ゼロックスは、パロアルト研究所の成果の価値を見抜くことに失敗したとよく言われる。特に指摘されるのがGUIについてである。しかし、実際には製品化は行われており、Xerox Starを発売している。その後のシステム設計に多大な影響を与えたが、高価だったために約25,000台しか売れず、商業的には失敗した。ロバート・クリンジリーは『コンピュータ帝国の興亡』で、その時代に実現するのに必要なコスト、という観点から考えれば、商売に乗り出すその時期ではまだなかったのであって、失敗とするのは当たらない、としている。パロアルト研究所に勤めていた David Liddle らが Metaphor Computer Systems を創業し、Star のデスクトップ概念を拡張したワークステーションなどを開発し、後にIBMが同社を買収した。
Douglas K. Smith, Robert C. Alexander, Fumbling the Future: How Xerox Invented, Then Ignored, the First Personal Computer (William Morrow, New York, 1988) ISBN 1-58348-266-0
M. Mitchell Waldrop, The Dream Machine: J.C.R. Licklider and the Revolution That Made Computing Personal (Viking Penguin, New York, 2001) ISBN 0-670-89976-3
Howard Rheingold, Tools for Thought (MIT Press, 2000) ISBN 0-262-68115-3