ジャッカルの日 (映画)

ジャッカルの日
The Day of the Jackal
監督 フレッド・ジンネマン
脚本 ケネス・ロス
原作 フレデリック・フォーサイス
ジャッカルの日
製作 ジョン・ウォルフ
出演者 エドワード・フォックス
マイケル・ロンズデール
音楽 ジョルジュ・ドルリュー
撮影 ジャン・トゥルニエ
編集 ラルフ・ケンプレン
製作会社 ユニバーサル・ピクチャーズ
Warwick Film Productions Limited
Universal Productions France S.A.
配給 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 ユニバーサル・ピクチャーズ
世界の旗 CIC
公開
上映時間 143分
製作国 イギリスの旗 イギリス
フランスの旗 フランス
言語 英語
イタリア語
フランス語
興行収入 アメリカ合衆国の旗カナダの旗 $16,056,255[2]
配給収入 日本の旗 2億7200万円[3]
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ジャッカルの日』(ジャッカルのひ、The Day of the Jackal)は、1973年に公開されたイギリス・フランス映画。フレデリック・フォーサイス同名の小説を原作とする。監督はフレッド・ジンネマンシャルル・ド・ゴール暗殺計画を主軸とし、本作の冒頭では本作公開の3年前に亡くなったド・ゴールの記念碑ともなっているロレーヌ十字が映し出される。

概要

英国の映画プロデューサーのジョン・ウォルフとオーストリア出身の映画監督のフレッド・ジンネマンは、1971年に出版されたフレデリック・フォーサイスの『ジャッカルの日』か、ロナルド・ミラーの戯曲『Abelard and Heloise』のどちらかを映画化することを目論んだ[4]

『ジャッカルの日』に決まると、ユニバーサル・スタジオはジャッカル役にアメリカの大物俳優をキャスティングしたいと考えた。ロバート・レッドフォードジャック・ニコルソンはオーディションのためにヨーロッパに飛んだ。ユニバーサルはニコルソンを支持したが、ジンネマンはヨーロッパの俳優のみをキャスティングするという契約を会社側と取り付けた。デヴィッド・マッカラムイアン・リチャードソンマイケル・ヨークらが検討されたのち、最終的にエドワード・フォックスが選ばれた。デニス役はジャクリーン・ビセットがスケジュールの都合で辞退し、オルガ・ジョルジュ=ピコが演じることになった[5]

フランス、イギリス、イタリア、オーストリアのスタジオとロケ地で撮影された。フランス人プロデューサーのジュリアン・デローデの対応の手腕により、内務省内など、通常は映画製作者が立ち入りを拒否される場所での撮影が可能となった[6]

シャルル・ド・ゴールは1970年11月9日に亡くなっており、その2年後に撮影は行われた。にもかかわらず、ジンネマンによれば、パレードのシーンの撮影で何人かのパリ市民がド・ゴールを演じた俳優アドリアン・カイラ=ルグランを本物だと間違えたという。

1973年5月16日、アメリカ合衆国で公開。同年6月、イギリスで公開。同年9月14日、フランスで公開。同年9月15日、日本で公開[1]。パリを含むヨーロッパ各地でのロケ撮影が多用され、ドキュメンタリータッチな作風や特注狙撃銃などの演出により、原作の雰囲気が忠実に再現されている。ただし登場人物達のセリフはほとんどが英語となっている。

日本においては1973年洋画配給収入ランキングで9位を記録。また、『キネマ旬報』の1973年度ベストテンでは4位、『映画評論』の同年度ベストテンでは14位を記録した。

長身で物静かな容貌のフォックスが寡黙で鋭い眼差しの殺し屋「ジャッカル」を、また英仏のハーフでもあるロンズデールが、一見凡庸げながら粘り強くジャッカルを追い詰めてゆく老練なルベル警視をそれぞれ好演。本作はフォックスの出世作ともなった。

1997年リチャード・ギアブルース・ウィリス主演で『ジャッカル』としてリメイクされた。ただし、本作のケネス・ロスによる初期稿に基づいた脚色であり、物語の舞台もアメリカで時代背景も異なるなど、フォーサイスの原作とは無関係である。

