高町 なのは(たかまち なのは)は、テレビアニメ『魔法少女リリカルなのは』シリーズに登場する架空の人物で、本編の主人公。『魔法戦記リリカルなのはForce』および『魔法少女リリカルなのはViVid』では年長者として新しい主人公たちを見守る立ち位置に収まっている。タイトルに「なのは」を冠しない『StrikerS サウンドステージX』や『ViVid Strike!』では登場しない。
担当声優は田村ゆかり。決め台詞は「全力全開」。
高町家の次女で私立聖祥大附属小学校3年生(9歳)[1]。誕生日は3月15日。父・士郎、母・桃子、兄・恭也、姉・美由希との5人家族。自称「平凡な小学3年生」[2]。『A's』時にはAAAクラスの魔導師。左利き[3]。
明るく優しい性格で強い正義感を持つが、辛いこと、悲しいことを抱え込んでしまう癖があり、一時期はそれが原因で彼女を心配する友人のアリサとケンカ寸前にまでなった。学校の成績は良い方で理数系が得意(アリサ曰く自分より成績が上と言われるほど。魔法を知ってからはさらに良くなっている)ただし文系(アリサ曰く中の下)と体育が苦手と本人はいっているがどれほどなのかははっきりしない。
なのはの住む世界では非常に珍しく、魔導師として「天才」と呼べる素質があり、更に希少なレアスキルである『魔力収束』を持ち、ユーノを師として実戦を繰り返す中で急速に才能を開花させてゆく。魔力の放出・集束と制御を得意とし、圧縮・縮小は苦手。本来は堅い防御と砲撃特化の「固定砲台」タイプだが、正式な訓練を受けないままに実戦を重ねて「単身でも戦闘を行える砲撃魔導師」としてのスタイルを確立させる。機動は重めで滑らかな回避は不得手ながら強靭な防御力で攻撃を弾いたり受け止めたりして[4]、操作性に優れた多数の誘導弾と一撃必倒の大威力砲(バリア貫通特性も強い)で仕留めるなど、魔導師としては重装高火力のパワー型(ただし、ゲーム版ではオールラウンド型になっている)。そのあまりの魔道師センスの高さに、師のユーノ自身でさえも驚きの色を隠せなかったほどであり、第1期で彼女の能力をコンピューター分析したエイミィがその分析結果を見て「(当時の段階で、すでにレベルが)AAAクラス。魔力だけに限るとクロノより上。」と太鼓判を押したほど。一方で自らを顧みずに無茶をし過ぎる性向も危惧されていた。魔力光は桜色。バリアジャケット(魔法服)は聖祥小学校制服の影響が色濃い。第1期最終話エピローグからは学校で着けるリボンが太めのピンクのリボンから細い黒のリボンを着けるようになった[5]。また、髪をおろした状態のなのはは、彼女の母親の桃子にそっくりである。
前述のように途轍もないほど高い魔力の持ち主であり、ヴィータから「闇の書のページが20ページほど埋まる」と言われているが、実際はそれよりも上でこの時蒐集した魔力でかなり闇の書のページが埋まった。また第1期11話でクロノも、なのはが放った最大砲撃魔法「スターライトブレイカー」の威力を見て「なんつーバカ魔力」と驚愕している。
かつてアリサがすずかをいじめていた時に、なのはが割ってはいり、アリサと喧嘩になったところをすずかに止められたことがキッカケで、なのははアリサとすずかと親友になる。敵対していたフェイトやヴィータなどの人物とも、幾度となく互いの信念をかけた戦いを繰り返した結果、最終的には分かり合うことが出来ており、彼女達と良き友となっている。
使用デバイス(魔法の杖)はインテリジェントデバイス「レイジングハート」。ユーノから譲り受けたものだが、彼がこのデバイスを手に入れた経緯は不明。『A's』におけるヴィータとの戦いで大きく破損し、新システムであるベルカ式カートリッジシステム(CVK792-A)を組み込んで「レイジングハート・エクセリオン」として生まれ変わる。
19歳。時空管理局武装隊に正式に所属し、訓練学校を経て戦技教導官を務めている。魔法術式・ミッドチルダ式/魔導師ランク・空戦S+。
部隊ごとに保有出来る魔導師ランクの総計規模が決まっている為、機動六課の部隊長・隊長・副隊長の魔力には「能力限定」と称する出力リミッターが掛けられている。そのため、なのはもAAクラスまで能力を制限されている。この能力限定は、八神はやての許可がない限り解除できない上、解除の許可は滅多に出ない。だがAAクラスでもティアナ達を圧倒するほどの実力がある。
