『たぶらかし』は、安田依央による日本の小説。第23回小説すばる新人賞受賞作、受賞時のタイトルは同名で漢字表記(当て字)の「百狐狸斉放(たぶらかし)」。
概要
新婚夫婦の新婦役になりきって夫の親戚に挨拶回り・妊娠や出産の報告、息子の小学校受験の面接・その後の保護者会出席・父兄との付き合い、様々な人物の代役を務める役者の物語。
2012年4月から6月に、谷村美月主演でテレビドラマ化された。
登場人物
- 冬堂 マキ(とうどう マキ)
- ORコーポレーションの役者。39歳。社内では若手が少ないため、アラフォーながら、20代の役をこなす時もある。
- 34歳の時、役者では生活できず転職を考えていた時に、役者を募集していたORコーポレーションを知った。劇団を主宰していた時に、イスラエルの護身術を習っていた。
- 麻子(あさこ)
- マキの大学時代の友人。上昇志向が強い。
- 松平(まつだいら)
- ORコーポレーションの代表。普段は大阪弁を話す狸親父といった体だが、いざ演技を始めると部屋の空気が一変する。
- 本条 トメイ(ほんじょう トメイ)
- ORコーポレーションの創立メンバーの役者。年輩の女性。小ヶ田からかしずかれている。
- 水鳥 モンゾウ(みずとり モンゾウ)
- 都市伝説化している代役業に興味を持ち依頼者として接近した後、ORコーポレーションに入り、マキの付き人に志願する。
- 劇団時代のマキの演技に魅せられ、自身も役者の道へ進み、劇団を主宰する。
- 浅井 頼子(あさい よりこ)
- 新婚の女性。親戚への結婚の報告の挨拶回りの代役を依頼する。マキ曰わく「乾燥し過ぎたシシャモ」のような体躯。
- 南川 景子(みなみかわ けいこ)
- 会社社長。息子の小学校受験の際の面接での母親役を依頼する。夫は売れないイラストレーター。合格後は、入学式や保護者会への参加など学校行事全般での長期契約をする。
- 南川 隆久(みなみかわ たかひさ)
- 南川社長の息子。母を「お母さま」、マキを「ママ」と呼び分け、複雑な状況を受け入れつつも家庭内で寂しさを感じている。
- 小ヶ田 弘毅(おがた こうき)
- 人気の二枚目俳優。松平と知り合い。モンゾウは同じ大学の演劇サークルの後輩。華やかな世界で活躍しながらも、ORの仕事を羨ましく思っている。
テレビドラマ
『たぶらかし-代行女優業・マキ-』(たぶらかし だいこうじょゆうぎょう・マキ)のタイトルで読売テレビ製作・日本テレビ系列の木曜ミステリーシアターにて、2012年4月5日より6月28日まで放送された。谷村美月は本作が民放連続ドラマ初主演となる[1]。
キャッチコピーは、「今夜は、なにを演じてほしい?」
2013年2月2日よりCS専門チャンネル・チャンネルNECOにて再放送された。
キャスト
ORコーポレーション
- 冬堂 マキ - 谷村美月
- 所属していた劇団の解散により多額の借金を抱えてしまい、偶然ORコーポレーションの求人広告を見つけ、代行女優となる。劇団の借金をしていた南原からの依頼で藤田の娘・綾音を演じ、藤田の人質にされた娘・麻美の救出に成功した報酬として、彼女の借金は棒引きされた。
- 水鳥 モンゾウ - 山本耕史(少年期:佐々木稔生)
- 所属俳優。普段は舞台俳優をしている。小学6年の時、両親の離婚によって一家離散している。弟がいる。
- 松平 トキタダ - 段田安則
- ORコーポレーション社長。
- 藤 ミネコ - 白羽ゆり
- 松平の秘書。音楽大学出身。マキやモンゾウ同様、代行女優として演じることがある。毎回コスプレを取り入れるシーンもあった。ドラマオリジナルキャラクター。
ゲスト
- 第1話
- 白鳥 桜子(ゆりえの継母) - 宮崎美子
- 白鳥 博人(ゆりえの夫) - 忍成修吾
- 白鳥 ゆりえ(資産家・画家) - 内田慈
- ギャラリーのオーナー - 瀬々敬久
- 第2話
- 竹内 奈々 / 川上 美佳(バンブーネットコミュニケーションズ社長) - 三浦理恵子
- 平野 孝司(ギガソリューションズ社長) - 内田朝陽
- 加藤 宏明(ノワリー営業部部長) - 岸田真弥
- 沙織(バンブーネットコミュニケーションズ社員) - 肘井美佳
- 川崎(バンブーネットコミュニケーションズ社員) - 加藤啓
- 平石商店社長(バンブーネットコミュニケーションズの顧客) - 藤田秀世
- ウェブビジネス最前線インタビュアー - 田添菜穂子
- 第3話
- 第4話
- 白田 大輔(ORコーポレーション所属俳優) - 向井理[2]
- 石川 エリ(日芝電機営業部派遣社員・吾郎の妻) - 酒井美紀
- 石川 吾朗(石川ネジ経営者) - 野間口徹
- 菅原 伸幸(日芝電機営業部部長) - 近江谷太朗
- 金井 宏(石川ネジ支援者) - 山浦栄
- 金井 恵子(宏の妻) - 小貫加恵
- 第5話
- 久保 まり子(康平の婚約者) - 安藤聖
- 浅井 康平(まり子の恋人) - 少路勇介
- 浅井 昭夫(康平の父親) - 並樹史朗
- 浅井 富子(康平の母親) - 根岸季衣
