2009 ワールド・ベースボール・クラシック(英語: 2009 World Baseball Classic)は、野球の世界一決定戦[1][2][3]ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第2回大会で、2009年3月5日から3月23日の間に開催された。この大会では日本代表が決勝戦で、今大会5度目の対決となった韓国を延長戦の末に破り、2大会連続2回目の優勝を決めた。
各国のプロリーグの開幕が迫っている状況を考慮し、選手達が可能な限り早く所属球団に戻ってシーズンの準備ができるように3位決定戦は行われない[4]。
2006年大会からの主な変更点は次のとおり[5][6]。
WBC運営委員会が、2008年3月24日に第1ラウンドの開催地・日程を発表[7]。日本、メキシコ、カナダ、プエルトリコで開催。前回の2006年大会に続いて、北米を中心とした共同開催となった。7月31日に第2ラウンド以降の開催地・日程を発表[8]。全てアメリカ合衆国で開催。今回の第2ラウンドはサンディエゴとマイアミで行い、初めてアメリカ東海岸でも試合を開催することになった。準決勝・決勝はロサンゼルスのドジャー・スタジアムで開催。
出場国は前回大会と同じ16か国・地域。2007年に前回大会のベスト8に対して出場資格を与えることが決まった。2008年2月19日に残りの出場8か国・地域を決定し、第1回大会と同じ顔ぶれで、出場国の全てが2大会連続2回目となる。
準決勝2組 (3/21)ロサンゼルス
参加16か国・地域を各グループ4か国・地域の4グループに分け、それぞれ2009年3月5日から12日までダブルイリミネーション方式トーナメント戦を行い、上位2か国が第2ラウンドへ進出する[9]。
A組とB組、C組とD組のそれぞれ上位2か国・地域が同じ組となり、アメリカ・カリフォルニア州サンディエゴのペトコ・パークとフロリダ州マイアミのドルフィン・スタジアムで3月14日から3月19日までの6日間にダブルイリミネーション方式トーナメント戦を行う。上位2か国・地域が準決勝進出。
成績右列は、IBAFによる順位[10]。
個人表彰された以下の選手は、報道などの場においては2009年WBCベストナインと称される。
第2回大会は観客数や視聴者数などで第1回大会を上回る結果を見せた。総観客動員は前回の73万7112人から80万1408人へ約6万人の増加を見せ、決勝は大会史上最多の5万4846人の観客を集めた。1試合平均の視聴者数も前回から14%増の161万6000人となった。不況の煽りを受けて不安が挙げられていた[11]スポンサーも26から56に増加した。 前進をみせた今大会であったが、集客力のある試合とそうでない試合の落差が大きいことが課題として残った。カナダで行われたトロントラウンドでは、カナダ対アメリカの試合には4万人を超す観衆が詰めかけた。しかし、その他の試合では約1万人程度の観衆であった。またバスケット全米大学選手権やそもそもの国際大会への無関心の影響で、米国内の話題を広く集められなかった状態は第2回大会でも続いた。 それでも、セリグ・コミッショナーは観客数やスポンサー数の増加を受けて「今大会は大成功だった」「野球の魅力と国際的な発展を示した」とコメントした。[12][13]
第1ラウンドと第2ラウンドにそれぞれダブルイリミネーション方式トーナメント戦を採用し、第1ラウンド上位2か国が第2ラウンドでも同じ組に入ったため、結果として同一戦が多くなってしまった。決勝戦に進出した日本と韓国は大会中に9試合しているが、9試合中5試合は日本対韓国であったため、「日韓シリーズ」と揶揄された。日本と韓国を第2ラウンドでも同じ組に配置した理由として、第1回のWBCにおいて平均観客動員数が4万人を越えた人気カードの設定などの興行的理由が指摘された。結果として、WBCへの関心が高い日本と韓国が5試合も日韓戦を行ったことは、両国を盛り上げることになったが、多様な対戦カードが見られにくいことの問題点も残った。
地上波テレビ放送では日本戦を全試合生中継、CS放送の「J SPORTS」では全試合を完全生中継。
日本戦の東京ラウンドはテレビ朝日、サンディエゴラウンドはTBSが放送。また組み合わせにかかわらず、準決勝と決勝はTBSが放送。そのうちTBSが放送に携わったサンディエゴラウンド、準決勝および決勝の試合は日本時間では早朝もしくは午前中で行われたため、サンディエゴラウンドの日本戦(2度の日本対韓国戦以外)、準決勝(日本対アメリカ)、決勝の中継については生放送に加え、同日のゴールデン枠の番組を差し替えた「WBC緊急特番」と題した2時間枠のダイジェスト版が同局で放送された。いずれも各放送局をキー局とする全国ネットでの放送となる。
テレビ朝日による中継ではSMAPの「弾丸ファイター」、TBSによる中継では、ジャーニーの「Separate Ways」、「J SPORTS」による中継では、フジファブリックの「Sugar!!」がテーマ曲として使用された。
またラジオでは、東京ラウンドの日本対中国戦はニッポン放送、2試合目・3試合目はTBSラジオが、サンディエゴラウンド以降の日本代表戦はニッポン放送が中継。JRN/NRNの全国ネットは行われず、製作局以外は数局のみでの放送となる。
アメリカ合衆国においては、ESPNとMLBネットワークを通じ全試合が生中継で放送された。またESPNインターナショナルが167か国に配信した。
オーストラリア - カナダ - 中華人民共和国 - チャイニーズタイペイ - キューバ - ドミニカ共和国 - イタリア - 日本 - 韓国 - メキシコ - オランダ - パナマ - プエルトリコ - 南アフリカ共和国 - アメリカ合衆国 - ベネズエラ
東京ドーム - フォロ・ソル - ロジャーズ・センター - ヒラム・ビソーン・スタジアム - ペトコ・パーク - ドルフィン・スタジアム - ドジャー・スタジアム
A組(東京) - B組(メキシコシティ) - C組(トロント) - D組(サンフアン)
1組(サンディエゴ) - 2組(フロリダ)
準決勝・決勝(ロサンゼルス)