あらすじ

キャスト

役名 俳優 日本語吹替
日本テレビ テレビ朝日 テレビ東京
ジャッカル エドワード・フォックス 山本圭 前田昌明 野沢那智
クロード・ルベル警視 マイケル・ロンズデール ハナ肇 高木均 稲垣隆史
モンペリエ男爵夫人 デルフィーヌ・セイリグ 水城蘭子 鈴木弘子
内務大臣 アラン・バデル 小林修 家弓家正
コルベール将軍 モーリス・デナム 北村弘一 大木民夫
ローラン大佐 ミシェル・オークレール 仁内建之 菅生隆之
ドニーズ オルガ・ジョルジュ=ピコ 平井道子 小谷野美智子 日野由利加
キャロン デレク・ジャコビ 森功至 田中亮一 牛山茂
トーマス警視 トニー・ブリットン 北原義郎 緑川稔 富田耕生
サンクレール バリー・インガム 清川元夢 北村弘一
ベルティエ刑事局長 ティモシー・ウェスト 村松康雄 加藤正之 池田勝
マリンソン ドナルド・シンデン 宮川洋一 小林清志 阪脩
連絡員バルミ フランソワ・ヴァロルブ 塚田正昭
ガンスミス シリル・キューザック 辻村真人 小山武宏
偽造屋 ロナルド・ピックアップ 津嘉山正種 城山堅
ロダン大佐 エリック・ポーター 杉田俊也 麦人
カッソン デニス・キャリー 大宮悌二 北川米彦 村松康雄
ルネ・モンクレール デヴィッド・スウィフト 雨森雅司 阪脩
連絡係 ニコラス・ヴォーゲル 野本礼三 玄田哲章 石波義人
尋問官 ヴァーノン・ドブチェフ 徳丸完
バスティアン=ティリー中佐フランス語版 ジャン・ソレル 池田勝
シャルル・ドゴール アドリアン・カイラ=ルグランフランス語版 セリフなし
チャールズ・カルスロップ エドワード・ハードウィック
(ノンクレジット)
ナレーション 伊藤惣一 小林清志 中江真司
その他 久保田民絵
石井敏郎
田原アルノ
巴菁子
岡本章子
青山穣
日本語版制作スタッフ
演出 左近允洋 小林守夫
翻訳 篠原慎[7] 平田勝茂
効果 リレーション
調整 高久孝雄
担当 植木明
制作 グロービジョン 東北新社
解説 水野晴郎 淀川長治 木村奈保子
初回放送 1977年4月13日
水曜ロードショー
21:00-23:24
1978年10月22日
日曜洋画劇場
21:00-22:54
1998年3月26日
木曜洋画劇場
21:02-23:24
正味 約126分 約93分 約115分

※2019年11月20日発売の「ユニバーサル 思い出の復刻版 ブルーレイ」には、3種類全ての日本語吹替が収録[8]

U-NEXTではテレビ東京版を配信しているが、吹き替えの存在しない箇所を日本テレビ版の音声で補完している。

スタッフ

受賞とノミネート

部門 候補者 結果
アカデミー賞 編集賞 ラルフ・ケンプレン ノミネート
英国アカデミー賞 作品賞 ジョン・ウォルフ ノミネート
監督賞 フレッド・ジンネマン ノミネート
脚色賞 ケネス・ロス ノミネート
編集賞 ラルフ・ケンプレン 受賞
音響賞 ニコラス・スティーヴェンソン
ボブ・アレン
ノミネート
助演男優賞 マイケル・ロンズデール ノミネート
助演女優賞 デルフィーヌ・セイリグ ノミネート
ゴールデングローブ賞 作品賞(ドラマ部門) ジョン・ウォルフ ノミネート
監督賞 フレッド・ジンネマン ノミネート
脚本賞 ケネス・ロス ノミネート

脚注

  1. ^ a b The Day of the Jackal - IMDb(英語)
  2. ^ The Day of the Jackal” (英語). The Numbers. 2013年12月31日閲覧。
  3. ^ 『キネマ旬報ベスト・テン85回全史 1924-2011』(キネマ旬報社、2012年)312頁
  4. ^ “Film of Abelard and Heloise”. The Times. (9 March 1971) 
  5. ^ The Day of the Jackal”. catalog.afi.com. 2021年12月7日閲覧。
  6. ^ Nixon, Rob. “The Day of the Jackal (1973)”. Turner Classic Movies. 16 March 2013閲覧。
  7. ^ 原作小説の日本語版の翻訳も担当。
  8. ^ ジャッカルの日 ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ”. 2019年9月23日閲覧。
  9. ^ ジャッカルの日 - 作品情報・映画レビュー -KINENOTE(キネノート)

関連項目

外部リンク