アウトノエー(古希: Αὐτονόη, Autonoē)は、ギリシア神話の女性である。長母音を省略してアウトノエとも表記する。テーバイの王カドモスとハルモニアーの娘で、イーノー、セメレー、アガウエー、ポリュドーロス[1][2][3]、イリュリオスと兄弟[4]。アポローンの子アリスタイオスの妻となり、アクタイオーンを生んだ。
木星の第28衛星アウトノエのエポニムである。
神話
アウトノエーの子アクタイオーンはキタイローンで狩をしているときにアルテミスの水浴を目撃したために、アルテミスに自分の猟犬をけしかけられて食い殺された。さらにディオニューソスがテーバイにやってきたとき、ペンテウスがディオニューソスの信仰を拒んだために、気を狂わされてアガウエーやイーノーとともにペンテウスを八つ裂きにして殺した[5][6][7][8][9][10]。
アウトノエーはこうした不幸な出来事のために絶望してテーバイを去り、メガラのエリネイアに移住した。エリネイアにはアウトノエーの墓があったという[11]。
系図
その他のアウトノエー
脚注
- ^ ヘーシオドス『神統記』975行-978行。
- ^ アポロドーロス、3巻4・2。
- ^ ヒュギーヌス、179話。
- ^ アポロドーロス、3巻5・4。
- ^ エウリピデース『バッコスの信女』。
- ^ オウィディウス『変身物語』3巻。
- ^ アポロドーロス、3巻4・4。
- ^ ヒュギーヌス、180話。
- ^ ヒュギーヌス、181話。
- ^ ヒュギーヌス、184話。
- ^ パウサニアス、1巻44・5。
- ^ 『イーリアス』18巻。
- ^ ヘーシオドス『神統記』258行。
- ^ アポロドーロス、1巻2・7。
- ^ アポロドーロス、2巻1・5。
- ^ アポロドーロス、2巻7・8。
- ^ 『オデュッセイア』18巻。
参考文献