひゃくごじゅう)は、水冷2ストロークV型2気筒250ccエンジンを搭載したワークスマシンのロードレーサーである。
RGV-Γ500
RGV-Γ500(アールジーヴイガンマごひゃく)は、水冷2ストロークV型4気筒500ccエンジンを搭載したワークスマシンのロードレーサーである。
RKシリーズ
RK65
RK65は、2気筒50ccエンジンを搭載したワークスマシンのロードレーサーである。パワーバンドは700回転で、16,000rpm以上を維持する必要がある[7]。
RK66
RK66は、水冷2気筒50ccエンジンを搭載したワークスマシンのロードレーサーである。1966年ロードレース世界選手権第12戦日本GP(富士スピードウェイ)50ccクラスでは、片山義美がRK66を駆り、優勝する[9]。
RMシリーズ
RM62
RMは、1962年型50ccワークスマシンのロードレーサーである[10]。エルンスト・デグナーのライディングによってイギリスGP/マン島TTで初勝利を挙げ、これを皮切りにエルンストは4連勝し、50ccクラス初の世界チャンピオンとなる[11]。
RM62の仕様(2スト単気筒、50cc、9馬力、8段)
RM63
RM63は、1963年型50ccワークスマシンのロードレーサーである[13]。
RM63の仕様(2スト単気筒、50cc、10馬力、9段)
RTシリーズ
RT60
RT60は、1960年型125ccワークスマシンのロードレーサーである[14]。
RT60の仕様(2スト2気筒、125cc、15馬力、6段)
RT61
RT61は、1961年型125ccワークスマシンのロードレーサーである[16]。
RT62
RT62は、1962年型125ccワークスマシンのロードレーサーである[12]。
RT62の仕様(2スト単気筒、125cc、22馬力)
RT63
RT63は、1963年型125ccワークスマシンのロードレーサーである[13]。
RT63の仕様(2スト直2、125cc、24馬力)
RVシリーズ
RV61
RV61は、1961年型250ccワークスマシンのロードレーサーである[16]。
RZシリーズ
RZ61
RZ61は、ワークスマシンのロードレーサーである[19]。
RZ63
RZ63は、1963年型250ccワークスマシンのロードレーサーである[20]。
RZ63の仕様(2スト・スクエア4気筒、250cc、50馬力)
Sシリーズ
S40
S40は、ロードスポーツスポーツ 125 S40として発売された1963年型市販ロードレーサーである。公道を走るために必要な保安部品が装備された状態で販売された[21]。
S40の仕様(空冷2スト単気筒、125cc、11.3ps)
S40の仕様[21]
- エンジン - 空冷2ストローク単気筒
- ギヤボックス - 6段
- 車体
- 全長 - 1,825mm、全幅 - 660mm、全高 - 935mm
- 車重 - 102kg
- タイヤサイズ - 前輪 2.50-18、後輪 2.75-18
- 始動方式 - キック
- 最高速度 - 120km/h
TRシリーズ
TR500
TR500(ティーアールごひゃく)は、ロードスポーツスズキ・ファイブT500を基にして開発された市販ロードレーサーである。タイタンTR500と呼ばれた。ロードスポーツT500のエンジンは世界GP用ワークスマシンのモトクロッサーの2ストローク単気筒250ccエンジンを直列2気筒化したもので、そのプロトタイプは47ps/6,500rpm、180km/hを記録した。T500はアメリカ・カリフォルニア州で開催された12時間耐久レースで1-2-3フィニッシュを為し遂げた[22]。
TR500の仕様(空冷2スト直列2気筒、500cc)
TR750
TR750(ティーアールななひゃくごじゅう)は、ロードスポーツ)GT750を改造したロードレーサーである[23]。1972年のデイトナのレースでは最高速度280km/hを叩き出し、以後、「スーパースポーツ」という呼称は高性能ロードスポーツを意味することになる[24]。
ヨシムラ
ヨシムラ・スズキGS1000
ヨシムラ・スズキGS1000(— ジーエスせん)は、コンストラクター ヨシムラが[25]1978年型ロードスポーツGS1000[26]を基に製作した1978年型ロードレーサーである。第1回鈴鹿8時間耐久ロードレースで、ウェス・クーリー/マイク・ボールドウィン組のライディングにより優勝する[25]。
ヨシムラ・スズキGS1000の仕様(空冷4スト直4、1000cc)
エンジンレイアウト
スクエア4気筒
直列2気筒エンジンを横置きにした並列2気筒エンジンはロードスポーツタイプのオートバイでは一般的であるが、スクエア4は、この並列2気筒エンジンを前後に2つ配置したようなエンジンである。前後のエンジンのクランクシャフトはギアトレーンで同調させている。吸気は、キャブレターをエンジンの左右に配置。排気は、前側2気筒は前方排気、後側2気筒は後方排気である[27]。
脚注
参考文献
- Cameron, Kevin (26 Feb 2009), The Grand Prix Motorcycle - The Official Technical History, J H Haynes & Co Ltd, ISBN 978-1844255283
- 大久保力『百年のマン島 - TTレースと日本人』(初版)三栄書房、2008年5月15日 第1刷発行。ISBN 978-4779604072。
- 『日本モーターサイクル史 1945→2007』八重洲出版、2007年7月30日 発行。ISBN 978-4861440717。
- 小関和夫『国産二輪車物語 - モーターサイクルのパイオニア達』(新訂版初版)三樹書房、2007年4月25日 発行。ISBN 978-4895224925。
- 『ジーニアス英和辞典』(第3版)大修館書店〈シャープ電子辞書 PW-9600 収録〉、2002年。
- 小川直紀『図解でわかる バイクのメカニズム』山海堂、2001年11月1日 第1刷発行、2003年5月8日 第3刷発行。ISBN 978-4381077486。
- Noyes, Dennis; Scott, Michael, eds. (October 1999), Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, Hazleton Pub Ltd, ISBN 978-1874557838
関連項目
外部リンク