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『踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(おどるだいそうさせん ザ ムービー ツー レインボーブリッジをふうさせよ)は、2003年7月19日に公開された日本映画(実写)である。
キャッチコピーは、「DANCE AGAIN.」 「He’s back(彼が戻ってきた)」 「現場に正義を。」(青島) 「所轄に愛を。」(すみれ・和久) 「捜査に信念を。」(雪乃・真下) 「接待にモナカを。」(室井・スリーアミーゴス)。
概要
フジテレビの連続テレビドラマ『踊る大捜査線』の劇場版第2作。スタッフからの略称はOD2。日本国内での観客動員数1260万人、興行収入173.5億円で、2003年の国内劇場公開映画の興行収入第1位を記録した[1]。これは、実写邦画歴代興行収入第1位、邦画歴代興行収入でも第7位の記録である(2024年現在)[2]。本映画のヒット後、再編集・再録音された『踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2』が制作され、上映された。劇中の設定は、2003年11月22日から24日の3日間である。
ストーリー
| この節の 加筆が望まれています。 (2014年9月) |
副総監誘拐事件から5年後の2003年、3連休の初日11月22日。湾岸署管内でスリ事件と、女性を狙った通り魔事件が発生する。さらに管内で会社役員の他殺体が発見され、警視庁捜査第一課は湾岸署に特別捜査本部を設置する。本庁初の女性管理官=沖田仁美警視正が捜査本部長として指揮をとり、室井慎次警視正が捜査副本部長を務めることになる。
沖田警視正のサポート役、それと同時に警察庁が湾岸署管内に秘密裏に設置した監視カメラシステム「C.A.R.A.S.(Criminal Activity Recognition Advanced System)」による捜査も開始され、青島や同僚の恩田すみれがその任務に就くが、その監視網をあざ笑うかのように第2の会社役員殺人事件が起きてしまい、室井はその責任を取らされる形で、監視ルームに実質軟禁されることになる。
キャスト
登場人物については、踊る大捜査線シリーズの登場人物一覧を参照。
スタッフ
いかりや長介のシリーズ最期の出演作品
初日の舞台挨拶で、退院したばかりのいかりや長介がファンの前で挨拶した。その席で深津絵里が涙ぐむ一幕もあったが、踊る大捜査線の仕事においては、いかりやが公の場に姿を見せた最後の場所となった。
和久役でいかりやを知ったファンも多く、2004年3月20日にいかりやが死去した際、告別式で「和久さーん」と叫ぶ声もあった。また、告別式を警備していた警備員や警察官が霊柩車に敬礼をして見送る姿に、和久の存在を重ねる場面もあった。
いかりやの没後に発売となったDVDでは、スタッフロールの最後に「ありがとう、和久平八郎 さよなら、いかりや長介 湾岸署一同」の一文が追加されている。
レインボーブリッジ
- 本編でレインボーブリッジを封鎖するシーンは、実際のレインボーブリッジを貸し切っての撮影が不可能であったため、当時工事中で供用前だった京都府の京滋バイパス久御山ジャンクションで2003年3月13日から15日にかけて行われた。撮影許可を得るため、日本道路公団(当時)に話を持ちかけたところ、関西支社の担当責任者の一人が『踊る大捜査線』の大ファンであったこともあり、撮影場所の工事を前倒しで行うなどの対応がとられ、異例の「供用前の自動車専用道路」を借り切ってのロケが可能となった[3]。本編には、久御山ジャンクション付近にあるジャスコ久御山ショッピングセンター(現:イオンモール久御山)の看板が小さく写っている。また本作は同店内のシネマコンプレックス(イオンシネマ)でも上映され、公開当日に同館で行われた舞台挨拶ではサプライズで登壇した織田裕二からロケ地が発表された。
- 本編には山の影がうっすらと映っているなど実際のレインボーブリッジではあり得ないシーンがあるが、本広克行監督によれば「どのくらいの人が気づくかなと思い、フィクションであることを示すために意図的に残してある」とのことで、撮影に全面協力してくれた日本道路公団への感謝の意味もあったなどとしている。
