ゴッドスピード (競走馬)

ゴッドスピード
欧字表記	Godspeed[1]
品種	サラブレッド[1]
性別	牡[1]
毛色	鹿毛[1]
生誕	1994年4月6日[1]
死没	2019年7月21日（25歳没）[2]
登録日	1996年5月23日
抹消日	2000年11月17日（JRA） 2002年6月22日（NAR）[3]
父	ポリッシュネイビー[1]
母	プリティシルバー[1]
母の父	シルバーシャーク[1]
生国	日本（北海道新冠町）[1]
生産者	川上悦夫[1]
馬主	近藤俊典 →坪野谷和平 →（有）トニー企画[1]
調教師	瀬戸口勉（栗東） →田村光則（水沢）[1]
競走成績
タイトル	JRA賞最優秀障害馬（1999年）[1]
生涯成績	平地競走18戦3勝 障害競走19戦8勝[1]
獲得賞金	3億6424万6000円[1]
勝ち鞍	J・GI：中山大障害（1999年） GIII：小倉3歳S（1996年） GIII：府中3歳S（1996年） 阪神障害ステークス・春（1998年） 京都大障害・春（1998年）

ゴッドスピード（欧字名:Godspeed、1994年4月6日 - 2019年7月21日）は、日本の競走馬、種牡馬^[1]。

1999年の中山大障害（J・GI）など平地競走と障害競走を合わせて重賞を5勝し、1999年のJRA賞最優秀障害馬を受賞した。転職の達人や二刀流^[4]と呼ばれた^[5]。

戦歴

1996年7月の小倉競馬場の新馬戦でデビューしたが16頭立ての14着と惨敗。3戦目からブリンカーを装着し、4戦目で逃げ切り初勝利を挙げた。続く小倉3歳ステークスは11頭立て単勝9番人気の低評価であったが、差し切り優勝。次走デイリー杯3歳ステークスでは13着に敗れたが、府中3歳ステークスでは前半1000m通過61.5の流れを3番手からの競馬で優勝^[6]。しかし以降のクラシック三冠では苦戦し、東京優駿（日本ダービー）では最下位に敗れた。

1998年1月の平安ステークス7着を最後に障害入り。同年2月28日の障害3戦目で突如2着に3.7秒差をつける圧勝をみせ、格上挑戦した阪神障害ステークス（春）にも勝ち、6月6日のオープンまで、重賞2勝を含む5連勝を記録。しかし春秋連覇を狙った阪神障害ステークス（秋）では落馬してしまう。中山大障害（秋）も5着に敗れる。

翌1999年、障害オープン特別を連勝して復活をアピールするも、この年からのグレード制導入によりJ・GIとなった中山グランドジャンプでは不良馬場が影響したか9着に惨敗する。休養を挟み、復帰初戦の京都ハイジャンプではロードアトラスに4秒近く離された3着に終わったが、次走のJG1中山大障害で後に名ジャンパーとして一時代を築くゴーカイを直線の叩き合いの末ハナ差で差し切り優勝。同年、JRA賞最優秀障害馬を受賞。

その後は勝てず、2001年には地方・水沢競馬に移籍したが、2002年4月29日の赤松杯を最後に引退。

引退後

2003年から関係者の尽力もあって、宮城県大崎市の斎藤牧場にて種牡馬入り。初年度3頭に種付けしたが血統登録された馬はいなかった^[7]。

2019年7月21日、斎藤牧場にて死亡^[2]。亡くなる数か月までは体調が芳しくなかったものの、亡くなった当日は体調が戻り他の繋養馬とともに放牧地に出たが、その後放牧地の一番高い場所で倒れているのが発見されたという^[2]。 斉藤恵美子によると、ゴッドスピードは死亡前の数カ月余り体調が良くなく放牧もあまりできない日々をすごしており、 死亡当日は、久しぶりに体調が回復し仲の良い牧場の皆と一緒に放牧することができたが、 その後に放牧地の一番高い場所で倒れているのを発見された。彼女はゴッドスピードが最後に牧場の皆と過ごし、牧場を見渡せる場所で亡くなったので、ゴッドスピード自身は本望だったのではないかと感想を残した^[8]。