『A's』までは「単独でも戦闘が行える砲撃魔導師」としての戦闘スタイルを確立したが、『StrikerS』では、本人曰く「(後方からの援護射撃型である)ティアナと同じポジション」とのこと。魔力リミッターがかかった状態でも一騎当千の実力は健在だが、実戦では5話など援護に回ることも多くなっている。
教導隊入りしたのは6年前。階級は漫画版(15歳当時)では二等空尉だったが、本編では一等空尉となっている。「エースオブエース」、「誰もが認める無敵のエース」などと呼ばれており、管理局内のみならずミッドチルダでは雑誌に取り上げられるような有名人となっている[6]。
公の場でははやてらに対して敬語を用い、フェイトに対しても「フェイト隊長」と呼ぶことがあるがプライベートでは「はやてちゃん」「フェイトちゃん」「クロノくん」と、10年前同様の呼称を用い続けている。ユーノとの関係は以前と変わらずフェイト達いわく「どちらも仕事が好きだから」あまり進展はない。
誰に対しても優しく接し、自分に対しては謙虚なところは変わらないが無茶なことをしては周囲(主にフェイトやシャマルなど)を困らせる所も変わらない。11歳の頃の事件のことを気にしているようで他人の無茶に対しては厳しく逆に他人から指摘されると「自分は武装隊だから危険は当然」と棚に上げ、結果的に自身が一番無茶をしてしまうのでフェイト達に叱られることもしばしばある。
また、10年の間に自己の鍛錬も怠っておらず、運動能力もさらに向上させている。
とある偶然から傷を負った異世界の少年ユーノを助け、ロストロギア(古代遺産)「ジュエルシード」探索に協力すべく魔法少女(魔導師)となる。そのジュエルシードの探索中、自分と同年代の「寂しげな目」をした女の子・フェイトと出会い、惹かれながらも幾度となく衝突した。戦いを通じて終盤ではフェイトと分かり合うことに成功し、互いにかけがえのない友達になった。
フェイトと離れ離れになりながらも[7]再会を信じて魔法の訓練を続けていた(クロノに「やりすぎ」と呆れられるほどのメニュー)。そんな彼女がヴォルケンリッターの1人、「鉄槌の騎士」ヴィータに襲撃を受けたことから『A's』の物語は幕を開ける。ヴィータとの戦闘でレイジングハートが大きく破損し窮地に陥るが、助けに来たフェイトやユーノ、アースラの面々の手助けを借りて戦闘の場から離脱する。だが離脱直前、ヴォルケンリッターのシャマルに不意をつかれてリンカーコア(魔導師の魔力の源)を奪われる。しかし命に別状はなく、魔力もすぐに回復した。その後、新システムを埋め込んで復活した「レイジングハート・エクセリオン」と共に、ヴォルケンリッター(主にヴィータ)と幾度となく衝突する。またユーノらの調査によって、闇の書の詳細を知る。
物語後半、親友すずかの誘いにより、フェイト、アリサと共に、すずかの友人である八神はやての元へお見舞いへ行き、彼女と友達になる。
「闇の書事件」終了後、小学4年生となったときに時空管理局武装隊の士官候補生として正式に入局。『A's』最終話エピローグ(本編より6年後)では私立聖祥大附属中学の3年生に進級する一方で、時空管理局武装隊の戦技教導官にも就任。学業の傍らで管理局の任務に従事している。この時期に髪型はサイドポニーに変わっている。『-THE BATTLE OF ACES-』では、ほとんどでないが闇の欠片の彼女は他の仲間とは違い、悲しい過去があるわけではないため、ほぼオリジナルと変わらず、時にはヴィータの悩み解決にも一役買っている。シグナムシナリオでは、フェイトと出会う前の駆け出しだったころが具現化しており、おそらく自身の苦悩や父士郎がコーチしている翠屋JFCの選手を事件に巻き込んだ責任感から生まれたのだと思われる。漫画版ではシグナムとの訓練は苦手だと話すなど本人は「自分は好戦的ではない」と思っているが実際は魔法の練習を楽しみにしており、自ら進んで模擬戦に参加してはフルパワーで戦ったり、『-THE GEARS OF DESTINY-』では気が合うのかシュテルとの勝負を楽しみにするなど自覚はないが好戦的である。