- 山下(キャバクラ・CLUB JASMINEの客) - 山下敦弘
- 久保 勇太(まり子・康平の息子) - 阿河武來
- 写真館の主人 - 伊藤幸純
- CLUB JASMINEキャバクラ嬢 - 遠藤留奈
- 第6話
- 第7話
- 相原 沙耶香(フリーライター・幹生の恋人) - 三倉佳奈
- 山之内 満子(週刊ミセス編集長・幹生の同期) - 渡辺真起子
- 不破 幹生(沙耶香の恋人・満子の部下) - 石井正則
- 二塚 咲子(不破の交際相手) - 彩也子
- 幸恵(不破の交際相手) - 高田郁恵
- 週刊ミセス編集者 - 井上尚、伊藤俊輔
- 満子にぶつかった男 - 佐藤優
- 警官 - 高木健
- 第8話
- 中野 加奈(桜の葉総合病院院長・小児科医師) - 浅見れいな
- 一ノ瀬 悟(脳外科医師) - 田中幸太朗
- 溝口(会社員・一ノ瀬の友人) -岩瀬亮
- 高津(会社員・一ノ瀬の友人) - 金子岳憲
- 渡辺(桜の葉総合病院入院患者) - 外波山文明
- 綾香(桜の葉総合病院小児科患者) - 栗本有規
- 沙織(綾香の母親) - 竹中里美
- 裕太(桜の葉総合病院小児科患者) - 升水柚希
- トモコ(裕太の母親) - 山本裕子
- メグミ(合コンの参加者) - 尾崎ナナ
- 合コンの参加者 - 芽衣
- わかば銀行行員 - 中脇樹人
- 桜の葉総合病院小児科看護師 - 青山祥子
- 加奈の母親 - 渡辺杉枝
- 第9 - 10話
- 第11話
- 郷田 堅造(資産家) - 石倉三郎
- 郷田 裕造(堅造の息子・由紀江の兄) - 徳井優
- 上嶋 由紀江(堅造の娘・裕造の妹) - 大沢逸美
- 上嶋 由佳(由紀江の娘) - 宮地真緒
- 主婦(堅造にゴミの分別を注意される) - 真下有紀
- 米屋 - 長谷川茂
- 第12話
- 最終話
スタッフ
サブタイトル
話数 |
放送日 |
サブタイトル |
脚本 |
演出
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Vol.1 |
2012年4月05日 |
死者の代役 |
森下直 |
白川士
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Vol.2 |
2012年4月12日 |
顔のない女社長 |
西田直子 |
遠藤光貴
|
Vol.3 |
2012年4月19日 |
キツネの子守唄 |
森下直 |
白川士
|
Vol.4 |
2012年4月26日 |
浮気のヒミツ |
西田直子 |
遠藤光貴
|
Vol.5 |
2012年5月03日 |
女と男の間には |
森下直 |
三島有紀子
|
Vol.6 |
2012年5月10日 |
さよならノクターン
|
Vol.7 |
2012年5月17日 |
別れないオンナ |
ブラジリィー・アン・山田 |
白川士[3]
|
Vol.8 |
2012年5月24日 |
女医のホンネ |
西田直子
|
Vol.9 |
2012年5月31日 |
この子、誰の子? |
森下直 |
遠藤光貴
|
Vol.10 |
2012年6月07日 |
ボクが主役になった日
|
Vol.11 |
2012年6月14日 |
遺産相続バトル |
児玉頼子 |
白川士[3]
|
Vol.12 |
2012年6月21日 |
美容整形の悪魔 |
ブラジリィー・アン・山田 |
遠藤光貴
|
Vol.13 |
2012年6月28日 |
人質救出大作戦! |
森下直
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平均視聴率 3.3%[4](視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ)
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参考文献
脚注・出典
外部リンク
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第1回 - 第10回 | |
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第11回 - 第20回 | |
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第21回 - 第30回 | |
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第31回 - 第40回 |
- 第31回 増島拓哉 「闇夜の底で踊れ」
- 第32回 上畠菜緒 「しゃもぬまの島」、佐藤雫 「言の葉は、残りて」
- 第33回 鈴村ふみ 「櫓太鼓がきこえる」
- 第34回 永原皓 「コーリング・ユー」
- 第35回 青波杏 「楊花の歌」
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