『漫画誕生』(まんがたんじょう)は、2018年製作、2019年11月30日公開の日本映画[1]。明治から昭和初期にかけて活躍し、『漫画』を今日的な用法で初めて用い、日本における近代漫画の祖とされる北沢楽天の半生を描いた伝記映画。大木萠監督作品。
昭和18年(1943年)、日本。太平洋戦争が激化していくなか、北沢楽天は国策として漫画を統制する組織「日本漫画奉公会」の会長に就任するが、漫画家としては既に第一線を退き、双璧を成した岡本一平などに押され過去の人となりつつあった。そんなある日、彼は内務省の検閲課に呼ばれ出頭する。検閲官・古賀に促されるまま、北沢は自らの華々しい過去を語り始める。物語は、漫画家の過去や現在を行き戻りつつ、検閲官との議論を通して進んでいく。
明治32年(1899年)、福沢諭吉に見出されて時事新報社に入社した彼は、それまで新聞絵の主流であった程度の低いポンチ絵から、「漫画」という表現方法によってより風刺性の高い作品を読者に提供しようと奮闘する。そんな折、楽天は旅順陥落によって湧く東京で偶然出会った宮武外骨に感化され、風刺漫画雑誌の立ち上げを決意する。その名は、『東京パック』であった。「時事漫画」や雑誌のヒットにより職業漫画家として頭角を現していった彼は、妻も迎え、社会的な成功を収めていた。だが、明治43年(1910年)、大逆事件が勃発、かつて互いの切磋琢磨を誓いあった親友が社会主義運動に関与していたことで逮捕される。過去との訣別のため、楽天は、親友が成功を祝して送ってくれた絵葉書を燃やすのだった。
後進の育成や、引き続き風刺画の制作も手掛ける一方で、政治家の大物たちとも交流を深めていく北沢。彼を迎合的だと謗る声もあり、弟子やライバルも裏腹に成功していく。昭和に入っても、パリで個展を成功させるなど冨貴には恵まれていたが、自身の作家性としてのあり方には背を向けていた。
検閲官との対話の中で、自分が何を描きたいのかという疑問を突きつけられた楽天は、帰宅していのから紐で結ばれた巻紙を差し出される。開くとそれは結婚前に楽天が描いた彼女の似顔絵だった。それを見て、彼は慟哭するのだった。
戦後、父祖の地である大宮へ隠遁することになった楽天は、戦没者の遺族に似顔絵を無償で描きながらいのと平和に過ごしていた。大宮神社からの帰り道、楽天は本屋の軒先に並んでいる新発売の漫画本『新宝島』の前で足を止める。
劇中劇
アニメパート(声の出演)
『あなたを想ってる(楽天Ver.)』
当初、2018年初夏に公開を予定されていたが[2]、出演俳優の橋爪遼の逮捕により一時延期された。橋爪の他の出演作品が公開停止・カットされるなか、製作委員会は公開を決断。最終的に、2018年10月の東京国際映画祭上映を経て、2019年11月30日に劇場公開された。
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