『浪漫』(原題:Rickie Lee Jones)は、アメリカ合衆国のシンガーソングライター、リッキー・リー・ジョーンズが1979年に発表した初のスタジオ・アルバム。
背景
「イージー・マネー」はジョーンズ最初期のオリジナル曲の一つで、1976年に作られた[8]。その後トルバドールでトム・ウェイツ及びチャック・E・ワイス(英語版)と出会い、彼らとの交遊から「恋するチャック」が生まれた[8]。そしてジョーンズは「ヤング・ブラッド」、「イージー・マネー」、「ラスト・チャンス・テキサコ」、「カンパニー」の4曲入りのデモ・テープでワーナー・ブラザース・レコードの興味を惹き、更に同社の所属アーティストであるローウェル・ジョージが「イージー・マネー」を自身のアルバム『特別料理』(1979年発売)で録音したことから、レコーディング契約を得た[8]。
「1963年土曜日の午後」と「アフター・アワーズ」の2曲は、1978年12月22日のライブ録音である[1]。
ジャケットの写真はノーマン・シーフ(Norman Seeff)が撮影した。アート・ディレクションはマイク・ソールズベリーが行った。
反響・評価
母国アメリカのBillboard 200では3位を記録[2]。また、シングル「恋するチャック」はBillboard Hot 100で4位、『ビルボード』のR&Bシングル・チャートで79位に達し、続く「ヤング・ブラッド」はHot 100で40位に達した[2]。
ニュージーランドのアルバム・チャートでは22週連続でトップ50入り、うち11週にわたりトップ10入りするヒットとなって、最高3位を記録[3]。イギリスでは19週にわたって全英アルバムチャートでトップ100入りし、最高18位を記録した[5]。
William Rulhmannはオールミュージックにおいて5点満点中4点を付け「セルフ・タイトルのデビュー・アルバムで、ローラ・ニーロとトム・ウェイツの私生児であるかのような登場を果たした」「多彩な耳慣れたスタイルの集合体であると同時に、過去の何物にも似ていないように響く、驚くべきデビュー・アルバムであり、将来の重要なキャリアの始まりを告げた」と評している[9]。一方、ロバート・クリストガウはBマイナスを付け「もう一度聴いて楽しめそうな曲は"Coolsville"を含む3、4曲ぐらいしかない」と評している[10]。
収録曲
特記なき楽曲はリッキー・リー・ジョーンズ作。
- Side 1
- 恋するチャック - "Chuck E.'s in Love" - 3:31
- 1963年土曜日の午後 - "On Saturday Afternoons in 1963" - 2:35
- ナイト・トレイン - "Night Train" - 3:18
- ヤング・ブラッド - "Young Blood" - 4:07
- イージー・マネー - "Easy Money" - 3:20
- ラスト・チャンス・テキサコ - "The Last Chance Texaco" - 4:08
- Side 2
- ダニーの店で - "Danny's All-Star Joint" - 4:06
- クールズヴィル - "Coolsville" - 3:52
- ホワイト・ボーイズ・クール - "Weasel and the White Boys Cool" (Rickie Lee Jones, Alfred Johnson) - 6:03
- カンパニー - "Company" (R. L. Jones, A. Johnson) - 4:54
- アフター・アワーズ - "After Hours" - 2:14
参加ミュージシャン
脚注・出典