ヒュペレーノール(古希: Ὺπερήνωρ, Hyperēnōr)は、ギリシア神話の人物。長母音を省略してヒュペレノルとも表記される。
ヒュペレーノール(Ὺπερήνωρ, Hyperēnōr)は、ギリシア神話の人物である。トローイアの老臣パントオスとプロンティスの子で[6]、プーリュダマース[7]、エウポルボスと兄弟[8]。トロイア戦争で戦った。
トローイア軍がギリシア軍の防壁を攻撃したとき、ヘーラーはアプロディーテーから帯を借り受け、ヒュプノスと共謀してゼウスを眠りに誘い、その隙にポセイドーンがギリシア軍を奮起させ、戦の流れを変えた[9]。このためトローイア軍は多くの将を失い、ヒュペレーノールもメネラーオスに脇腹を槍で刺されて死んだ[10]。その後パトロクロスが戦死した際、遺体を守って戦うメネラーオスに対して、兄弟のエウポルボスがヒュペレーノールの仇を討とうと挑んだが、逆に返り討ちにあった[11]。
脚注
- ^ アポロドーロス、2巻6・4。
- ^ パウサニアス、9巻5・3。
- ^ ヒュギーヌス、178話。
- ^ アポロドーロス、3巻10・1。
- ^ 中務哲郎訳注、p.340。
- ^ 『イーリアス』17巻33行-42行。
- ^ 『イーリアス』15巻522行。
- ^ 『イーリアス』17巻9行。
- ^ 『イーリアス』14巻153行-387行。
- ^ 『イーリアス』14巻516行。
- ^ 『イーリアス』17巻1行-60行。
参考文献