XR-9
XR-9B
XR-9は、アメリカ合衆国のヘリコプター。2機が製造されたに留まった。
XO-61を納入したG&A エアクラフト(元ピトケアン・エアクラフト。1943年にファイアストンが買収[1])は、アメリカ陸軍航空軍の航空技術業務部と共同で社内呼称GA-45B、制式名称XR-9として、1人乗りのヘリコプターを開発していた[2]。機体はポッドとテイルブームで構成され、降着装置は固定式のタイヤ3つであり、メインローターは3枚、テイルローターは2枚であった。エンジンは出力126馬力のライカミング XO-290-5を採用していた[1]。メインローターを2枚としたXR-9A(GA-45C)の構想もあったが、両者は共に製造されることは無かった。
1946年、G&A エアクラフトはファイアストン・エアクラフトに改名[3]。GA-45Cの設計を見直し、メインローターを3枚に戻しタンデム配置の複座としたXR-9Bは、エンジンに134馬力のライカミング O-290-7を使用して3月に初飛行したが[1]、このXR-9Bが1946年にアメリカ陸軍航空軍が最初に購入した機体となった[1]。
民間市場が広がると予想したファイアストンは、一般市場向けにGA-45Dを開発した。これはエンジン出力を150馬力に上げ、内部に余裕のある並列複座に変更したものである[1]。1946年にクリーブランドで開催されたナショナル・エア・レースでデモンストレーションを行っている[4]。さらに、4人乗りでテイルローターを2基にしたGA-50、XR-14も構想された[1]。しかし、個人用ヘリコプターは高価すぎて現実の市場としては小さなものであった。ファイアストンは航空機開発から撤退し、試作機2機で生産は終了した[1]。
出典:The Illustrated Encyclopedia of Aircraft (Part Work 1982-1985)