『A's』から10年後、親友のはやてが設立した本局古代遺物管理部「機動六課」に出向となり、「スターズ分隊」の隊長と六課内の新人魔導師の教育を勤める。優しく面倒見のいい性格は相変わらずで、上司、同僚、後輩を問わず広く信頼されている。
本編から4年前の空港火災時にスバル・ナカジマを助けており、それ以来スバルにとって憧れの人物でもある。スバル、ティアナ、エリオ、キャロら新人フォワード一同を一人前に育て上げることに情熱を注いでいる節があり、彼女達を守ると誓っている。
「模擬戦で徹底的にきっちり打ちのめした方が、教えられる側は学ぶことが多い」という戦技教導隊の教育方針に基づいたやり方の訓練を行っている。訓練メニューは基礎と模擬戦が中心で、確実に新人達が強くなるメニューを組んでいるようだ[8]。過去のある経験からか、教え子達を「何があっても壊れないように育て上げる」ことを第一とし、無茶を繰り返した末に体に後遺症を遺した自身のようにはなって欲しくないという気持ちを持っている。とはいえスバル達のような期待値の高い相手には、にこやかな笑顔で常識離れしたハードメニューを課している。
バリアジャケットは長時間使用、汎用性を重視したアグレッサーモードという形態をとっている。その他に純戦闘用のエクシードモードが存在する。
9歳のころの魔法との出会い以来、常人離れした内容のハード・トレーニングや頻繁な実戦への参加などの無茶を続けてきた結果、彼女の体には負担が溜まって行った。当時の技術力ではカートリッジシステムも不安定な物であり、体への負荷を無視して自身の限界値を無理やり引き出すエクセリオンモードの使用などがそれに拍車をかけた。ある意味では、通常の魔道師には対応不可能なレベルでの魔力運用を「こなせてしまう」天性の魔法の才能が、彼女自身と周囲の人間の認識を甘くする一因になったともいえる。闇の書事件終結の2年後、11歳の冬に今まで溜めてきた無茶と負担のツケがまわり、任務中の僅かな反応の遅れから瀕死の重傷を負ってしまう。一時は空を飛ぶことも歩くことすら不可能になる危険性もあったが、半年間の過酷なリハビリを経て回復[9]。復帰後にランクS取得。それゆえに新人達には無茶をして欲しくないと考えており、スバルとティアナが、なのはの作った訓練メニューを無視して過剰な特訓を繰り返し、なのはとの模擬戦時に無茶な戦法を取った際は、前に語ったようにティアナを「徹底的にきっちり打ちのめした」[10][11](その際のなのはの表情は、TV版とDVD版で大きく異なっており、TV版では明らかに怒りを露にしていたが、DVD版では無表情)。なのは自身、模擬戦の後もティアナのことをかなり気にかけており、周りからは「不器用」と評されている。
第13話以降、六課で保護した身寄りのないヴィヴィオの母親代わり(保護責任者)となり、面倒をみることとなった。このため、現在は同室に3人で寝起きしている。当初はヴィヴィオを預かることに関して多分に義務感が占めており、「ずっと一緒にいられたら嬉しいが、本当に良い行き先で幸せになって欲しい」という理由で受け入れ先を探し続けていたが、自分に懐くヴィヴィオと共に暮らす中で、次第に「母」としての愛情に目覚めていく(メガミマガジン2007年9月号特集)。後に、ヴィヴィオが「なのはが本当の母なら良いのに」とこぼした際には「そうだね」と返すなど相当に情を移している面も見せ、次元世界を守る管理局の魔導師としての使命感と、ヴィヴィオへの愛情の板ばさみになっている様子が見受けられる。また、なのは本人としては割と厳しく接しているつもりらしいが、それが教育方針から来るものか、受け入れ先が見つかったときの別れを想定してのことかは不明である。第18話においてさらわれたヴィヴィオを思う彼女には深い悲しみが、そして目には涙があった。
都築曰く、なのははどちらかというと子供の世話は苦手だが、フェイトやはやてに比べると現実感のある母親。上記の描写も「親子の関係とは、何かをしてくれたから好きなのではなく気がついたら大切だった」という都築の親子観や、「なのはには、ヴィヴィオ救出においても仕事としての面を優先せねばならない、という葛藤がある」を意識したものと考えられる。
