『アップ・オール・ナイト』(Up All Night)は、アメリカ合衆国のジャズ・ギタリスト、ジョン・スコフィールドが2003年に発表したスタジオ・アルバム。
背景
『ウーバージャム』(2002年)に参加したワーキング・バンドが引き続き起用されているが、ベーシストのジェシー・マーフィーは、本作収録曲の一部のソングライティングに貢献しているものの、2002年6月にスコフィールドのバンドを脱退した[4]。本作でスコフィールドと初共演を果たしたベーシストのアンディ・ヘスは、2001年にブラック・クロウズに加入し、2002年春からはガヴァメント・ミュール(英語版)のメンバーとしての活動も始めていた[5]。
「フィリオピエティ」は、ユセフ・ラティーフの曲「From Within」からのサンプリングが使用されており、作曲クレジットにもラティーフの名前が記載された[6]。「ホワッチャ・シー・イズ・ホワッチャ・ゲット」は、ドラマティックスが1971年にシングル・ヒットさせた曲のカヴァーである[2][4]。
反響・評価
アメリカでは『ビルボード』のコンテンポラリー・ジャズ・アルバム・チャートで8位を記録した[7]。
アレックス・ヘンダーソンはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け、アルバム全体に関して「『ウーバージャム』と同様、知性とファンキーさを両立させてみせたフュージョン作品」、「シカサリ」に関して「現代のナイジェリア音楽のフュージョン的解釈」と評している[2]。また、『CDジャーナル』のミニ・レビューでは「ファンクのグルーブとロックのマインドが脈打つバンド・サウンドはパワー全開」と評されている[1]。
収録曲
特記なき楽曲はジョン・スコフィールド作曲。
- フィリオピエティ - "Philiopiety" (John Scofield, Avi Bortnick, Andy Hess, Adam Deitch, Yusef Lateef) - 6:18
- ウォッチ・アウト・フォー・ポポ - "Watch Out for Po-Po" (J. Scofield, A. Bortnick, Jesse Murphy, A. Deitch) - 6:05
- クリーパー - "Creeper" - 7:28
- ホワッチャ・シー・イズ・ホワッチャ・ゲット - "Whatcha See Is Whatcha Get" (Tony Hester) - 5:53
- アイム・リスニング - "I'm Listening" (J. Scofield, A. Bortnick, J. Murphy, A. Deitch) - 2:57
- シカサリ - "Thikhathali" (J. Scofield, A. Bortnick, J. Murphy, A. Deitch) - 6:57
- フォア・オン・ザ・フロア - "Four on the Floor" - 6:04
- ライク・ザ・ムーン - "Like the Moon" - 6:38
- フリーキン・ディスコ - "Freakin' Disco" (J. Scofield, A. Bortnick, A. Hess, A. Deitch) - 8:20
- ボーン・イン・トラブルド・タイムズ - "Born in Troubled Times" - 5:05
- エヴリー・ナイト・イズ・レディス・ナイト - "Every Night Is Ladies Night" (J. Scofield, A. Deitch) - 5:16
参加ミュージシャン
アディショナル・ミュージシャン
- サムソン・オラワレ - パーカッション・サンプル(on #6)
- ホーン・セクション(on #1, #4, #6, #7, #8, #11)
脚注
|
---|
スタジオ・アルバム | |
---|
ライヴ・アルバム |
- ライヴ
- シノーラ
- アウト・ライク・ア・ナイト
- ピック・ヒッツ・ライヴ
- Scorched
- アンルート
- Saudades (トリオ・ビヨンド名義)
|
---|
コンピレーション・アルバム | |
---|
関連項目 | |
---|