競走成績

年月日			競馬場	競走名	格	頭数	オッズ （人気）		着順	騎手	斤量	距離（馬場）	タイム （上3F）	タイム 差	勝ち馬/（2着馬）
1996	7.	13	小倉	3歳新馬		16	12.2	（6人）	14着	福永祐一	52	芝1200m（良）	1.12.6 (37.6)	2.8	トーヨーリアル
	7.	21	小倉	3歳新馬		10	38.6	（7人）	06着	福永祐一	52	芝1200m（良）	1.12.7 (38.0)	2.2	プロスパーバイオ
	8.	4	小倉	3歳新馬		13	19.4	（4人）	02着	福永祐一	52	芝1200m（良）	1.11.3 (36.8)	0.4	キタサンフドー
	8.	17	小倉	3歳未勝利		11	5.1	（2人）	01着	福永祐一	52	ダ1000m（良）	1.00.3 (36.7)	-0.2	（ダークブルー）
	9.	1	小倉	小倉3歳S	GIII	11	49.5	（9人）	01着	石橋守	53	芝1200m（稍）	1.11.3 (36.6)	-0.1	（キタサンフドー）
	10.	19	京都	デイリー杯3歳S	GII	16	34.4	（9人）	13着	石橋守	53	芝1400m（良）	1.23.3 (37.3)	2.0	シーキングザパール
	11.	17	東京	府中3歳S	GIII	13	44.5	（8人）	01着	石橋守	54	芝1800m（良）	1.49.7 (35.6)	-0.2	（スターマイサドル）
1997	2.	9	東京	共同通信杯4歳S	GIII	13	18.4	（5人）	11着	石橋守	57	芝1800m（良）	1.49.5 (36.7)	2.0	メジロブライト
	3.	2	中山	弥生賞	GII	14	22.4	（6人）	06着	石橋守	55	芝2000m（良）	2.03.5 (36.7)	1.3	ランニングゲイル
	3.	23	阪神	毎日杯	GIII	14	10.4	（5人）	11着	石橋守	57	芝2000m（良）	2.04.8 (39.2)	1.5	テイエムトップダン
	4.	13	中山	皐月賞	GI	18	127.3	（14人）	08着	石橋守	57	芝2000m（良）	2.02.6 (37.0)	0.6	サニーブライアン
	6.	1	東京	東京優駿	GI	17	96.8	（15人）	17着	石橋守	57	芝2400m（良）	2.28.1 (36.6)	2.2	サニーブライアン
	12.	7	阪神	ポートアイランドS	OP	13	25.0	（11人）	13着	石橋守	55	芝1600m（良）	1.37.0 (37.1)	2.0	ベルウイナー
	12.	21	阪神	六甲S	OP	15	49.4	（11人）	14着	石橋守	55	芝2000m（良）	2.03.1 (38.4)	2.1	ヒダカブライアン
1998	1.	6	京都	平安S	GIII	16	66.1	（12人）	07着	石橋守	52	ダ1800m（稍）	1.49.4 (36.9)	0.9	エムアイブラン
	1.	31	京都	障害5歳上未勝利		13	2.6	（1人）	02着	西谷誠	57	障2910m（良）	3:16.5 (13.5)	2.2	マキハタゴールド
	2.	14	京都	障害5歳上未勝利		14	2.6	（1人）	02着	西谷誠	57	障2910m（良）	3:15.9 (13.5)	0.1	ウエルビゼン
	2.	28	阪神	障害5歳上未勝利		11	1.7	（1人）	01着	西谷誠	57	障3000m（良）	3:19.2 (13.3)	-3.7	（テイエムオオジャ）
	3.	14	阪神	阪神障害S（春）		11	2.5	（1人）	01着	西谷誠	56	障3150m（良）	3:25.5 (13.0)	0.0	（ニケスピリット）
	4.	4	阪神	障害5歳上OP		11	1.7	（1人）	01着	西谷誠	59	障3150m（良）	3:29.1 (13.3)	0.0	（ニケスピリット）
	5.	16	京都	京都大障害（春）		8	1.7	（1人）	01着	西谷誠	59	障3930m（良）	4.30.1 (13.7)	-3.0	（ノーザンレインボー）
	6.	6	中京	障害4歳上OP		8	1.1	（1人）	01着	西谷誠	60	障2800m（良）	3:04.3 (13.2)	-1.0	（メイショウレガード）
	9.	19	阪神	阪神障害S（秋）		7	1.5	（1人）	中止	熊沢重文	62	障3150m（良）			レガシークレスト
	10.	24	東京	東京障害特別（秋）		11	2.1	（1人）	06着	西谷誠	62	障3300m（良）	3:44.3 (13.6)	2.0	ノーザンレインボー
	11.	21	京都	京都大障害（秋）		9	2.9	（2人）	02着	西谷誠	62	障3930m（良）	4:30.9 (13.8)	0.2	イチバンリュウ
	12.	19	中山	中山大障害（秋）		8	3.5	（2人）	05着	西谷誠	59	障4100m（良）	4:46.2 (14.0)	2.1	ビクトリーアップ
1999	1.	30	京都	淀ジャンプS	OP	14	3.3	（2人）	01着	熊沢重文	62	障3170m（良）	3:35.0 (13.6)	-0.1	（トキオワイルド）
	2.	20	東京	春麗ジャンプS	OP	9	2.2	（1人）	01着	西谷誠	62	障3300m（良）	3:39.5 (13.3)	-1.6	（デピュティスズカ）
	3.	14	阪神	阪神スプリングJ	J・GII	14	1.7	（1人）	02着	西谷誠	62	障3800m（良）	4:18.7 (13.6)	0.6	ファイブポインター
	4.	11	中山	中山グランドJ	J・GI	10	2.6	（1人）	09着	西谷誠	60	障4100m（不）	5:06.7 (15.0)	10.5	メジロファラオ
	11.	20	京都	京都ハイジャンプ	J・GII	13	6.7	（4人）	03着	西谷誠	62	障3930m（良）	4:32.1 (13.8)	3.9	ロードアトラス
	12.	18	中山	中山大障害	J・GI	15	6.1	（4人）	01着	西谷誠	62	障4100m（良）	4:42.6 (13.8)	0.0	（ゴーカイ）
2000	1.	8	京都	牛若丸ジャンプS	OP	11	2.3	（1人）	02着	西谷誠	63	障3170m（良）	3:33.9 (13.5)	0.6	ホーマンランドオー
	11.	11	京都	京都ハイジャンプ	J・GII	10	8.3	（4人）	09着	西谷誠	63	障3930m（良）	4:34.3 (14.0)	7.9	テイエムダイオー
2001	5.	13	水沢	A1		10		（3人）	01着	山本裕次郎	59	ダ1800m（良）	1:58.3	-0.4	（アイアムアブラザー）
	6.	24	水沢	あすなろ賞	OP	7		（2人）	中止	南郷家全	56	ダ1900m（良）			グローバルゴット
2002	4.	29	水沢	赤松杯	OP	7		（5人）	06着	西康志	59	ダ1900m（良）	2:10.4	2.3	トニージェント

