福田 靖(ふくだ やすし、1962年[1][2] - )は、日本の脚本家。株式会社CRG所属。山口県徳山市(現・周南市)出身[3]。
来歴
生い立ち
山口県立徳山高等学校を卒業後[2]、上京し明治学院大学文学部仏文学科に進学した。その後、大学を中退し[2]、劇団の主宰を経て[1]、脚本家としてデビューした[1]。
脚本家として
全国朝日放送と共同テレビジョンが製作した『BLACK OUT』にて、脚本家としてのデビューを果たす[1]。以降はテレビドラマの脚本を中心に活動しており、群像劇を多く手掛けている。
2002年、『ウエディングプランナー SWEETデリバリー』にて、初めて連続ドラマの脚本を単独で執筆した。また、2010年の大河ドラマに起用され、『龍馬伝』の脚本を手がけた。さらに、2018年の朝の連続テレビ小説に起用され、『まんぷく』の脚本を手がけた[4]。賞歴としては、ザテレビジョンドラマアカデミー賞の脚本賞などを受賞している。
また、落合正幸とともに執筆した『催眠』を皮切りに、映画の脚本も手掛けている。『ホワイトアウト』では脚本協力としてクレジットされ、『陰陽師』では夢枕獏、江良至とともに脚本を執筆した。2004年の『海猿 ウミザル』にて、初めて映画における単独での脚本執筆を果たす。
インターネットドラマの脚本も手掛けており、2017年から配信された『チェイス 第1章』では単独で脚本を執筆した[5]が、オリジナルのフィクション作品と称していた同作の内容が[6][7]、足利事件をはじめとする一連の幼女殺害事件を追った清水潔のノンフィクション作品に酷似していたことが発覚した[8][9][10][11][12][13][14]
[15][16][17][18]。台詞をはじめ数多くの類似点が見つかるとともに[8]、一連の幼女殺害事件の遺族らに全く取材せずに脚本を執筆していたことが明るみに出た[19]。その結果、被害者や遺族を蔑ろにしていると問題視され、同番組は最終話の配信を中止する事態に追い込まれた[20][21]。
人物
- 口述筆記
- 脚本づくりにあたっては、自ら手書きしたりタイピングしたりするのではなく、口述筆記するスタイルを採っている[1]。所属事務所の公式ウェブサイトによれば「登場人物の台詞や動きを“口頭”で表現し、それをアシスタントにタイプさせる」[22]としており「パソコン画面へ向き合う時間はそう長くない」[22]という。
- オリジナル作品の取材と脚本
- 日本では漫画などを原作とするテレビドラマが多数制作されているが、その風潮に疑問を感じており[23]、オリジナル作品の脚本執筆を重視している[23]。
- その理由として、原作が存在するドラマの場合、脚本執筆時の取材作業が軽減されるが[23]、安易にそれに頼るようになると脚本家の質が低下すると懸念しているためである[23]。漫画原作付きのドラマに対して「取材はすべて漫画家さんがやっているわけです。脚本家はそれをやらずに書けます。もちろんこれを否定するわけではありません」[23]としながらも「作品としては成功するかもしれませんけど、こればかりになったら、テーマは見つけられない、取材もできない、オリジナリティがないといった、レベルが低い脚本家ばかりになってしまうのではないか」[23]と指摘している。そのうえで「エンタテインメントでありながら、説教くさくない程度に社会に対する意義らしきものがある。そういうものを、取材してオリジナルで作っていきたい」[23]との抱負を語るなど、自ら取材して独自の脚本を執筆することに強い思い入れを持っているとしていた。一方で、脚本を手がけた『チェイス 第1章』では、一連の幼女殺害事件を取材した別のノンフィクション作品と内容が極めて似ており[8][9][10][11][12][13][14][15][16][17][18]、台詞に至るまで多数の類似点があるにもかかわらず[8]、オリジナルのフィクション作品だとして配信されていた[6][7]。さらに同作では、一連の幼女殺害事件の遺族らに対して全く取材せずに脚本を執筆していたことも明らかになっている[19]。
- 評価と受賞
- 2017年10月から同年12月まで放送された『先に生まれただけの僕』が評価され[24]、翌年1月9日の第10回コンフィデンスアワード・ドラマ賞審査会にて脚本賞を授与されることが決定した[24]。受賞に際して「僕はあまり賞には縁がないんです」[24]と述べたうえで、同作でのキャストとスタッフが一体となって努力してきた点に言及し「賞をもらってこんなに嬉しいと思ったことはありません」[24]とコメントしている。
略歴
賞歴
作品
テレビドラマ
※は共同脚本
インターネットドラマ
映画
著作
単著
共著、原作、など
脚注
外部リンク
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