1917年全米選手権 (テニス)
1917年 全米選手権(1917ねんぜんべいせんしゅけん)に関する記事。
大会の流れ
- 1881年から1967年まで、全米選手権は各部門が個別の名称を持ち、大会会場も別々のテニスクラブで開かれた。これが他の3つのテニス4大大会と大きく異なる点である。
- 男子シングルス 名称:全米シングルス選手権(U.S. National Singles Championship)/会場:ニューヨーク市クイーンズ区フォレストヒルズ、ウエストサイド・テニスクラブ (会場移転、1915年-1920年)
- 男子ダブルス 名称:全米ダブルス選手権(U.S. National Doubles Championship)/会場:マサチューセッツ州ボストン市、ロングウッド・クリケット・クラブ (1917年-1933年まで)
- 女子シングルス 名称:全米女子シングルス選手権(U.S. Women's National Singles Championship)/会場:ペンシルベニア州、フィラデルフィア・クリケット・クラブ (女子部門競技はすべてこの会場、1887年-1920年まで)
- 女子ダブルス 名称:全米女子ダブルス選手権(U.S. Women's National Doubles Championship)/会場:フィラデルフィア・クリケット・クラブ (1889年-1920年まで)
- 混合ダブルス 名称:全米混合ダブルス選手権(U.S. Mixed Doubles Championship)/会場:フィラデルフィア・クリケット・クラブ (1892年-1920年まで)
- 優勝決定方式としての「チャレンジ・ラウンド」(Challenge Round, 挑戦者決定戦)と「オールカマーズ・ファイナル」(All-Comers Final)が、男子シングルスでは1912年に廃止された。女子シングルスでも、1917年はこの方式を実施せず、全選手が1回戦から出場した。1918年大会の終了後、本方式は全米選手権から撤廃されることになる。
- 大会前年度優勝者を除く選手は「チャレンジ・ラウンド」に出場し、前年度優勝者への挑戦権を争う。前年度優勝者は、無条件で「オールカマーズ・ファイナル」に出場できる。チャレンジ・ラウンドの勝者と前年度優勝者による「オールカマーズ・ファイナル」で、当年度の選手権優勝者を決定した。
- 1914年夏に勃発した第1次世界大戦の影響で、他のテニス競技大会は開催中止となったが、全米選手権だけは戦時中も途切れることなく続行された。アメリカが第1次世界大戦に本格参戦したことから、1917年の全米選手権は赤十字社の資金集めのための“愛国的な”トーナメントとして位置づけられた。戦時中は多くの選手たちが軍務に就いたことから、通常の年に比べて出場選手数が少ない。
- 初期の全米選手権のように、外国人出場者が少なかった時期は、地元アメリカ人選手の国籍表示を省略する。
男子シングルス
準々決勝
- リンドレイ・マレー vs. クレイグ・ビドル 4-6, 6-1, 6-4, 4-6, 6-2
- ジョン・ストラッチャン vs. チャールズ・ガーランド 6-1, 2-6, 6-2, 6-3
- ナサニエル・ナイルズ vs. クラレンス・グリフィン 6-1, 6-3, 6-0
- リチャード・ウィリアムズ vs. ハロルド・スロックモートン 6-4, 6-3, 7-5
準決勝
- リンドレイ・マレー vs. ジョン・ストラッチャン 4-6, 6-3, 6-3, 6-1
- ナサニエル・ナイルズ vs. リチャード・ウィリアムズ 6-2, 4-6, 6-4, 6-3
決勝
女子シングルス
準々決勝
- マリオン・ヴァンデルホーフ vs. スザンヌ・ホワイト 3-6, 6-2, 6-2
- エレオノラ・シアーズ vs. ナッド・ダール夫人 6-2, 6-4
- モーラ・ビュルステット vs. フィリス・ウォルシュ 6-4, 6-1
- フローラ・ブラウン・ハーベイ vs. テレサ・ウッド 1-6, 6-4, 7-5
準決勝
- マリオン・ヴァンデルホーフ vs. エレオノラ・シアーズ 8-6, 6-3
- モーラ・ビュルステット vs. フローラ・ブラウン・ハーベイ 4-6, 6-0, 6-0
決勝
- モーラ・ビュルステット vs. マリオン・ヴァンデルホーフ 4-6, 6-0, 6-2 (本年度はチャレンジ・ラウンドとオールカマーズ・ファイナルの実施なし)
決勝戦の結果
- 男子シングルス:リンドレイ・マレー vs. ナサニエル・ナイルズ 5-7, 8-6, 6-3, 6-3
- 女子シングルス: モーラ・ビュルステット vs. マリオン・ヴァンデルホーフ 4-6, 6-0, 6-2
- 男子ダブルス:フレッド・アレクサンダー&ハロルド・スロックモートン vs. ハリー・ジョンソン&アービング・ライト 11-9, 6-4, 6-4
- 女子ダブルス: モーラ・ビュルステット&エレオノラ・シアーズ vs. フィリス・ウォルシュ&グレース・ルロイ 6-2, 6-4
- 混合ダブルス:アービング・ライト& モーラ・ビュルステット vs. ビル・チルデン&フローレンス・バリン 10-12, 6-1, 6-3
外部リンク
- 全米オープンの歴史 (英語、全米オープンテニス公式サイト内)
- 抽選表:男子・女子 (男子はGrand Slam Tennis Archive、女子はTennisForum.com提供スレッドによる)
参考文献
- Roger M. Williams, “The U.S. Open: Game, Set, Unmatched”(全米オープン-ゲーム・セット・試合は続く) Time-Life Books, New York (1997) ISBN 0-7835-5260-2 各部門ごとの開催地について、本書の189ページを参照した。
- Bud Collins, “Total Tennis: The Ultimate Tennis Encyclopedia” Sport Classic Books, Toronto (2003 Ed.) ISBN 0-9731443-4-3
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