血統表

ゴッドスピードの血統			（血統表の出典）[§ 1]
父系	ダンジグ系
父 *ポリッシュネイビー Polish Navy 1984 鹿毛	父の父 Danzig 1977 鹿毛	Northern Dancer	Nearctic
			Natalma
		Pas de Nom	Admiral's Voyage
			Petitioner
	父の母 Navsup 1966 鹿毛	Tatan	The Yuvaraj
			Valkyrie
		Busanda	War Admiral
			Businesslike
母 プリティシルバー 1982 芦毛	母の父 *シルバーシャーク Silver Shark 1963 芦毛	Buisson Ardent	Relic
			Rose o'Lynn
		Palsaka	Palestine
			Masaka
	母の母 プリティーアカツキ 1974 鹿毛	*セダン Sedan	Prince Bio
			Staffa
		フラミンゴ	*ゲイタイム
			カヅトヨ
母系(F-No.)	アストニシメント系(FN:7-c)			[§ 2]
5代内の近親交配	Nearco 5×5			[§ 3]
出典	[9] [6][9] [9]

祖母プリティーアカツキは1977年のクイーンステークスの勝ち馬。曾祖母フラミンゴは1964年のきさらぎ賞を制し、桜花賞でもカネケヤキの2着に入っている。

出典

1. ^ “ゴッドスピード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年11月19日閲覧。
2. ^ “1999年の最優秀障害馬ゴッドスピードが死亡、25歳　西谷誠騎手に重賞初制覇もたらす”. netkeiba. Net Dreamers Co., Ltd.. 2019年7月25日閲覧。
3. “ゴッドスピード 出走履歴”. 地方競馬全国協会. 2022年2月5日閲覧。
4. “第37回 競馬二刀流｜2014年｜第5コーナー ～競馬余話～｜JBISコラム｜お楽しみ｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. JBISサーチ（JBIS-Search）：国内最大級の競馬情報データベース (2022年7月12日). 2024年11月18日閲覧。
5. “JRAホームページ｜トピックス＆コラム｜競馬コラム｜サラブレッドミュージアム”. warp.ndl.go.jp. 2024年11月17日閲覧。
6. ^ 『優駿』1997年1月号、日本中央競馬会、153頁
7. “種牡馬情報：世代・年次別（サラ系総合）｜ゴッドスピード｜JBISサーチ（JBIS-Search）”. www.jbis.or.jp. 2022年7月1日閲覧。
8. “1999年の最優秀障害馬ゴッドスピードが死亡、25歳 西谷誠騎手に重賞初制覇もたらす | 競馬ニュース”. netkeiba. 2024年7月27日閲覧。
9. ^ “血統情報：5代血統表｜ゴッドスピード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2016年7月27日閲覧。

外部リンク

• 競走馬成績と情報 netkeiba、スポーツナビ、KEIBA.GO.JP、JBISサーチ、Racing Post
• ゴッドスピード - 競走馬のふるさと案内所
• ゴッドスピード - 引退名馬（名馬.jp）