カルキオペー(古希: Χαλκιόπη, Khalkiópē)は、ギリシア神話に登場する女性である。長音を省略してカルキオペとも表記される。主に、
の3人が知られている。
アイエーテースの娘
このカルキオペーは、コルキスの王アイエーテースとオーケアニデスのエイデュイアの娘。メーデイア、アプシュルトスと兄弟。プリクソスの妻となり、アルゴス、キュティッソーロス、プロンテス(英語版)、メラース[1][2]、プレスボーンを生んだ[3][4][5]。
『アルゴナウティカ』によるとカルキオペーは亡き夫の祖国に帰ることを願う息子たちと、イアーソーンへの恋に悩むメーデイアの相談相手であった。カルキオペーの息子たちがアルゴナウタイを連れてコルキスに戻って来たとき、アイエーテースはカルキオペーの血から災いが起こると信じ込んで激しく怒った[6]。彼女の息子たちはメーデイアにアルゴナウタイの味方になってくれるよう説得するために彼らの母を頼ったので[7]、カルキオペーは彼らと一緒になって妙案がないか考えた[8]。しかし、メーデイアが国と恋の間で苦しんでいることを知ると、驚いて妹の相談相手となり、彼女に自分の息子たちを助けるという口実を与えて味方に引き入れた[9]。
系図
エウリュピュロスの娘
このカルキオペーは、コース島の王エウリュピュロスの娘。ヘーラクレースとの間にテッサロス(英語版)を生んだ[10]。
レークセーノールの娘
このカルキオペーは、レークセーノール[11](またはカルコードーン(英語版)[12][13])の娘。アテーナイ王アイゲウスの第2の妻であったが、最初の妻メータ―同様に子供が生まれなかった[11]。
脚注
- ^ ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』2巻1155行-1156行。
- ^ アポロドーロス、1巻9・1。
- ^ エピメニデース断片12(ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』2巻1122行への古註)。
- ^ パウサニアス、9巻34・8。
- ^ パウサニアス、9巻37・1。
- ^ ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻369行-370行。
- ^ ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻477行-483行。
- ^ ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻667行-668行。
- ^ ロードスのアポローニオス『アルゴナウティカ』3巻669行-741行。
- ^ アポロドーロス、2巻7・8。
- ^ a b アポロドーロス、3巻15・6。
- ^ アテナイオス『食卓の賢人たち』13・4。
- ^ エウリーピデース『メーディア』673行。
参考文献