「ザットル・ビー・ザ・デイ 」(That'll Be the Day )は、ジェリー・アリソン (英語版 ) とバディ・ホリー によって書かれた楽曲。1956年にバディ・ホリー&ザ・スリー・チューンズによって初めて録音され、1957年にホリーの新しいバンドであるザ・クリケッツ (英語版 ) によって録音された。作曲者のクレジットには、プロデューサーであるノーマン・ペティ の名も含まれているが、実際には作曲に携わっていない[ 4] 。
複数のアーティストによってカバーされており、中でもリヴァプールのスキッフル・バンドであるクオリーメン (後のビートルズ )にとっては初めて録音した楽曲の1つとなった。
ザ・クリケッツによるシングル盤は、1969年にアメリカレコード協会 からゴールド認定を受け、1998年にグラミーの殿堂 入りを果たした。2005年にアメリカ議会図書館 によって「文化的、歴史的、もしくは芸術的に重要」と見なされ、全米録音資料登録簿 に登録された。
背景・リリース
「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、1956年に公開された映画『捜索者 』でのジョン・ウェイン のセリフ「that'll be the day」に触発されて書かれた楽曲。映画を見たホリーは、ソニー・カーティス (英語版 ) やジェリー・アリソン (英語版 ) とともにバンドを結成し、作曲を行なった[ 6] 。
1956年7月22日にデッカ・レコード のオウエン・ブラッドリー のプロデュースのもと、ブラッドリーズ・バーンで「ザットル・ビー・ザ・デイ」のレコーディングを行なった[ 6] 。レコーディングでは、カーティスがリードギター 、ドン・ゲスがベース 、アリソンがドラム を演奏した。しかし、レーベルの幹部は、録音された演奏に感銘を受けなかったことや、ホリーをカントリー&ウエスタン 路線で売り込むことを決めたことを理由に、本作の発売を許可しなかった。ザ・クリケッツによるシングル盤のヒットを経て[ 6] 、1957年9月2日にデッカ・レコードからシングル盤が発売され、B面には「ロックだ!! オリー・ヴィー」(Rock Around with Ollie Vee )が収録された[ 10] 。
ザ・クリケッツによる演奏
前述のレコーディング・セッションの関係で生じる法的な問題を避けるため、ホリーは結成したバンドに新たな名前を付ける必要があった[ 11] [ 3] 。ザ・クリケッツは、1957年2月25日に「ザットル・ビー・ザ・デイ」のレコーディングを行なった。レコーディングは、ニューメキシコ州 にあるノーマン・ペティ・レコーディング・スタジオ で行なわれ[ 11] 、プロデュースはペティが手がけた[ 14] 。レコーディングに際して、キーが原曲のD からA に変更されている[ 6] 。
ザ・クリケッツによるシングル盤は、1957年5月27日にブランスウィック・レコード (英語版 ) から発売され、B面には「アイム・ルッキン・フォー・サムワン・トゥ・ラヴ」(I'm Looking for Someone to Love )が収録された。「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、1957年11月27日に発売されたアルバム『ザ・チャーピング・クリケッツ 』にも収録されている。
受容(ザ・クリケッツ版)
ザ・クリケッツによる「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、『ビルボード 』誌のR&Bチャート で最高位2位を獲得。全英シングルチャート では3週連続で第1位を獲得した[ 17] [ 18] 。1969年にアメリカレコード協会 からゴールド認定を受けた[ 19] 。
1998年にグラミーの殿堂 入りを果たした[ 20] 。ローリング・ストーンの選ぶオールタイム・グレイテスト・ソング500 (2004年版)の第39位にランクインした[ 21] 。2005年にアメリカ議会図書館 によって「文化的、歴史的、もしくは芸術的に重要」と見なされ、国家保存録音登録制度に登録された[ 22] 。
チャートと認定(ザ・クリケッツ版)
クオリーメンによるカバー
1958年、クオリーメン (後のビートルズ )はリヴァプール にあるフィリップス・サウンド・レコーディング・サービス (英語版 ) で「ザットル・ビー・ザ・デイ」と「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー 」のレコーディングを行なった[ 25] 。本作は、クオリーメンが初めて録音した楽曲の1つで、リード・ボーカルはジョン・レノン が務めた。フィリップス・サウンド・レコ-ディン・サービスでのレコーディングについて、マッカートニーは「ジョンは僕らのレパートリーの1つ『ザットル・ビー・ザ・デイ』を演奏し、ジョージはオープニングのギターを弾いて、僕はジョンとハーモニーを歌った」と回想している。同日に録音された2曲は、パーシー・フィリップスの支援を受けて、78回転シングルにカットされた。
クオリーメンによる「ザットル・ビー・ザ・デイ」は、「イン・スパイト・オブ・オール・ザ・デインジャー」とともに、長らく一般には未発表のままとなっていたが、1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1 』で初収録となった。
クレジット
※出典
リンダ・ロンシュタットによるカバー
リンダ・ロンシュタット は、1976年8月に発売したアルバム『風にさらわれた恋 』で、「ザットル・ビー・ザ・デイ」をカバー。プロデュースはピーター・アッシャー が手がけた。シングル・カットもされており、B面には「もう一度だけ」(Try Me Again )が収録された[ 32] 。
ロンシュタットによるカバー・バージョンは、カナダの『RPM 』誌のチャートで最高位2位[ 33] 、アメリカの『ビルボード 』誌のHot 100 チャートで最高位11位[ 34] を獲得した。ロンシュタットによるカバー・バージョンは、同年に発売されたコンピレーション・アルバム『グレイテスト・ヒッツ 』や、2011年に発売されたホリーのトリビュート・アルバム『リッスン・トゥ・ミー:バディ・ホリー 』[ 36] にも収録されている。
チャート成績(リンダ・ロンシュタット版)
週間チャート(リンダ・ロンシュタット版)
年間チャート(ザ・クリケッツ版)
チャート (1976年)
最高位
Canada Top Singles (RPM )[ 43]
187
脚注
出典
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外部リンク