「トム・トラバーツ・ブルース」[2](原題:Tom Traubert's Blues (Four Sheets to the Wind in Copenhagen))は、トム・ウェイツが1976年に発表したアルバム『スモール・チェンジ』の1曲目に収録された楽曲。
解説
1976年、ウェイツはデビュー以来初となるロンドン公演を行い、その頃にこの曲が作られた[3]。サビの部分では、オーストラリアのポピュラーソング「ワルチング・マチルダ」の一節が引用されているが、ウェイツはインタビューにおいて、「ワルチング・マチルダ」は放浪の旅のメタファーであるという旨の発言をしている[3]。ウェイツのピアノ弾き語りを中心とした演奏で、ストリングス・アレンジはジェリー・イェスターによる。
シングル・カットはされていないが[4]、ウェイツの代表曲とされることも多い。ウェイツの評伝『トム・ウェイツ 酔いどれ天使の唄』『トム・ウェイツ 素面の、酔いどれ天使』の著者であるパトリック・ハンフリーズは「多くのファンがもっともウェイツらしいと思う曲」「時代を越えた名曲」と評し[3]、トーマス・ワードはallmusic.comにおいて「疑いなくトム・ウェイツの最高傑作の一つ」と評した[5]。
「トム・トラバーツ・ブルース」は、1996年に映画『バスキア』のサウンドトラックで使用され[6]、また、日本ではテレビ・スペシャル・ドラマ『THE WAVE!』(2005年7月)[7]、連続テレビドラマ『不毛地帯』(2009年)のエンディング・テーマに使用された[8]。
カヴァー
ロッド・スチュワート・ヴァージョン
ロッド・スチュワートによるカヴァーは、1992年にシングルA面としてヨーロッパでリリースされた。このカヴァーを発案したのは、ワーナー・ブラザース・レコードの取締役であるロブ・ディッキンスで、スチュワートはディッキンスの演奏を聴いて、「この曲を録音しなければならない」と思ったという[9]。カップリング曲は、1991年のアルバム『ヴァガボンド・ハート』収録曲「ノー・ホールディング・バック」と、1989年のシングル・ヒット曲「ダウンタウン・トレイン」の2曲[1]。後者は、やはりトム・ウェイツのカヴァーである。なお、作者のトム・ウェイツは、後にロブ・ディッキンスに「誰にもカヴァーできない曲を書いたつもりだったんだけどな」と語っている[3]。
本シングルは全英チャートで6位に達し、5週間に渡ってトップ10にランク・インした[10]。「トム・トラバーツ・ブルース」は、1993年発売のコンピレーション・アルバム『リード・ヴォーカリスト』や、1996年発売のベスト・アルバム『ベスト・バラード・コレクション』にも収録された。
スチュワートは、1993年2月にMTVアンプラグドに出演した時もこの曲を歌い、その模様はライブ・アルバム『アンプラグド』(1993年)に収録された。
他のカヴァー
脚注
外部リンク
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コンピレーション・アルバム | |
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主な楽曲 | |
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関連項目 | |
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