座標 : 北緯59度10分14秒 東経17度38分26秒 / 北緯59.17056度 東経17.64056度 / 59.17056; 17.64056
スカニア製トラック (トレーラーヘッド)
スカニア製バス
1901年製 スカニアA1
スカニア (Scania Aktiebolag , Scania AB, Scania)は、スウェーデン の重工業 会社。トラック 、バス 、産業用ディーゼルエンジン を主力商品とする。フォルクスワーゲングループ の一員で、現在は同グループの商用車部門を担うトレイトン の子会社。
大型トラックの分野では、ダイムラー 、ボルボ に次ぐ世界第3位の生産台数[ 4] を誇り、また生産車両の95%は輸出 向け商品である点も大きな特徴である。
同社で使われている王冠をかぶったグリフィン のエンブレムは、創業地であるスウェーデン・マルメ の紋章 に由来する[ 5] 。現在の本社は、スウェーデンの北部セーデルテリエ に所在する。
歴史
1900年 :スウェーデン・マルメで、Maskinfabriks AB Scania という社名で創業した。
1902年:スカニア製トラックの第一号車を製作。
1911年 :スカニアは、1891年 に創業した乗用車・トラックメーカーのVABISと合併。スウェーデン初の国産バスを製造。
1921年:ストックホルム・エンスキルダ銀行 が資本参加。
1927年:生産拠点をセーデルテリエに集約してマルメの工場を閉鎖。
1939年:乗用車の生産から撤退。
第二次世界大戦 では、軍需工場として、自動車以外にM/41戦車 も生産していた。
終戦後の1948年に、ドイツのフォルクスワーゲン 製自動車のスウェーデン輸入代理店を務め、Svenska Volkswagen AB と言う名前で販売もしていた。2002年に代理店契約を終了、170万台以上を取り扱った。
1953年:アメリカのマック・トラックス との合弁企業を通じて路線バス「スカニア・C50メトロポール 」の生産を開始。
1957年:ブラジル・サンベルナルド・ド・カンポ での現地生産を開始。
1960年:スウェーデン軍にLA82を納入。
1963年:キャブオーバー トラック「スカニア・LB76 」の生産を開始。
1967年:セーデルマンランド県 カトリーネホルム にバス製造工場を設置。リアエンジンバス「スカニア・CR76 」の製造を開始。
1968年:西ドイツ (当時)に現地法人「スカニア・ドイチェラント」を設立。
1969年 以降はサーブ(SAAB) と合併、Saab-Scania AB という企業体を形成していた。1995年 にSAABと分離して現在の形となったが、現在でも企業ロゴの意匠の一部(青地に赤のグリフォン )に共通点が見られる。
1971年:低騒音路線バス「スカニア・CR111 」を発売。ロンドン市交通局 に1978年まで二階建てバス 用シャーシ 約160台を納入。
1972年:350 PSを発揮するV型8気筒 ・14 Lエンジン「DS14」を搭載したボンネットトラック「スカニア・LS140 」を発売。
1976年:アルゼンチンに工場を設立。
1984年:ノルウェー軍 の軍用トラック入札に参加し受注、1986年から1994年までの間に1,700台を納入。連節バス 「スカニア・CN112 A 」を販売。
1987年:セーデルテリエにテクニカルセンターを設置。
1991年:創立100周年を迎える。トラック「ストリームライン」を発表
1995年:「スカニア・4シリーズ (英語版 ) 」を発表、翌1996年の欧州最優秀国際トラック賞に選定される。
1996年:路線バス「スカニア・オムニシティ (英語版 ) 」を発表。
1999年:同じスウェーデンのトラックメーカーであるボルボ による買収話が持ち上がったが、これは北欧市場における寡占 化を懸念したEU によって承認されなかった。また、販売提携を結んでいた日野自動車 との資本提携案も持ち上がったことがあったが、実現には至らなかった。これは日野側の提携拒否であったとされている。