- 本編ではレインボーブリッジの封鎖に各方面への手続きが必要で完全封鎖に苦慮するというシーンがあるが、実際には一般道を封鎖するのと同様に警察の権限で簡単に封鎖が出来る。脚本家の君塚良一も取材の過程でそのことを知ったが、あえて無視したという[4]。現実では上映年の2003年の台風発生時にレインボーブリッジは全面通行止め(事実上の封鎖)になった。この日たまたまラジオのゲスト出演があった織田は「レインボーブリッジ、(本当に)封鎖しちゃいましたね」と一言漏らした。これ以外も、災害や事故等の理由で橋上通行止めの措置が取られるケースは珍しくない。
- 2009年3月1日にはレインボーブリッジにて「東京レインボーウオーク」というイベントが開催され、レインボーブリッジが開通以来初めて災害・事故以外の理由で閉鎖された。このことを通行止や閉鎖などではなく「レインボーブリッジ封鎖」を見出しとして報道した新聞があった[5]。
- 映画発表直後のテレビCMには、映画本編では使用されなかった青島刑事の後ろでレインボーブリッジが(CGではあるが)爆発するシーンがあった[6]。
オマージュ
作中に出てくる手掛かりの一つとなっている東北なまりと「カメダ」の元ネタは松本清張の『砂の器』の内容を多少変えたものである。砂の器では捜査の結果、東北訛りに類似する方言を話す地方の島根県の亀嵩のことであった。恩田が「砂の器」と呟くのは同作品へのオマージュであるとされる。犯人が話したとされる「カメダ」は本当は蒲田のことで、『砂の器』で冒頭に他殺死体が発見されたのも蒲田だった。
劇場版の1作目では誘拐犯の位置を特定する色のついた煙があげられ、その光景がモノクロ(煙だけがカラー)で映される。それを見た青島刑事が「天国と地獄だ」とつぶやくのも黒澤明監督作『天国と地獄』からのオマージュであり、そのモチーフの使用に関しては権利者である黒澤プロダクションから正式な許諾を受けている。その劇場版第1作の事件は誘拐事件、それも誘拐対象が犯人によって誤認されるというあたりまでそっくりである。このように、日本映画の傑作サスペンス映画からのオマージュを作品のガジェットとして製作されている。
『砂の器』、『天国と地獄』ともに、第一の殺人事件発生後、スリーアミーゴスが刑事課に特捜本部設置の報告をしに来た際に、緒方と恩田が調べていたビデオの山の中に含まれている。
トリビア
- 制作に当たり、本広は押井守監督の『機動警察パトレイバー2 the Movie』を何度も見返し、「同作では横浜ベイブリッジを爆破したのに我々は封鎖するだけでいいのか」とスタッフと盛り上がったりしていたという[7]。
- 映画の冒頭で豪華客船でのSATの訓練風景のシーンがあるが、SATが船内に突入した際、ブリッジ(船橋)にいる船長役の人は、撮影に使用した船の本物の船長である[要出典]。
- 監視モニター室オペレーターの小池は本作の時点では民間会社から警察庁に出向している技官である[要出典]。
- 劇中で青島とすみれが国際展示場駅構内での置引きを監視モニター越しに発見し報告するシーンや、柏木雪乃の拉致に伴う広域外周配備が発令される際の無線指令の音声は、エグゼクティブ・プロデューサーの亀山千広が自ら担当している。
- 本作ではCGによる合成映像を多用しているが、代表的なシーンとしては、冒頭のSATの訓練風景で豪華客船上空を飛行するヘリコプター・お台場を封鎖するシーンでの道路の電光表示板の文字、渋滞している車列・クライマックスのレインボーブリッジで犯人残り3名を確保するシーンで現場に急行するSATのヘリコプター及び、隊員が降下して犯人を制圧するシーン、意外なところでは、最後に室井が警視総監賞を受賞するシーンの列席者(実際の撮影では20名ほどしかおらず、後でコンピューターでコピーして列席者が沢山いるように見せている)などがある[8]。
- ラストで報賞式を欠席した青島に対して室井が東北弁でつぶやいた「かだっぱり こいで」とは「片意地を張りやがって」という意味[9] である。
主要受賞
- 第27回日本アカデミー賞
- 優秀作品賞
- 優秀監督賞(本広克行)
- 優秀脚本賞(君塚良一)
- 優秀主演男優賞(織田裕二)
- 優秀助演男優賞(柳葉敏郎)
- 優秀助演女優賞(深津絵里)
- 優秀音楽賞(松本晃彦)
- 優秀撮影賞(藤石修)
- 優秀照明賞(加瀬弘行)
- 優秀録音賞(芦原邦雄)
- 優秀編集賞(田口拓也)
- 話題賞
- 第58回毎日映画コンクール 日本映画ファン賞
- 第28回報知映画賞 助演女優賞
- 第23回藤本賞
- 第21回ゴールデングロス賞 日本映画部門最優秀金賞・日本映画部門特別大賞
- 第16回石原裕次郎賞
- 第77回キネマ旬報賞 日本映画ベストテン25位・読者選出日本映画ベストテン9位
- 2004年 エランドール賞作品賞
