小林 守夫(こばやし もりお、1935年9月2日[1] ー )は日本の音響監督、演出家である。
経歴・人物
東京向島生まれ[2]。歌舞伎を見たことがきっかけで芝居に興味を持ち、日本大学芸術学部を卒業[3]。
1960年4月に東北社(現在の東北新社)へ入社。入社当初は小林曰く「翻訳者の集団」だったが、しばらくして海外作品の吹替版の制作をすることになり、1961年に連続ドラマ『ハイウェイ・パトロール』の演出を担当。これが演出デビュー作となる[2][4]。
以後、数々の洋画吹替の演出を担当。(アニメーションの音響監督も担当している。)近年は東京声優アカデミーで講師を務めるなど、後進の育成にも力を注いでいる。
吹替の創生期から活躍する大ベテランであり、同じ演出家で小林の助手を務めた経験のある小山悟は「大作をたくさん手掛けていた」と語っている[5]。また、小林清志や広川太一郎[6] が声優活動を行うきっかけを作った人物でもある。
大学の先輩だった小林清志とは「きよしさん、もりおくん」と呼び合う仲で、清志は「長いお付き合いをさせて貰った終生の戦友」と称している[3]。
インタビューで“ベストフィックス”を問われた際には、久米明のハンフリー・ボガート、野沢那智のアル・パチーノ、そして『ROOTS/ルーツ』でチキン・ジョージ役を担当した内海賢二を挙げている[7]。
今まで演出を手掛けた作品の中で最も思い入れが深い作品に『ゴッドファーザー』を挙げている。また『大脱走』も「手掛けられたことは、今でも私の誇りです」と語っている[4]。
主な演出作品
吹き替え
映画
ドラマ
アニメーション
脚注
- ^ 日本音声製作者連盟『日本音声製作者名鑑〈2004 vol.1〉』小学館、2004年、294頁。ISBN 4095263016。
- ^ a b 池田憲章 (2004-12). “東北新社とSFテレビの新時代”. SF Japan. https://kenshoikeda.blogspot.com/2018/03/136sf-37.html.
- ^ a b “レジェンド声優の鈴木瑞穂&小林清志、『ゴッドファーザー』吹き替え秘話明かす”. シネマトゥデイ. シネマトゥデイ. 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b “#17 演出家 小林守夫インタビュー”. 吹替の帝王. 20世紀フォックス. 2018年10月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年7月10日閲覧。
- ^ “007シリーズTV放送吹替ディレクターに聞く 〜小山悟インタビュー〜”. 2018年10月28日閲覧。
- ^ “声優名鑑 -広川太一郎”. 2018年10月28日閲覧。
- ^ 20世紀スタジオ ホーム エンターテイメント [@20thCenturyStHE] (2013年6月14日). "先日「吹替の帝王」サイトでインタビューさせていただいた演出家の小林守夫さん⋯". X(旧Twitter)より2023年10月21日閲覧。
関連項目