2000年:生産100万台を達成。
2002年:バス製造子会社「オムニ」を設立、カトリーネホルムのバス製造を移管。
2006年:4シリーズのマイナーチェンジを行い車型別にR.G.Pシリーズに改称。
2007年1月11日:フォルクスワーゲングループ 傘下のMAN (ドイツ)が、フォルクスワーゲンに対して敵対的買収 によりスカニアの経営権を取得し、スカニアとMANを合併させるよう提案をおこなっていたが、フォルクスワーゲンの取締役会で否決。フォルクスワーゲンからは両社が友好的に合併するよう働きかけていくと発表されていた。
2008年3月3日:フォルクスワーゲンがスカニアを子会社 化すると発表[ 6]
2014年5月21日:フォルクスワーゲンがスカニアの株式のTOB に成功して98.19 %の株式を手中に収めたと発表した[ 7]
2016年:全車型のフルモデルチェンジを21年ぶりに行い、新たにフラットフロアを採用した最上級グレードとなるSシリーズを追加。
2017年:Sシリーズが「インターナショナル・トラック・オブ・ザ・イヤー」を受賞
2018年:フォルクスワーゲングループの商用車部門(フォルクスワーゲントラック&バス)を「トレイトン ・グループ」に変更[ 8] 、スカニアはトレイトンの子会社となる。
2019年:R450が3年連続となるグリーントラック賞(ドイツの比較燃料試験で、最も燃費の良い車に与えられる賞)[ 9] を受賞
日本におけるスカニア
日本では、2002年 に日野自動車 と業務提携を結び、トラクターユニット (トレーラーヘッド)を共同開発(スカニア製トラクターを日野が日本市場向けに仕様変更)し「日野スカニア」として販売していた[ 10] 。これに加えて、2007年 4月 からは、韓国 でスカニアの販売網を通じて、日野の中型トラックを日野ブランドで販売開始。両社はアジア、南米市場でも相互の販売網を活用すると発表していた。2011年 7月 に提携は解消され、日野による日本国内でのスカニア車の販売は終了した[ 11] 。なお、2018年 には日野とスカニアの親会社であるトレイトンとの間で戦略的提携を結んでいる[ 12] 。
2009年 に、スカニアは日本法人「スカニアジャパン株式会社 」を設立し、同社による輸入・販売を開始。アフターサービスは、スカニアジャパンの直営サービス拠点2箇所(千葉県 富里市 、大阪市 住之江区 )と協力会社を合わせた全国約30箇所のサービス拠点を有する。
トラックのラインナップは、日本での販売当初はトラクターが中心であったが、2015年 にGVW 25tクラスのリジッドトラック(単体型のトラックシャーシ)の販売を開始した[ 13] 。2017年 (平成29年)の東京オートサロン では、フォルクスワーゲンブースでスカニアR450トップライン が展示された[ 14] 。また、同年の東京モーターショー に初出展し、2016年 にヨーロッパで発表された新型RシリーズとGシリーズのアジア初披露の場となった[ 15] 。
2018年4月より日本での販売が始まった、現行ラインナップ(ネクストジェネレーションスカニア)では平成28年 排出ガス規制をクリアしたモデルが導入されており、パワーユニットには12,742 cc 直列6気筒 エンジン DC13型が中心で、リジッドトラックには 9,291 cc 直列5気筒 エンジン DC09型を、トラクターには 16,353 cc V型8気筒 エンジン DC16型をラインナップに揃える[ 16] 。2018年9月 のリジッドトラック発売に合わせ、6x2の完成ウィングトラックの販売も開始しており、ウィングボディの艤装は日本トレクス が行う[ 13] 。
特筆すべきモデルとしては、2016年 に宇部興産 が宇部伊佐専用道路 用に18m以上のロードトレイン 向けトラクターを導入しており、DC16型エンジンを搭載したR580をベースにホイールベースを延長した専用モデルが投入された。また、2019年 には名古屋市消防局 に当社Pシリーズ CrewCab のシャーシにマギルス が艤装した[ 注釈 1] はしご車 を納入、名古屋市中川消防署に配備されている[ 18] [ 19] 。