DVD / Blu-ray
発売元はフジテレビジョン / アイ・エヌ・ピー、販売元はポニーキャニオン。
- DVD(1枚組、2004年6月2日発売)
- 映像特典:メイキング、制作者紹介、出演者紹介、映画への軌跡
- 音声特典:プロデューサー公開コメンタリー(プロデューサー:亀山千広×プロデューサー:堀部徹)、キャスト公開コメンタリー(北村総一朗×斉藤暁×小野武彦×監督:本広克行)、スタッフコメンタリー(監督:本広克行×音楽:松本晃彦×撮影:藤石修×照明:加瀬弘行×録音:芦原邦雄×美術監督:梅田正則×編集:田口拓也×タイトルバック:山本雅之)、隠しコメンタリー(プロデューサー:安藤親広×ラインプロデューサー:羽田文彦×宣伝渉外(フジテレビ):久保晴世×美術進行:大倉謙介)
- 封入特典:ブックレット
- 初回限定特典、ポストカード(2枚)、アウターケース付きデジパック仕様
- 初回生産分終了後はアウターケース、ポストカード無しのトールケース仕様で発売。
- 踊る大捜査線 THE MOVIE 1&2 Hi-BiT Twin Edition(2枚組、2004年9月15日発売、初回限定生産)
- Blu-ray(1枚組、2010年7月21日発売)
テレビ放映
- 地上波放送・関東地区のみ記載。
- 視聴率はビデオリサーチ調べ。関東地区でのデータ。
踊る大捜査線 BAYSIDE SHAKEDOWN 2
国際戦略版として制作された本編を約19分カットした1時間59分の短縮バージョン。オリジナル版から内輪ノリのギャグやシリーズを通して見ないと理解できない部分をカット。主人公・青島の視点から描くように再構成し、同じシーンでも別カットに差し替えられている。音響制作をスカイウォーカー・サウンドに依頼。スタッフロールや説明用の字幕は英語のみとなり、オープニングのメインキャスト紹介にユースケ・サンタマリアが追加されている。DVDは、日本映画として初めてのTHX社認定のTHX-DVDとなっている。
2012年9月8日21時 - 23時30分の「土曜プレミアム」にて、劇場版最終作の公開記念として日本初放送された。
- BAYSIDE SHAKEDOWN 2 -踊る大捜査線 THE MOVIE2 国際戦略版- DVD THX Edition(2枚組、2004年6月2日発売)
- ディスク1:本編DVD
- ディスク2:特典DVD
- イントロダクション、OD2プロジェクト、監視カメラ映像、刑事ウォーズ、観光案内、プロジェクトK、VFX、『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』特報・劇場予告編集・『BAYSIDE SHAKEDOWN 2』予告編、隠し映像
- 封入特典:ブックレット
- 初回限定特典:ポストカード(1枚)、アウターケース付きデジパック仕様(初回生産分終了後はアウターケース、ポストカード無しのトールケース仕様で発売)。
出典
外部リンク
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スタッフ | |
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登場人物 | |
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映画版 | |
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TVSP | |
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ゲーム | |
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スピンオフ |
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音楽 |
| RHYTHM AND POLICE ORIGINAL SOUND TRACK | |
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ORIGINAL MOTION PICTURE SOUNDTRACK | |
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関連項目 | |
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