Ґ, ґ は、キリル文字のひとつ。ラテン文字のGに相当する。ウクライナ語、ルシン語で使われる文字である。ロシア語などではこの音にГを用いるが、Гはウクライナ語、ルシン語では/h/を表すため、区別するためにこの文字を使用する。1933年まではベラルーシ語でも使用された。外来語を中心に使用される。
由来
ギリシア文字の Γ γ(ガンマ)の書体に由来する。14世紀から二重音字の「кг」で表記された(例:ґрунт → кгрунт)。後にラテン文字の「g」として記された。初めての「ґ」の表記はペレソープヌィツャ福音書(1561年)で見られる。公式なキリル文字としてメレーティイ・スモトルィーツィクィイによって古ウクライナ語の『文法書』(1616年)で登録された。
ウクライナにおいてはスターリン時代の1933年に廃止され Г に統合されたが、ソ連崩壊直前の1990年に復活した。そのため、Ґ はウクライナ独立の象徴ともされている[1]。
呼称
音素
アルファベット上の位置
符号位置
大文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
小文字 |
Unicode |
JIS X 0213 |
文字参照 |
備考
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Ґ
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U+0490
|
‐
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Ґ
Ґ
|
ґ
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U+0491
|
‐
|
ґ
ґ
|
|
参考文献
- (ウクライナ語) Сучасна українська мова / О. Д. Понаморів, В. В. Різун та ін.; За ред. О. Д. Понаморева. — 2-ге вид., перероб. — К.: Либідь, 2001.(O・ポノマリーウ編『現代ウクライナ語』第 2 版、キエフ、2001)