対ゆりかご戦ではヴィヴィオのいるゆりかごの攻略隊として参戦。立ちはだかる大量のガジェットを撃破しながら彼女の救出に向かう。玉座近辺ではディエチの待ち伏せを受けるも、ブラスター1モードでの砲撃勝負に打ち勝ちディエチを捕縛する戦果を挙げる(その際、ディエチはそのあまりの威力に「本当に人間か?」と驚きをもらした)。その後「聖王」として覚醒したヴィヴィオを止めるため、フェイトにも禁じられていたブラスター・システムを更に開放する無茶を敢行。ヴィヴィオの猛攻に圧倒されるが、それは戦いながらワイド・エリア・サーチを展開してクアットロの索敵に集中していたためであった。そして探索成るとカートリッジ5発消費の「カベ抜き」ディバイン・バスターによって最深部まで隔壁ごと撃ち抜いてクアットロを昏倒させた。それでも止まらず自動的に戦い続けたヴィヴィオに対し、スターライト・ブレイカー全方位発射という荒技でその力の源となっていたレリックを破壊、ついにヴィヴィオを保護することに成功する。そうして力を使い果たし閉じ込められたなのは達を救出に来たのは、精魂込めて鍛え上げたスターズの教え子2人であった。
第26話エピローグで、ヴィヴィオを養子として正式に引き取り親子となる。機動六課解散後に昇進提案があったものの辞退。戦技教導官の空戦魔導師として現場に残り続けた。ドラマCDで語られたJS事件後のアフターストーリーでは、ここまでの無茶が祟って身体に後遺症を抱えてしまったことが語られている。そのときに主治医でもあるシャマルに長期の療養を勧められるが、この手の傷は休んでも完治しない可能性があること、「落ちてから後悔しても遅いとよく言われるが、そもそもずっと飛び続けていることはできないのだから、飛ぶことをやめるときまでに何を残せるかだと思う」という持論を話し、第一線を退かないという決意を口にした。
全話に登場するが、第24話「雷光」だけは台詞がなく、三作全52話で唯一EDキャストにクレジットされていない回となっている。
『StrikerS』から4年経った後も管理局航空戦技教導隊勤めを続けている。階級は一尉のまま留まっており、(フェイトを養育するために艦隊勤務から外れたリンディ・ハラオウン提督のように)前線には赴かず比較的平穏な任務に就き、生活も基本的には娘のヴィヴィオに合わせている。ヴィータはともに教導に励む仲。 住居はミッドチルダで、高級住宅地を思わせる庭付きの一戸建てに娘のヴィヴィオと二人暮らしであるが、家族団欒のシーンでは親友フェイトの登場頻度も高く、機動六課時代の後輩共々親しい交流が続いている。『ViVid』以降では、バリアジャケット時の髪型がサイドポニーになっている。『ViVid』ではフェイトも含めてかなり家庭的になっていて、アインハルトもただの家庭的で穏やかな母親だと思っていたらしく、それを言ったときに『StrikerS』時の本来の姿をみているノーヴェに苦笑されていた。 ヴィヴィオの試合も必ず見に現れている。
1年後の『ViVid Strike!』ではリンネ・ベルリネッタがヴィヴィオの家族構成を回想する中で「公務員の母親」と呼んでいる。本作では最終話までなのはの名前は出ていない。
『StrikerS』から6年後(『ViVid』から2年後)を描く『Force』では、都築真紀いわく「師匠系キャラの立ち位置」。階級は一等空尉で航空戦技教導隊に所属し、新装備のテストにあたっていたが、はやての捜査司令の招集を受け、「六課の切り札」の一人としてエクリプス関連事件への捜査に合流する。特務艦ヴォルフラムの主砲としてフッケバインを足止めするが、ディバイド・ゼロを受けて一時戦闘不能に。復帰後、エクリプスウィルスにより変わり果てたトーマと戦い、AEC武装を全損しながらもスバルやフェイト、リリィ、アイシスの協力を得てトーマを確保することに成功。 その後は、六課見習いとなったトーマ、リリィ、アイシスの3人を教導している。
上記のように遠距離砲撃戦を得意としており、使用する魔法の大半が砲撃系のものとなっている。
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