バスは、過去に大阪府 の貸切バス 事業者ZIPANG-JJ (現ZIPANG.S.S)が導入を試みるも、諸般の事情で頓挫した。その後、新潟市 のバス・ラピッド・トランジット (BRT) 構想で導入される連節バス に、DC09型エンジンを搭載したスカニア製シャーシにオーストラリア のバス車体メーカー ・ボルグレン 製「オプティマス」のボディを艤装したモデルが導入され[ 20] [ 21] 、2015年9月5日 より新潟交通 「萬代橋ライン 」として運行を開始した。ほぼ同型の車両が、2016年8月8日 より福岡市 で西鉄バス 「Fukuoka BRT 」として[ 22] 、2018年3月には京都府 精華町 で奈良交通 「イエローライナー華連 」として[ 21] それぞれ運行を開始している。
日本向けバスとして特筆されるのは、2階建てバス 「アストロメガ 」の導入である。2014年 にはとバス とベルギーのバスボディメーカー・バンホール による日本向け2階建てバスの製造プロジェクトにシャーシ・エンジンメーカーとして参画。欧州 向けに販売しているTDX25を日本向けにサイズダウンした、DC13型エンジン搭載のTDX24の納入を2016年から開始した。日本製の2階建てバスであった三菱ふそう・エアロキング が2010年 に製造を終了して以降、日本で販売される唯一の2階建てバスとなっており、観光バス としてはとバス・東京ヤサカ観光バス 等に、高速路線バス として京成バス ・ジャムジャムエクスプレス ・ジェイアールバス関東 ・西日本ジェイアールバス ・関東鉄道 ・岩手県北自動車 をはじめとする各社に納入されている。またはとバスでは2021年 に北アイルランド のライトバス ・エクリプスジェミニ3 のオープントップバス をスカニア製シャーシで導入している[ 23] 。
東京都交通局 (都営バス )は、車内の通路後方にある段差を解消したボルグレン/スカニア製のフルフラットバスを日本で初めて導入し、2018年12月25日 から営業運行を開始した[ 24] 。定員 は74人、座席は24である。当初の導入路線は都02系統 [ 25] 。2019年5月現在では29両が小滝橋 、杉並 、巣鴨 、南千住 の4営業所へ配置され、C・H01系統 、上69系統 、草63系統 、渋66系統 などに充当されている[ 26] 。
なお、スカニアは、元々バスに関してはシャーシ・エンジンだけではなくボディも一貫生産している[ 27] が、日本向けにはバンホールまたはボルグレンによるボディを艤装したモデルのみを導入している。
ボルグレン 連節バス(新潟交通「萬代橋ライン」)
ボルグレン 連節バス(西日本鉄道「Fukuoka BRT」)
バンホール・アストロメガ(はとバス)
バンホール・アストロメガ(J-InterCityDD)
(
ジェイアール東海バス )
ライトバス・エクリプスジェミニ3オープントップバス(はとバス)
ボルグレン フルフラットバス(都営バス)
トランスウェブ R450トップライン 東京オートサロン2017展示車
G360 東京モーターショー2017展示車
車種一覧
トラック
バス
脚注
注釈
^ マギルス製のはしご車の日本での輸入販売はモリタテクノス が行っており、以前はイヴェコ のシャーシに艤装されたはしご車が輸入されていたが、排出ガス規制対策のため近年では国産メーカーのシャーシに艤装している。このためシャーシをわざわざドイツ に輸送して艤装終了後に再び日本に戻すことが行われている[ 17] 。したがってスカニアのシャーシに艤装した場合、スウェーデン→ドイツ→日本という順序で入って来るため、日本からシャーシをわざわざヨーロッパ に送る手間が省けるというメリットもある。
出典
関連項目
外部リンク
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